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今節の見どころ

さらに強度を増した強豪・鹿島。前節の不甲斐なさを挽回する戦いを

 

3連戦の2戦目はホーム。乗り込んでくるのは攻守両面で高い強度とクオリティーを誇る強豪・鹿島だ。前節の札幌戦の不甲斐ない戦いぶりを取り返すくらいの熱い試合が待たれる。

 

この3連戦唯一のホームゲーム

代表ウィークによる中断期間にチームの土台を固め直して再開に臨んだはずだったが、3連戦の初戦は札幌を相手に不甲斐ない内容で、0-2での敗戦。ミラーゲームで局面ごとに相手を上回れず、周到に準備したプランもほとんど体現できないまま、課題の多く出た一戦となった。
 
それから中3日での今節は、なんとしても前節の不全感を挽回したい。とはいえ相手は相馬直樹監督が指揮を執るようになって強度を増している強豪・鹿島だ。厳しい戦いが予想されるが、いまチームはひとつでも多く勝点を積まなくてはならないシビアな状況。どれだけ泥臭くともゴールを奪いゴールを守る気概が必要となる。
 
気がかりなのは、誰かが戻れば誰かが離脱するというチームコンディション。前節欠場した誰かが今節は戻ってくるのか、前節出場した選手が今節も出場できるのか、連戦において選手層は出来るだけ厚く保っておきたい。札幌戦帯同メンバーはベンチコートが必要だった敵地から、30度近い大分へと20日に戻ってきた。気温差も含め劣勢だった試合でのダメージをどれだけ回復できたか。
 
今節の鹿島は4バックシステムのため、札幌戦とは異なりミスマッチが生じる噛み合わせ。その中でどのようにボールを動かし、どのようにゴールに迫るのかを選手間でしっかり共有しておきたい。札幌戦では相手の圧を受けて奥行きを見ることが出来ず、ただ蹴り出すだけとなってしまったが、今節は鹿島のハイプレスに臆せず立ち向かっていけるかが試される。
 

強度の高い4バックシステムとどう対峙するか

鹿島は昨季から指揮を執ったザーゴ監督が4月に戦績不振のため解任され、相馬監督がその後を受け継いだ。ザーゴ監督が進めた世代交代で若いプレーヤーが多く台頭してきた中、相馬監督が彼らの勢いを巧みに引き出し、ザーゴ監督時代にはやや落ちていた強度を見事に回復、さらに増幅させている。
 
相馬監督に交代した第10節以来、4連勝を含む6戦無敗と好調を維持。第15節で鳥栖に1-2で初黒星を喫してからはやや当初の勢いが落ちているが、前節は圧倒的な攻勢を仙台の粘り強い守備に阻まれながら、試合終了間際にファン・アラーノのシュート性クロスがゴールへと吸い込まれて引き分けへと持ち込んだ。公式戦連勝は3でストップしたが、したたかに勝点1を積むあたりはさすが鹿島と言える。
 
21日には遠藤康の右ハムストリング筋損傷による全治4週間の負傷離脱が発表されたが、厚い選手層を使い分けて連戦でも強度を維持。新外国籍選手のディエゴ・ピトゥカもフィットしており、今節はどういう編成で臨んでくるかが読みづらい。
 
相馬監督とは2018年J2町田を率いていたとき以来の対戦となる。当時とは戦力もスタイルも異なるが、選手を走らせ戦わせて結果を求める哲学は貫かれている。こちらも負けずにホームの意地をぶつけるのみだ。