互いに今季初勝利を目指す、仕切り直しの一戦。決定機を仕留め+3を
コロナ禍の影響で延期となった開幕戦。この試合を消化すればリーグ戦消化数も他チームと並ぶ。難敵・水戸を凌駕し初勝利を目指すのみだ。
セットプレーも含め決定機を逃すなかれ
本来であれば2月19日に開幕カードとして開催されていたはずのJ2第1節・水戸戦。新型コロナウイルス禍の影響で急遽前日に開催中止となり、チームは1週間の活動停止を余儀なくされた。水戸はすでに大分入りしていた後で、今回は2度目の敵地遠征。どちらも直近のJ2第3節から中2日のタイトな日程でコロナウイルスに恨みは尽きないが、10月23日までに全日程を終わらせる今季、試合は次々にやってくる。
水戸戦が延期されたためアウェイでの第2節甲府戦でスタートした大分の戦いは、初陣は強風に苛まれて消化不良。ホーム初戦のルヴァンカップ第2節G大阪戦には先発全員を入れ替えて臨み、若手を含むチームの底上げを進めた。第3節はJ1昇格のライバル横浜FCと戦い、逆転負け。11連戦の3戦目までをこなしていまだ白星のない状態で、そろそろ手応えを勝利につなげたいところだ。
甲府戦はともかくルヴァンG大阪戦と横浜FC戦では、今季からの新戦術の浸透も感じられ、果敢なトライや積極的な攻撃姿勢も見ることが出来た。横浜FC戦では狙いのひとつであるショートカウンターから今季初の流れからの得点も生まれている。ただ、セットプレーも含めて決定機逸が多く、3戦ともに「追加点を取れていれば」という結果になった。
フィニッシュの形までは作れているので、ここまで積み上げてきたものを信じつつ精度を高めたい。守備については1戦ごとの課題を精査し細部を修正して質を高めていく。
やはり決定力不足で連敗中の水戸
プレシーズンマッチではJ1の強豪・鹿島を下して勢いづくかに思われた水戸だが、開幕戦が延期された後、ホームでリーグ2戦を戦って連敗中。第2節の仙台戦では早い時間帯に先制したものの逆転され、終盤に追いついたが90+5分に決勝点を献上して2-3で敗れた。第3節の秋田戦では相手のロングボールに押し下げられてなかなか攻撃に枚数をかけられず、セットプレーで失点して0-1で敗れている。
それでも大分と同様、水戸らしいスタイルを貫いている印象で、逃した決定機の数が多いのも大分と同じ。仙台戦では今季加入の新戦力である木下康介と高井和馬の2人が得点を挙げており、いい形で彼らに仕事をさせないようケアすることも必要そうだ。津久見市に生まれ、佐伯S-play MINAMIで育った安藤瑞季とは、彼がC大阪の高卒ルーキーだった2018年2月4日に行われたトレーニングマッチ以来の対戦となる。
今季初勝利を目指してアグレッシブなスタイルを表現し合い、そのせめぎ合いの末にどちらが多く決定機を仕留めるかの勝負になるであろう一戦。下平隆宏監督と秋葉忠宏監督はS級ライセンス同期の戦術家同士で、その駆け引きも見応えのあるものになりそう。ホーム3連戦の3戦目で移動の負担はないが11連戦中の大分と、第3節の秋田戦から中2日で敵地へと移動する水戸。出場メンバーやゲームプランなどのマネジメント力も求められる中、最後は選手たちがピッチでどれだけの結果を出せるかに懸かってくる。