タフな5連戦のラストはアウェイ広島。トンネルを抜けたい同士が激突する
ハードスケジュールのみならず湿度の高さにも悩まされた5連戦もようやくラスト。アウェイで対峙する広島も5戦未勝利でモヤモヤしている最中だ。
苦しんだ5連戦の最後は勝利したい
この5連戦をいかに総力で戦うかというところに、指揮官以下コーチ陣は頭を悩ませ工夫を凝らしたはず。どの試合も周到なゲームプランを準備し、それにあわせて選手をチョイスしていた。連戦における戦力のやりくりが先行した可能性もあるが、いずれも勝つために最善のお膳立てをし、選手はそれをピッチで遂行した。
その中で、前節の神戸戦に敗れ、残留圏16位との勝点差が8に開いた。とにかく目の前の試合に勝つしかないという状況で、今節の11位・広島との戦いを終えると、9月10月には順位の近いチームとの直接対決を多く迎える。その6ポイントマッチをものにするか否か。ここ最近も内容的には悪くない試合を続けているのだが、ちょっとしたところで勝敗が残念なほうに転ぶことが多かった。
長らく最下位に甘んじていた横浜FCは、夏の補強でシンプルに両ゴール前の強度向上を図り、FWとGKに外国籍選手を獲得。特にGKの活躍が目覚ましく、調子を上向けた。大分は組織の骨格強度を高める方向性で4人の実績ある日本人プレーヤーを補強し、そのうち呉屋大翔と増山朝陽は早速、出場を重ねている。彼らを組み込むと同時に、よりアグレッシブな戦法に舵を切り、高木駿や伊佐耕平の起用がハマってもいるが、複数得点できずに失点して勝点を逃しているのが現状だ。苦しかった5連戦、最後は勝利で飾りたい。
川辺駿が旅立ち松本泰志が戻ってきた広島
今節対戦する広島も、リーグ戦直近5試合は白星から遠ざかっている。天皇杯は2回戦でお京都と対戦し、まさかの1-5で敗退した。持ち味の堅守は崩れていないのだが、やはり複数得点できないのが悩みどころだ。現在7勝11分7敗で11位とまさに中位にいて、とにかく引き分けが多い印象だが、この順位では「粘り強く勝点を積んでいる」というよりも「勝ちきれなかった」という評価に傾くことになる。
今夏の移籍期間には川辺駿が海外へと飛び立ち、井林章が清水へ。川辺の移籍に伴い、C大阪に期限付き移籍していた松本泰志が復帰した。永井龍と鮎川峻は長期離脱中。他に、直近2試合で森島司と茶島雄介がメンバー外だったが、今節は出場するか否かが気になるところだ。前節の浦和戦を回避した青山敏弘が先発する可能性は高いと見られる。好調の柏好文も前節は途中出場で、体力は温存されているだろう。
システムはおそらく3-4-2-1。それに対して大分がどういうシステムで臨むか。最近は特に選択肢に幅が出てきたので、相手としても予想しづらいとは思うが、いずれにしても高さのある屈強な3CBの壁をどう上回るか、サイドの攻防で優位に立てるかが焦点となりそうだ。先制点も試合展開を左右するカギとなる。
得点力という課題を抱え、勝利に飢えた両軍の激突。戦術は勝利への準備段階に過ぎない。最後にものを言うのはゴールへと向かう強い気持ちだ。