浮上への意地をぶつけたい。相手は戦い方が整理され調子を上げている仙台
現在はともに降格圏に沈む同士。20チーム中4チームが降格となるシビアな今季、残り試合はまだ多いとはいえ一節でも早く浮上のきっかけをつかみたいとともに、相手に勝点を渡したくない殺伐とした様相も呈している。
早くもシビア極まりない6ポイントゲーム
14試合を消化して1勝4分9敗の勝点7で19位の仙台と、13試合を戦って2勝3分8敗の勝点9で17位の大分。いずれもこの順位に甘んじているわけにはいかない。
昨季と同じく新型コロナウイルス禍に苛まれながらの不安定な過密日程だが、今季は20チーム中4チームが降格という、昨季の皺寄せも織り込んだレギュレーション。現在は第14節までを終えたところで(※大分は第3節のG大阪戦が延期となったため消化は13試合)残り試合はまだ多いが、これまでにないシビアさで、早くも殺伐とした空気が感じられる。
新加入外国籍選手のフィットや夏の移籍による選手の出入り、また怪我人の発生などで状態が変わる可能性はどのチームにもあり、ここからまた順位がどう変動していくかは全く読めない。とにかくシーズン終盤の残留争いに巻き込まれないためにも早いうちに勝点を多く積みたいと同時に、現時点で残留争いのライバルとなる可能性があるチームに勝点を渡したくないという発想にもなる。
今節は、そういう意味での6ポイントゲームだ。上位にいるチームほど、早く下位4枠の顔ぶれが安定(?)することを願っているだろう。意地でも這い上がるしかない。
ここ数試合で手応えを感じさせつつある仙台
そんな大事な一戦に、こちらは中2日でのアウェイ連戦という大きなディスアドバンテージを背負って臨む。19日に味の素スタジアムでルヴァンカップGS第6節・FC東京戦を戦ってからの、22日のユアテックスタジアムでの今節だ。
これは偶然にも昨季と逆パターンの連戦で、昨季はJ1第16節の仙台戦からの、ACLの関係で前倒し開催されたJ1第24節のFC東京戦だった。ただし、昨季は18時キックオフからの19時キックオフの流れで、今回は19時キックオフからの14時キックオフと試合間隔が短い。これがコンディション回復にどれだけ影響してくるか。また、昨季の連戦時は仙台はチーム状態が悪く、FC東京は超連戦の真っ最中だったことや、野村直輝が負傷から復帰して躍動したこともあり3-0と3-2で連勝したが、今回はFC東京はすでにグループステージ突破を決めて余裕がある状態だった。仙台はぐっと調子を上げている最中だ。
第2節から6連敗するなど開幕から11試合未勝利だった仙台だが、第12節の柏戦に1-0で今季初勝利。ACLの関係で5月12日に前倒し開催された第20節の川崎F戦には2-2で引き分けた。前節の福岡戦も、0-1で敗れはしたが内容的には手応えの感じられる試合で、その手応えをここから勝点へとつなげていきたいのは大分と同じだ。
ここ最近は守備が安定性を増しており、手倉森誠監督が得意とする守備からリズムを作るサッカーが体現できるようになっている。新加入のフォギーニョがボランチで先発に定着しつつあり、関口訓充も怪我から復帰。19日のルヴァンカップには戦力を入れ替えて臨み、広島を3-0で下した。
勝点を取るためになりふり構わぬ戦いを仕掛けられれば、大分にとっては非常に難しい試合となるだろう。ただ、カウンターを警戒するあまり腰の引けた攻撃になるのは望ましくない。隙を作ってはならないが、積極的な姿勢を貫き、攻撃は最後までやり切ることが肝要だ。
心身ともにタフさを求められる一戦。勝ちたい気持ちをしっかりと結果に結びつけたい。