3連勝中のホームの勢いをアウェイにも。降格圏脱出を目指し今節は16位・徳島に挑む
連戦中の苦しい時期にもコツコツと積み上げてきたものが、ようやく結果に還元されはじめた。前節、仙台との6ポイントマッチを制し、今季初の連勝。ホームでは3連勝となった。今節はアウェイゲームだ。
勝点2差の徳島に勝てば降格圏の出口が見えてくる
シーズンも終盤になって、ようやく今季初の2連勝。運も引き寄せてラッキーな要素もありながら、チームは本来目指していたスタイルに近い姿を見せる時間帯を増やし、勝点という結果を掴んでいる。
戦力の入れ替わりにともなって、開幕から続いた連戦の中で組織の再構築に手間取ったが、苦しい時期を過ごしながらも積み上げてきたものは、着実に少しずつ浸透していたようだ。8月の5連戦ではこれまでとは異なるストーミングを取り入れて戦い、バランスを保てず複数失点も繰り返したが、その戦い方が従来のスタイルと上手く融合し、使い分けが出来るようになってきた。
新しいメンバーのフィットとともに、戦術が浸透してチームとしての迷いがなくなったことで、思い切りよく戦えているように見える。9月以降は5試合で1失点。攻撃機会も増え、積極的に相手陣内に攻め込む場面も多くなった。
現在、最下位の仙台と残留圏の16位・徳島との勝点差は6。残すところ6試合で、15位の清水、14位のG大阪、13位の柏と、どこまでが残留争いに巻き込まれるかという状況だ。大分は残留圏まで勝点2差。そして今節は、その徳島との直接対決に挑む。
ホーム3連勝の勢いをアウェイにも持ち込みたい
第24節から6連敗を喫した後、第30節に仙台を1-0、第31節に鳥栖を3-0で下して2連勝し、残留圏へと浮上した徳島。前節は横浜FCとの打ち合いで3-5と競り負けた。ただ、立ち上がりに2失点したが立て直して主導権を握り、サイドから攻めて一度は追いつく展開へと持ち込んでいる。
チーム最多得点の垣田裕暉が好調で、夏に獲得したムシャガ・バケンガとも連係が高まっているように見える。前節途中出場の宮代大聖もアシストの結果を残しており、厄介な存在だ。岩尾憲の率いる組織はポゼッションを得意とするが、鳥栖戦では一変、相手に持たせて大勝した。
大分としてはここ最近、4バックの相手に対しサイドで優位に立つ試合が出来ているが、細やかにポジショニングを変化させる徳島に対しても、その力を発揮できるか。
また、今節は今季苦手としてきたアウェイ戦。コロナ禍が勢いを潜めたことで鳴門へと向かうトリサポも多くなりそうな中、彼らの力も借りて、ホーム3連勝中の勢いをアウェイへと持ち込みたい。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
徳島さんとは開幕戦で引き分けに終わっているし、ルヴァンカップもアウェイでは勝ったがホームでは引き分け。徳島さんとはおそらく最後まで残留争いを繰り広げる相手になる中で、どちらも勝点3が欲しい試合になる。われわれはなかなかアウェイでポイントを取れておらず、残り6試合のうちアウェイ4試合で上位相手との対戦もある。今節の徳島戦には勝たなくてはならない状況で、これまでのようにいい入りをして90分間切らさずタフに戦えるかが大事になってくる。ポイントは必ず持って帰りたい。
徳島さんは攻撃でポジショニングなどはおそらく細かい決まりがあるのだろうなと思う中で、非常に上手い動かしをしてくる。外国籍選手も日本人選手も質が高く、スペースと時間を与えると厄介になる。サイド攻撃だけでなくカウンターもあるし、ルヴァンカップではセットプレーでやられた。仕留めることの出来るタレントが前線にいるし、宮代くんなども前節後半から出ていい動きをしていた。嫌な選手が揃っている相手に対し、自分たちがチームとして狙いを合わせることが大事。奪いどころとウィークを把握した中でチャレンジできるか。
■DF 14 エンリケ・トレヴィザン
前節、仙台に勝って2連勝できたことは大きかった。いまのチーム状況では連勝はマスト。残留争いのライバルの仙台から勝利できてほっとしている。ただ、まだまだ残り試合があるので、気を引き締め今節の徳島戦に向けて準備している。
徳島さんも残留を懸けているので堅いゲームになるのではないか。簡単に勝てるチームではないと思っている。われわれがいま取り組んでいることをしっかり積み上げ、それを試合で発揮できるようにしたい。残り6試合、ひとつも落とせないという強い気持ちと覚悟を持って1試合1試合を戦っていく。いまチームがさらにまとまってきたので、それを継続しながらいい準備をして、残留を掴み取れるよう気を引き締めて戦いたい。