リーグ最終節。アウェイ2勝目を挙げそれぞれの今後につなげたい
ホーム最終戦を終え、来週には天皇杯準決勝を控えてのリーグ最終節。チームはアウェイで柏に挑む。今季苦手とした敵地で、意地の勝点3を掴めるか。
感傷を断ち切って勝利を目指す最終節
前節、ホーム最終戦セレモニーで、昭和電工ドーム大分に集まった大分トリニータのファンやサポーターと、6シーズンの感謝を伝えあい別れを惜しんだ片野坂知宏監督。J1残留を果たせなかった悔しさを噛みしめながら、あらためて「彼らのために勝ちたい」という思いを胸に感傷を断ち切り、アウェイでのリーグ最終戦に挑む。
選手たちにとっても、今季のチームで戦う機会は残りわずか。夏に加入した呉屋大翔、増山朝陽、梅崎司、野嶽惇也は前所属チームで天皇杯に出場しているため、今節が今季のラストゲームとなる。苦しかったシーズンの結果は無念にもJ2降格となったが、サッカーはこれで終わりではない。チームはまたJ1復帰を目指し、選手は引き続き大分でプレーしたり他クラブに移籍したりして、それぞれの場所でさらなる成長を続けていく。その未来に少しでもいい形でつなげるために、今季J1最後となる今節も、最大値を出して最高の結果を求めたい。
今節もミラーゲームが予想される
最終節の相手は柏。昨季の主砲オルンガが抜けた影響もありシーズン序盤は苦戦。また、感染者が出るなどコロナ禍の影響をダイレクトに受けたシーズンでもあったが、夏以降に徐々に調子を上げ、J1残留争いから早々に抜け出した。
来季も指揮を執るネルシーニョ監督は、今季は4バックと3バックの複数システムを併用し、相手にマッチアップさせて相手のストロングポイントを消す戦法を続けていた。来季は4バックを軸に戦いたいと話しているようだが、前節の札幌戦で採用したのは、やはり相手と同じ3-4-2-1システム。だが、札幌の攻撃の圧力のほうが上回り、1-3で敗れている。
おそらく今節の大分に対しても、ミラーゲームを仕掛けてくると思われるが、それがどう出るか。ミラーゲームを苦手としてきた大分は、徳島や福岡を相手に手を焼き、第35節・G大阪戦でも、前半は4バックだった相手を上回ったが、後半は3バックに変更した相手に主導権を奪われ、2-3で競り負けた。だが、前節の横浜FC戦では最終ラインから関わるアグレッシブな攻撃と粘り強い守備で2-0で勝利。「ラッキーな部分もあった」と片野坂監督はまだ物足りない表情を見せたが、躍動感のある戦いぶりを示せたことは収穫だった。
今節は今季1勝3分14敗と勝率の低いアウェイ戦。ようやくコロナ禍による制限が解かれはじめた中、アウェイで意地の2勝目を挙げて、サポーターの気持ちに応えたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
ホーム最終戦で来場してくださった方々への感謝を伝え、わたし自身も今季かぎりで退任ということで挨拶させていただいたので、シーズンが終わったような雰囲気の終わり方になってしまったが、まだ最終節と天皇杯が残っているので、その切り替えをちゃんとしなくてはならない。今度は柏戦に向けてしっかりやろうという気持ちになっている。選手も次に向けて集中してやってくれている。
柏さんがどういうメンバーで先発してくるかというところもあるし、カウンターにはスピードや迫力があるので、自分たちの動かしのところでのロストなどに気をつけ、リスク管理をしておかなくては、そういうところで上回られて失点につながる可能性がある。攻撃も、狙いを合わせた中で、相手陣地で動かす。深いところまで入れて、やはり成立することが大事。フィニッシュで終わること、リスク管理をしっかりとしながら自分たちが主導権を持てるようなゲームをしたい。そのためには相手のプレスの状況を見て、立ち位置をとった中でどういうふうに剥がすか。その狙いをもって合わせてやりたい。
横浜FC戦同様に、選手が思い切ってチャレンジすることが大事。自分たちがここまでやってきたことに自信を持ってトライすること。あとは走ること、球際、切り替えといったベースの部分で隙を作らず、止まらずに集中力高くプレーできるかどうかだと思う。
■MF 8 町田也真人
今季リーグ戦は最後なので勝ちにこだわっていきたい。いつもどおり変わらないスタンスで、38試合の変わらない1試合として、まずしっかり戦う。もちろん勝てればベスト。アウェイでは今季は1勝しか出来ていないので、なんとか2勝目を上げてリーグを締めくくりたい。前節ミラーゲームで勝てて、いいイメージがある。アグレッシブに前からプレスをかけていければ相手にボールを握られる時間も少なくなる。相手がどういうふうに来るかまだわからないが、前節のようにボールを持てるように意識していくと思う。
少ないチャンスの中で今季8得点できたことは自分の中でポジティブ。ただ、もっと取れたと思うし、アシストがないのは決定的な場面を作れなかったということ。自分が得点するという以外の部分での貢献度が低く、反省点のほうが多い。それでも、今季は割と自分のよさを出せるようになってきていた。みんなも自分のよさをわかってくれたり、自分のプレーをしってもらえたから、より自分の良さが出せたと思う。