3回戦の相手はJ2甲府を劇的逆転で下した福井U。難しい試合をものにしたい
リーグ戦の間に中2日で挟まれた天皇杯3回戦。2回戦でJ2甲府を下して勝ち上がった北信越リーグ所属・福井ユナイテッドとの難しい試合に挑む。
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天皇杯ならではの、カテゴリーの壁を越えた難しいマッチアップ。3回戦の相手は北信越リーグで健闘する福井県代表・福井ユナイテッドだ。経営危機に陥ったサウルコス福井を引き継ぐ形で福井県サッカー協会が有志を集め2019年に設立、活動をスタートさせると、北信越リーグ1部連覇中。2019年は全国地域サッカーチャンピオンズリーグ4位の成績を収めている。
1回戦で埼玉県代表のアヴェントゥーラ川口に2-1で勝利。2回戦はJ2甲府と戦い、アディショナルタイムに立て続けに2得点して劇的な逆転で勝ち上がった。個の力量で上回る甲府に粘り強く対応して1失点に抑えつつ、したたかに背後を狙って迷いなく攻め続けた結果、90分でのジャイアントキリングに成功した形だ。
大分も福井もリーグのアウェイ戦から中2日というスケジュールだが、福井のほうが移動の負担は少ない。片野坂知宏監督はアウェイ清水戦とホーム浦和戦にそれぞれ中2日で挟まれたこの試合での戦力のターンオーバーを示唆している。甲府も2回戦でリーグ戦とはメンバーを入れ替え、組織的完成度の未熟さを突かれた部分があった。大分も、リーグ戦であまり出場機会の得られないメンバーが、個人と組織でどれだけ力を発揮できるかが試される。守り切る、逃げ切るという意識に不用意に傾けば、失うもののないチャレンジャーとしての相手に足元をすくわれる可能性も大いにあるだろう。
リーグ戦への勢いをつけるためにも、勝利したい一戦。勝ち上がれば公式戦も増え、日程は過密になるが新たなチャレンジの機会を得ることが出来る。初めてのテクノポート福井スタジアムは雨模様。いろいろと難しい状況だが、結果を求めて泥臭く戦いたい。
ちなみに福井には角野翔太と宮地裕二郎の2人の大分アカデミーOBが在籍。角野は1回戦、2回戦ともに途中出場している。ヘッドコーチは2015年に大分でトップチームヘッドコーチ、翌年は大分U-18監督を務め、高畑奎汰をSBにコンバートした中村有氏だ。高畑や弓場将輝、2種登録の屋敷優成らも出場すれば、アカデミー絡みの対決が実現するかもしれない。そんなサイドストーリーもありつつ、高いモチベーションで臨む決戦。J1チームの意地を見せたい。