今度は好調・福岡との九州ダービー。中断前ラストに好ゲームを
前節・横浜FM戦から中3日。5連戦の5戦目は福岡との九州ダービーだ。残念ながらコロナ禍により通常のダービーとはならないが、熱い思いを胸に戦いたい。
来場できないサポーターの思いも背負っての一戦
開幕から断続的に強いられてきた連戦のいくつもの山。ひとまず今節を終えれば代表ウィークで、6月9日の天皇杯2回戦を挟み、リーグは6月19日の第18節A札幌戦まで中断期間に入る。ひさしぶりのブレイクにチームは体や頭を休め、状態を立て直し、戦術を整理できるだろう。怪我人の回復とコンディション向上や新戦力のフィットもこの期間に進められるか。負傷しているメンバーにはここからの巻き返しに備えて焦らず完治してもらうとして、今節はいま戦えるメンバーで力を出し切りたい。
第14節H鳥栖戦に続く2度目の九州ダービー。今季移籍した渡大生も存在感を発揮しはじめた好調・福岡を昭和電工ドーム大分に迎えるが、残念ながら福岡県に緊急事態宣言が発令中のため、ビジターシートが設置されず、アウェイグッズを身につけて来場することも出来ない。たくさんの両軍サポーターを集めて盛り上がるあの雰囲気が味わえないのは本当に残念だが、来場できないサポーターの思いも背負い、勝利を目指して戦いたい。
横浜FMに敗れた前節、下位チームが軒並み勝点を積んだため、ますます苦しい状況に追い込まれた形だ。なんとか連敗を止めて、良い雰囲気で中断期間を迎えたいところ。準備期間は短いが、ホーム連戦。前節は得られなかった勝点を、今節は積み上げられるか。
昇格組の勢いと効率的な戦法で好調な福岡
とはいえ好調の福岡も難敵だ。今季J2から昇格して外国籍選手を含む積極的な補強を行い、J1で勝点を積むには合理的な戦い方で、快進撃を続けている。開幕からしばらくは負けや引き分けが先行したが、第10節のFC東京戦以降、広島、浦和、柏、仙台、湘南に6連勝。前節は最下位の横浜FCに苦戦し、1-1で引き分けて連勝は止まったものの、現在8勝5分4敗の勝点29で5位につけている。
片野坂知宏監督と同い年で旧知の仲である長谷部茂利監督とは、長谷部監督が水戸を率いていた2018年J2で対戦した。戦績は2戦2勝だが、変則的な可変システムなどによる緻密な戦いぶりに苦戦した印象が残る。そういえば長谷部監督は2018年に水戸の指揮官に就任後、いきなりスタートダッシュに成功して、第5節の対戦時には3勝1分で首位に立っていた。
今季から率いる福岡では、オーソドックスな4-4-2システムの下、シンプルに整理されたディシプリンで組織をオーガナイズ。8名の外国籍選手や実績豊富な日本人プレーヤーを巧みに使い分けながら、新型コロナウイルス禍による過密日程やイレギュラーなレギュレーションの中で効率的に勝利を目指す戦いを繰り広げている。
前線に並ぶブルーノ・メンデスやファンマ・デルガド、山岸祐也らへと集められるボールに、大分がどれだけ押し下げられずに戦うことが出来るか。前節の横浜FM戦ではボールを奪っても相手の素早いプレスの前に満足にビルドアップできず、大きく前方に蹴り出してはセカンドボールを回収され攻め返される時間が長くなった。今節はセカンドボール対応でも先手を取り、しっかりと攻撃の時間を作って戦いたい。
2019年の大分もそうであったように、J2から昇格してきた勢いは侮れない。だが、こちらにも譲れないものがある。ひたすら結果が欲しい一戦は、5月30日15時キックオフ。