躍動感を取り戻したチーム。神戸のハイプレスをかいくぐりゴールを奪え
25日に開催されたJ1第11節・浦和戦でチームは積極性を取り戻し、5試合ぶりの得点をものにした。好調だった頃のサッカーを思い出させたのは、ルヴァンカップ前節のFC東京戦だ。
ルヴァン前節を機に原点に立ち返れた
徐々に内容は上向きつつあった中、J1第11節・浦和戦でチームはひさしぶりにゴールネットを揺らし、複数得点で一時はリードを奪うことも出来た。シュート数は11本。得点場面でも、逃した得点機でも、組織的で連動した動きが見られた。守備では相手に勢いを与えないようブロックを構えながらもアプローチへの積極性を発揮。コンパクトな守備から攻撃に切り替えると素早く縦方向の矢印を意識した。
いずれも今季をスタートした頃にチームが目指し、これまでカタノサッカーが原点としてきたことだ。このアグレッシブさを思い出すきっかけとなったのは、YBCルヴァンカップGS第3節のFC東京戦だった。ハイプレス型堅守速攻の相手のスタイルを逆手に取り、本来の自分たちの姿を取り戻したように、相手の背後を狙い続けた。J1第10節の柏戦でも1トップ髙澤優也に背後を狙わせる長いボールを多く供給していたが、ルヴァンFC東京戦ではルーキーの藤本一輝と2種登録の屋敷優成を配した2シャドーも攻守に積極性を見せ、チームに勢いをもたらしていた。
強豪との連戦連敗で次第に戦い方が消極的に傾いていたのかもしれないチームが原点を思い出したのは喜ばしい。ただ、勝点はまだ取れておらずリーグ戦は7連敗中。公式戦はルヴァンカップGS第2節の徳島戦に1-0で勝利したため、6連敗中となっている。
浦和戦後、三竿雄斗は敗因を「60分、70分続けてきたことを最後の20分で変えてしまった」と振り返った。リードした状態でどういう戦い方をするかの判断の部分で、相手に逆転への勢いを与えてしまうことになった。クロスへの寄せの甘さやピンチの場面での守備の意識も修正しなくてはならない。それとともに、ダメ押しの3点目を取るチャンスで仕留めきれなかったことについて町田也真人は悔やみ、挽回を誓った。
双方の組織的な守備とサイドの攻防がカギに
神戸のルヴァンカップGS第3節は、ようやくダニエル・ポヤトス監督がチームに合流して1週間の徳島との対戦。藤本憲明と小田裕太郎の2トップから激しいプレッシングを仕掛けたが、徳島も巧みなビルドアップを見せペースを握った。神戸も組織的な守備で徳島の激しい守備をかわし戦況は拮抗するが、徳島のショートカウンターに貫かれて失点すると、その後の反撃は実らず0-1で敗れた。
これによりBグループは全勝のFC東京が単独首位。神戸、徳島、大分が勝点3で並ぶことになった。神戸と徳島は得失点差が-1、大分は-2。折り返しの今節から、予選突破へと巻き返しを図る戦いが繰り広げられる。
原点を思い出した大分が、組織的な神戸のプレッシングを上手くいなしてゴールへと迫れるか。サイドの攻防も主導権争いに大いに影響しそうだ。リーグ戦と合わせて7連戦の4戦目。疲労が溜まる頃で戦力のやりくりも厳しいと思われるが、神戸の分厚い選手層も考慮しながら、チーム片野坂がどういうゲームプランを準備するかも楽しみだ。
ルヴァンカップ開幕戦は1-3、J1第8節は0-1。今季の対戦は2度とも神戸に屈している。残る2度のマッチアップは勝利へと持ち込みたい。まずは今節、得点するところからだ。