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今節の見どころ

今季初の連勝を掴みたい九州ダービー。強度と柔軟性をもって全員で戦術遂行を

 

現在3位につける鳥栖との九州ダービー。確立したチームスタイルの上に変化しながら戦ってくる相手に、こちらも柔軟に対応しつつベースで上回りたい。

 

組織における個々の意識も高まっている

接近中の台風14号は試合当日の17日には温帯低気圧に変わるとの予報だが、その影響がどのようになるかはいまだ見えず。16日18時時点では予定どおり開催の方向で準備中とホームクラブから公式発表があり、今後は様子をうかがいながら、17日10時頃と13時頃に開催可否や条件を判断。公式サイトで順次発表していく模様だ。
https://www.sagan-tosu.net/news/
 
通常であれば楽しみな九州ダービーだが、昨季から続く新型コロナウイルス禍により、スタジアムで応援できないファンやサポーターも多い。さらに気象条件も重なれば折角のダービーが残念なことになってしまうが、チームはJ1残留を目指し、現在3位の鳥栖にひたむきに挑む。
 
2週間の中断期間明けで臨んだ前節・湘南戦は、クリーンシートで終え7試合ぶりの白星。12試合ぶりの複数得点も挙げた。ここ最近は先制後すぐに追いつかれ逆転されたり、狙いのハマった時間帯に得点できず流れを逃したりといった試合が続いていたが、中断期間にあらためて戦術を整理し共通認識を深めたことで、湘南戦では相手にペースを握られた時間帯にも一体感を損なうことなく、また先制後もイージーなミスなく集中と強度を維持して、最後まで戦うことが出来ていた。
 
前節、ひさしぶりにリーグ戦に絡んだメンバーが勝利に貢献したことも大きい。これまでコンディションが上がらなかったり、連戦の中でなかなかアピールできずにいたりした選手たちが頭角を現しつつあるようだ。
 
シーズン終盤の厳しい残留争いに向かう緊張感がトレーニングの雰囲気をさらに引き締めるとともに、戦術を再整理したことにより、ひとりひとりが試合ごとの戦術の狙いとその中で自らに課されるタスクを理解して、組織のために戦う意識を高めていることが、いい雰囲気、いい結果につながっていると片野坂知宏監督は手ごたえを口にした。
 

主導権とトランジションが勝負のポイント

今節は今節であらためて好調な戦力を見極め、対鳥栖の狙いにそって、組み合わせも考慮しながらまた新たな18名がチョイスされることになる。
 
金明輝監督の戦術が浸透している鳥栖は攻守の切り替えが早く、アグレッシブにハードワークするチーム。相手の立ち位置や状況を見ながら巧みにポゼッションしてくるため、こちらとしても臨機応変に対応していく柔軟性が求められる。そのためには緻密な準備と的確な選択、そして局面によっては大胆なプレーも必要だ。片野坂監督は主導権とトランジションが勝敗を分けると見据えている。
 
こちらのペースで試合を進められれば理想的だが、苦しい展開になっても貪欲に勝点を狙う姿勢は不可欠。鳥栖もそれを得意とするチームで、前節の清水戦もロティーナ監督仕込みの守備になかなか決定機を作れずにいたが、先制して追いつかれた後、エドゥアルドが直接FKを沈め勝利している。
 
だが、こちらはJ1残留を目指し、今季初の連勝をものにしたいところ。上位の相手だが臆することなく果敢に挑んでいきたい。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
 
鳥栖さんは金明輝監督の攻撃と守備の戦術がよく整理されていて、選手もその狙いの中で思い切ってプレーしている。結果を出して自信につなげているチーム。若い選手にもいい選手がいて勢いがあるが、しっかりとバランスが取れていると感じる。
 
守備も強固にハードワークして戦ってくるし、攻撃に関してもチームとしての狙いやバランスは非常にいいものがある。われわれも守備でしっかり管理しなくてはならないし、攻撃では得点しなくては勝点3を取れない。鳥栖さんがどういうふうにわれわれに対して出てくるかというのもあるが、相手の変化を見極めながら戦いたい。
 
もちろん九州ダービーということもあり負けたくない。鳥栖さんは簡単に勝たせてくれないチームだし、自分たちは勝てそうなゲームを失ったり追いつかれたりする一方で、鳥栖さんのほうはしっかりと勝ち切れるゲームをしている。今季の鳥栖さんとわれわれのチーム状況は全く違うが、そういうことに関係なくダービーとして勝負を挑み、アウェイで勝てていない中で思い切ってプレーして勝点を取りたい。
 
■FW 16 渡邉新太
 
チームとして守備の時間が多く、守備をしっかりやらなくてはならない状況だが、自分は攻撃の選手なので、もっと攻撃で存在感を出したり決定的な仕事をしなくてはならない。僕自身、リーグ戦では開幕戦以来点を取っていないので、こだわってやっていきたい。個人個人でシュート意識を高めようと話しているのと、監督からもゴール前では思い切ってシュートを打つようにと練習から声をかけられている。
 
鳥栖は若い選手が多く、やるべきことをひとりひとりがしっかりやっている印象で、誰もサボらないし、球際でアグレッシブに戦ってくる。前節の湘南戦と同様、ベース部分のバトルで負けないことが大事になる。残留するには勝つしかないので、勝利を目指して戦うだけ。マイボールの時間を増やして相手陣地で相手を揺さぶるような攻撃が出来ればもっと得点チャンスも増えると思う。
 
前から守備をする機会が増えて奪うことも出来るのだが、攻撃に切り替えてからのクオリティーが個人的にまだ低い。点を取るためにボールを奪っているので、そのクオリティーは上げていかなくてはならない。マイボールになったときに周囲の選手もどれだけ出ていけるか。個人個人が感じて、ボールを奪った選手を追い越して攻撃参加すること。しっかり走ろうとみんなで話し合っている。