初勝利を目指す同士の九州ダービー。ゾーンディフェンスをこじ開けよ
11連戦の5戦目は長崎と、4試合ぶりのアウェイ戦。中2日での4連戦は3戦目となる。攻撃回数に見合った得点数を挙げるべく、チームは松田浩監督仕込みのゾーンディフェンスを打開しにいく。
11連戦半ば。出場メンバーはいかに
長崎も大分も、プレシーズンの順位予想ではともに上位に名を連ねながら、開幕からいまだ未勝利。まだ順位表を見て焦るような時期ではないが、それぞれに打ち出すチームカラーを自信で補強するためにも、早めに白星を挙げたいところだ。
新型コロナウイルス禍の影響で延期になっていたJ2第1節・水戸戦をミッドウィークにこなしてから中2日。水戸戦には先週末行われた第3節・横浜FC戦から先発1人を入れ替えたのみで臨んでおり、連戦で出場した選手たちのコンディションや、水戸戦アディショナルタイムに負傷交代した坂圭祐の状態が気になるところだ。長崎戦からさらに中2日でルヴァンカップグループステージ第1節の鹿島戦も控えており、それがようやく11連戦の折り返し地点。まだまだ先が長いところで、今節のメンバー構成がどうなるか。
攻めている割に濃厚な決定機は築けなかった水戸戦で、個人技により今季初ゴールを挙げた呉屋大翔にはここからの爆発に期待が高まる。特に今節は古巣戦で、期限つき移籍でプレーした19年には36試合に出場しキャリアハイの22得点を挙げている。自身も「すごく感謝していて、成長した姿を見せゴールを取って勝ちたい」と意気込みを語る。数ある古巣の中でも長崎とは初対戦。期するものは大きい。
同じく2019年に長崎でプレーし32試合出場4得点の香川勇気と諫早市生まれの梅崎司はここ2試合をメンバー外。負傷でなければ試合に飢えているはずだ。長崎にゆかりはなくとも他の選手たちも、出場してチームの勝利に貢献したい思いが強まっていることだろう。
長崎はロングボールで押し下げにくる
昨季5月から指揮を執る松田浩監督の2年目となる長崎は昨オフ、大幅に戦力が入れ替わった。玉田圭司が引退、毎熊晟矢や亀川諒史らが移籍したが、新たにクリスティアーノや高橋峻希ら実績豊富な戦力を獲得。都倉賢やエジガル・ジュニオ、カイオ・セザールと強力なプレーヤーが並び、その充実ぶりでJ1昇格候補筆頭に挙げられてきた。
ホームでの開幕戦は東京Vに1-1で引き分けた後、第2節の横浜FC戦はアウェイで0-1負け。都倉をターゲットに攻め続けたがスベンド・ブローダーセンの好セーブに阻まれるなどし、無得点に終わった。前節はホームでの甲府戦。狙いどおり前線の強度を生かして先制したものの、その後は相手に主導権を明け渡し、劣勢に回って逆転負けを喫している。
ここまでの3戦、個々の戦力は強力だがメンツの入れ替わりも影響してか、組織としては成長過程という印象も受ける。この1週間にも修正を施し、ホームでの勝利を目指して臨むはずだ。
ゾーンディフェンスのオーソリティー・松田監督仕込みのゾーンディフェンスを、大分がどう攻略するか。おそらくロングボールで押し下げに来る長崎に負けず、しっかりとラインをコンパクトに保って戦いたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■下平隆宏監督
なかなか勝点3を取れていないので、アウェイだろうがどの試合でもしっかり勝点3を取りたい。いまは自分たちにとって勝点3を取ることが最大の自信につながる。そのためにも勝点3が欲しい。
長崎は松田さんらしく4-4-2のブロックをしっかり作りながらやってくると思う。前線には外国籍選手を含め強烈な選手がいるので、やはりカウンター対策はひとつキーになるのかなと。そういうところで得点を奪い切るところまで持っていけるか。
得点を取るための特効薬はなく、やり続けることと、自信を持って、特に攻撃の時間をどれだけ長く出来るかだと思っているので、道のりはなかなか長いかもしれないが、それを目標にちゃんと据えてやっていきたい。
■FW 33 呉屋大翔
長崎は古巣の中で唯一まだ対戦していなかったチーム。思い入れもある。すごく感謝していて、成長した姿を見せたい。ゴールを取って勝ちたい。
——ゴールが決まった直後に長崎の番記者から「呉屋ちゃーん」という祝福LINEが届いた。次は対戦だが。
長崎戦の前に決めれておいてよかった。