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今節の見どころ

今季初ホームゲームはルヴァンカップ。前監督を敵将として迎え撃つ

 

いくつものアクシデントを乗り越えて、1週遅れでスタートした今季。アウェイでのJ2第2節・甲府戦から中2日、チームはようやく今季初ホームゲームを迎える。乗り込んでくる敵将は、昨季まで大分のテクニカルエリアで躍動していたあの人だ。勝利して「まだまだ強くなる大分」を示し、恩返しとしたい。

 

甲府戦から中2日。メンバーは入れ替わる模様

J2第2節・甲府戦でようやく今季初の公式戦を戦ったチーム。活動停止明けから3日、強風に苛まれての試合で、今季からチャレンジするスタイルを十二分に発揮するには至らず苦しい展開となったが、あきらめない気持ちで90+4分にFKから劇的同点弾をものにし、アウェイから貴重な勝点1を持ち帰った。
 
それから中2日で迎えるルヴァンカップ・グループステージ第2節。チームにとってはこれが今季初のホームゲームとなる。このあとまた中3日でホーム連戦となるJ2第3節・横浜FC戦が控えており、下平隆宏監督は甲府戦後の記者会見で戦力のターンオーバーを示唆。甲府戦とは異なるメンバーでの今季のサッカーを見せてもらえそうだ。
 
活動停止明けから1週間、甲府に帯同した選手と大分に残った選手が混在する中で、それぞれのコンディションがどれだけ上向いたか。プレシーズンに続出した負傷者の回復具合も気になるところ。11連戦の2戦目で、今季初出場のメンバーが多くなると思われるが、ここから続く長い連戦、そしてその後のシーズンに向け、底上げを進め総力を高めていきたい。
 
今節の相手・G大阪も、甲府と同じ3-4-2-1のフォーメーション。さらにリーグ次節の横浜FCも同じ形で来ることが予想される。3チームとも細部の戦術は異なるが、今季から採用する4-3-3システムの、3-4-2-1とのマッチアップにおける戦術理解は、効率よく積み重ねていけるのではないか。
 

戦術浸透中の相手は連勝して波に乗りたいところ

そのG大阪を率いるのは、昨季まで6シーズンにわたり大分で指揮を執り、J3からの2段階昇格を導いてJ1で3シーズン戦った片野坂知宏監督だ。ラストゲームとなった昨年12月19日の天皇杯決勝・浦和戦からわずか3ヶ月に満たずでの再会。グループが発表になったとき、片野坂監督自身も「まさかこんなに早く大分と対戦することになるとは…」と苦笑いしたほど早い“帰還”となった。
 
プレシーズンにはG大阪もコロナ禍に見舞われ、やはり万事順調とは行かなかったようで、J1第1節の鹿島戦を1-3、ルヴァンカップ第1節・C大阪戦を2-3と公式戦連敗スタート。J1第2節は後半の修正がハマり、浦和に1-0で今季初白星を挙げた。
 
“G大阪版カタノサッカー”も浸透過程にあり、大分で言っていたような“勉強代”も払ったのかと思われた立ち上がりだったが、ここから連勝して波に乗りたいはずだ。
 
ただ、強力な外国籍選手を含むタレント揃いのJ1チームを迎えるとはいえ、こちらもみすみす勝点を献上するわけにはいかない。片野坂監督が築いてくれた土台に新たな刺激を加えてチャレンジ中の今季の大分が、昨季までを上回るポテンシャルを発揮できるところを示すことが、前指揮官への最大の恩返しとなる。
 
下平監督にとっては甲府の吉田達磨監督に続く“仲良し”指揮官対決。初のホームゲームであり、ここからの連戦に弾みをつけるためにも、シンプルに勝利だけを目指したい。
 

試合に向けての監督コメント

■下平隆宏監督
 
G大阪戦は単純に楽しみ。大分のサポーターの方々も本当に楽しみにしていると思う。片野坂監督が大分に凱旋する試合でもあるし、われわれのホームの初戦にもなる。大分界隈では非常に注目される一戦になる。しっかり迎え撃っていいゲームをして、ルヴァンでもしっかり勝てるところをお見せしたい。難しいことも多いと思うが、G大阪を片野坂色に染めているところだと思うので、そういったところも見られればと思う。
 
こちらもおそらくメンバー的には入れ替えがあると思うが、そこで新たなメンバーが出てきてくれて、競争が激しくなることは歓迎する。ホームで出来ること、相手が片野坂監督のG大阪ということで、またいろんなトピックスがあると思う。またそこに向けて選手たちと準備したい。