天皇杯を挟むタフな3連戦の初戦。ロティーナ清水に“ダブル”したい
今節からは天皇杯3回戦を挟んでそれぞれ中2日の3連戦。しかも移動の厳しい敵地2戦のタフな日程だ。その初戦の今節、清水に勝利して勢いに乗りたい。
気になる最終ラインの顔ぶれ
前節・FC東京戦までの3連戦から1週間のブランクを経て、今節から再び、天皇杯を挟む3連戦がスタートする。前回の3連戦はベンチコートが必要なくらい寒かったアウェイ札幌戦から蒸し暑さに苛まれたホーム鹿島戦とアウェイFC東京戦がそれぞれ中3日で続くタフなスケジュールだったが、今回はアウェイ清水戦からの福井開催での天皇杯、そしてホーム浦和戦がそれぞれ中2日という、前回以上の行軍となる。
特に清水と福井連続での遠征は、どちらも交通の便を考えると負担が大きい。ターンオーバーも視野に総力で戦うことになりそうだ。
また、今節は三竿雄斗が出場停止。攻守に不可欠な存在として今季リーグ戦18試合に出場している左CBを欠いて、最終ラインの顔ぶれはどうなるか。前々節の23分に負傷退場した坂圭祐は前節もメンバー外。前節は刀根亮輔が右CBで先発し、三竿の退場後は3バックと4バックを行き来しながら、上夷克典や香川勇気が最終ラインに入った。小出悠太と高畑奎汰も候補に挙がる他、最近はすっかりボランチが主戦場となったが羽田健人も元はCBだ。レフティーを配置するなら香川か高畑。エンリケ・トレヴィザンは左利きだが、やはり真ん中に置いておきたい。
個の局面で強度高く守れるエンリケが急速にフィットしてきたのは心強いが、今節も出場すれば、これまでエンリケと組んできた坂と三竿ではなく、他のメンバーと組むことになるのがどう出るか。清水も3バックと4バックを併用しており、こちらの台所事情に加え清水の出方によっても、採用するシステムやメンバーは変わってきそうだ。チーム片野坂がこの局面にどのようなプランで臨むかを楽しみにしたい。
戦い方と戦力の多彩さが強みの清水
清水は現在、4勝7分8敗で14位。大分との勝点は6開いている。今季から浸透させているロティーナ監督のサッカーは、まだ十分に体現できているとは言い難いが、愛弟子・片山瑛一の負傷からの復帰とともに、徐々に形を成している手応えが感じられる。
前節の横浜FC戦は1-1のドロー。前半は横浜FCのペースとなり先制も許したが、清水は後半、それまでの3バックから4バックへとシステムを変更して戦い方を修正し、戦況をひっくり返した。押し込みながらなかなか得点できずにいたが、セットプレーも含めて粘り強く攻め続け、ついに81分、そのセットプレーから同点に。さらに攻めたが横浜FCも我慢し、スコアはそれ以上は動かなかった。
システム変更と選手交代で横浜FCをほぼ防戦一方状態へと追い込んだ修正は見応え満点だった。だが、横浜FCが前半のいくつかの好機を仕留めていれば展開は異なったかもしれない。
最も警戒すべきはやはりここまで7得点のチアゴ・サンタナ、そしてセットプレーでのヴァウドだろう。他にディサロ燦シルヴァーノやカルリーニョス・ジュニオ、指宿洋史、鈴木唯人ら多彩なタイプの攻撃陣が揃っており、システムとともに様々に起用される。エウシーニョは姿が見えず、負傷中と見られる。
また、元大分組との再会も楽しみだ。鈴木義宜は残念ながら負傷離脱中だが、福森直也と後藤優介はメンバー入りするか否か。
東京V時代にもC大阪時代にも、なかなかリーグ戦で勝たせてもらえなかったロティーナ監督に、ついに今季は第12節のホームでの対戦で、1-0での勝利を遂げた。今節はシーズンダブルを狙いたいところ。
昨季も日本平では雷雨で試合が中断する憂き目に遭ったが、今年はさらなる大雨。熱海では土砂災害も発生している。心より御見舞い申し上げるとともに、これ以上の被害が出ないよう願うばかりだ。