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今節の見どころ

11連戦の10戦目はアウェイで“降格組仲間”の仙台と。強力なFW陣を抑えたい

 

前節・琉球戦での今季初勝利からルヴァンカップを挟んでの今節。好調の仙台を相手にタフな戦いは必至だが、リーグ戦連勝で波に乗りたいところだ。

 

戦力のやりくりに苦心も柔軟性をもって戦う

26日のルヴァンカップグループステージ第3節・C大阪戦は屈辱的なスコアでの敗戦となったが、エドゥアルド・ネットとサムエルの加入後初出場や初の5-4-1システム採用など、今後の戦いのオプションとなる試行も出来た。リーグ戦前節・琉球戦で初勝利を遂げたメンバーの多くがルヴァンカップを回避したことで、少しでもコンディション回復できたことを願う。
 
琉球戦で負傷交代した町田也真人と伊佐耕平の状態は不明だが、渡邉新太や松本怜が復帰し、渡邉は琉球戦で今季初ゴール、松本はルヴァンカップC大阪戦に先発出場もして相手との駆け引きの巧みさや戦術理解力の高さを見せた。
 
プレシーズンには4-3-3システムをベースに今季の戦いに備えたチームだったが、スタートから11連戦となった中で課題を修正する時間を確保できず、失点がかさんだところで、下平隆宏監督は公式戦6戦目からシステムを4-4-2に変更。守備の安定やCF陣の好調を踏まえての決断で、守備の課題克服は目指しつつ、フォーメーションやメンバーが変わってもポゼッション志向の攻撃的スタイルは貫いている。さらにC大阪戦での5-4-1採用は、戦力をやりくりしながら対相手戦術の中で勝機を見出す選択で、こうしてブレなさと柔軟性を両立させながら過密日程をこなしている経験が、のちの戦いにつながってくることにも期待したい。
 

前節は初黒星も強力な攻撃陣が並ぶ仙台

11連戦の10戦目にあたる今節の仙台戦は、ルヴァンC大阪戦を含むアウェイ3連戦の2戦目。移動の負担も大きく踏ん張りどころが続く。
 
昨季J1残留争いで生き残れず、ともに降格した仙台だが、ルヴァンカップがないぶん、大分よりも日程的には余裕がある。ただ、現在は原崎政人監督をはじめスタッフ・選手らに複数の新型コロナウイルス感染者が出ており、チームマネジメントは限定された状況。そろそろ復帰するスタッフや選手もいるのではないかと思われるが、タイミングは読めない。3月16日に福島県沖で発生した地震の影響もいまだ残るが、その逆境の中にあっても、戦いへの強い意志を見せている。
 
開幕から5戦の無敗記録は、26日に行われた前節の町田戦に0-3で敗れストップしたが、鎌田大夢も加入後初出場を果たし、攻撃の力強さは随所に垣間見えた。前線には前節、負傷により途中交代した中山仁斗をはじめ、富樫敬真や赤崎秀平、皆川佑介ら強力なFW陣が揃っている。第4節からはフォギーニョが梁勇基とダブルボランチを組むようになった。守備陣にはかつて大分の最終ラインで活躍した若狭大志と福森直也の名も並ぶ。
 
その高い攻撃力をどう抑え、粘り強い守備をどう攻略するか。ここまで6試合を終えて、ともに9得点を挙げているチーム同士。失点は大分が10で仙台が7。両ゴール前のシーンの多いゲームが予想される中、相手より多く点を取り、失点を抑えて勝利したい。

試合に向けての監督・選手コメント

■下平隆宏監督
 
前節、チームが初勝利したことの喜びもあるが、それよりもホームでやっとサポーターのみなさんに勝利をお届けできた喜びのほうが大きかった。本当にお待たせしましたという気持ちだった。2トップの形にして、伊佐と呉屋を並べたが、2人ともいい仕事をしてくれた。途中出場の長沢もセットプレーで得点してくれて、攻撃のところでは4点取れたこともあり、いい形だったと思う。
 
ただ、勝ったことで雰囲気がよくなった部分もあるのだが、その後のルヴァンカップで大敗してしまったので、喜びが持続しているわけではない。今節の仙台も次節の東京Vも力があるチームで、順位も上にいる。われわれはやっと1勝できたというところで、その流れを切らさないようにということを選手たちと共有している。
 
仙台は中山くんは出るかどうかわからないが2トップが強烈だし、赤崎くん、皆川くんとあとから出てくるメンバーも強力。SHも遠藤くんだったり、前線の選手はタレント揃いでいろんな個性があって、ちょっと厄介だなという感じはある。守備の強度も高いので、難しい試合になると予想している。
 
■FW 16 渡邉新太
 
これまで勝ちがなかったので、前節の琉球戦で勝てたことにみんなほっとしている。4点取ってホームでしっかり勝ててよかった。チームの雰囲気も、負けたり引き分けたりして修正して次の試合に臨むのと、勝って修正して次に臨むのとでは、気持ち的にもポジティブになれたと思うし、あからさまに上がった下がったはないが、やはり勝利はいいなと思った。
 
J1昇格に向けては連勝が必要で、一試合一試合が勝負。戦術どうこうよりも一体感を持つことだったり、目の前の相手に球際や走力といったベースの部分で負けなかったりが大事になると思うので、まずそこをチーム全員で共有した上で、個人としてアシストや得点という結果でチームに貢献したい。