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今節の見どころ

隣県から“企業戦士”たちが乗り込んでくる。足元をすくわれず確かな戦いを

 

天皇杯ならではの、公式戦にしてアマチュアチームとのマッチアップ。プロチームに一泡吹かせようと士気高く臨んでくる相手は手強い。自分たちの戦い方を確かめながら、リーグ後半戦につながる収穫の多い一戦としたい。

 

戦い方を確認しつつ結果にこだわりたい

ルヴァンカップはすでに予選で敗退しているため、5月30日に開催されたJ1第17節H福岡戦をもって代表ウィークによる中断期間に入ったチーム。開幕以来、断続的に続いてきた過密日程で溜まった疲労を回復してコンディションを上げ、連戦中には確認できなかった戦術面も整理できる貴重な時間を過ごしているはずだ。この期間に組織の土台を固め、ここからの巻き返しに向けて万全の準備を施したい。
 
6月19日の第18節A札幌戦でリーグが再開するまでの間に公式戦があるのは絶妙なタイミングだ。天皇杯2回戦・ホンダロックSC戦で、昭和電工ドーム大分でのナイトゲームとなる。
 
福岡戦から中9日、札幌戦まで中9日とブランクがあるため、戦術のさらなる浸透やブラッシュアップの意味も込めてリーグ戦で主力として戦ってきたメンバーで臨む可能性も高い。あるいは、福岡戦の試合後記者会見で片野坂知宏監督が強く奮起を促した、これまではサブ組に甘んじていた選手たちにチャンスが巡ってくることも大いに考えられる。負傷していた戦力が復帰してくるかもしれないし、逆に体を休めたい戦力もいるかもしれない。
 
いずれにしても公式戦で全力を出せるのは、チームの成長の好機だ。徐々に内容が上向きつつある中で、ここからはすべての試合で、これまで以上に貪欲に結果にこだわっていきたい。
 

下位カテゴリーの相手はより迷いなく戦いやすい

ホンダロックは宮崎県予選決勝で、昨季までともにJFLで戦い今季からJ3へと昇格したテゲバジャーロ宮崎を、PK戦にまでもつれ込みながら下して代表の座をつかんだ。
 
直近の公式戦であるJFL第11節のFCティアモ枚方戦には0-2で敗れており、そこから中3日での天皇杯。コンディション的には相手より不利だが、迷いなくチャレンジャーとなれるアマチュアチームが上位カテゴリーのチームの足元をすくう下剋上は、天皇杯の醍醐味のひとつでもある。全員が社員選手で構成され「アマチュア日本一」を目指すチームとしては、“ジャイアント・キリング”を狙わない筋合いはない。
 
ホンダロックのサポーターにとっては、JFL第10節と第11節がリモートマッチだったため、3試合ぶりにスタジアムで応援できる公式戦。隣県から応援に駆けつける人たちも多いのではないか。名物サポーター「ロック総統」が、リーグ戦では恒例となっているように、天皇杯でも大分のゴール裏へと乗り込んでくるのか否かは気になるところだ。
 
余談になるが、ホンダロックの強化担当には2006年から3シーズンを大分でプレーした市原大嗣の名も並ぶ。ペリクレス・シャムスカ監督が率いていた時期で、大分のGM・西山哲平や強化担当の上本大海はナビスコカップ優勝をともに経験した仲間だ。そんな“フロント対決”も、大分のコアなファンにとってはうれしいトピックスかもしれない。
 
この大会ならでは実現する楽しみなマッチアップ。互いにとって貴重な機会を、それぞれに収穫につなげられるか。
 

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