TORITENトリテン

今節の見どころ

浮上のきっかけをつかむのはどちらか。もう沈んでいられない両軍が火花を散らす

 

今節の相手は勝点2差で16位の柏。ひさびさに順位の近いチームとの対戦だが、相手は前節、G大阪との激しい戦いに勝利して巻き返しへと士気を高めている。こちらも負けてはいられない。

 

最後のスピードと質を上げて得点を

4月14日、「Jリーグバブル」を経てエンリケ・トレヴィザンがチームに合流。早速、チームメイトたちと交流しながら体を動かしている。
 
前節でタフな3連戦を終え、今節からはまたルヴァンカップを含めての7連戦。リーグ戦5連敗中という状況だが、14日にメディアに部分公開されたトレーニングの様子からはネガティブな空気は感じられず、個々の、そして組織の課題に真摯に向きあう様子が見て取れた。
 
前節は坂圭祐が第4節・FC東京戦以来の出場。攻守に存在感を示し、ここからの連戦に向けて喜ばしい材料となった。試合後にひさびさの試合でのコンディションを確認すると「まだまだ上げなくてはならない部分が多く、今日はいっぱいいっぱいだった」とのことで、その後はまた調子を上げていると期待したい。
 
リーグ戦ではまだクリーンシートがなく、現在3試合連続無得点。攻守に課題がある状態だが、攻撃が上手くいかないせいで守備に皺寄せが来ているように見える。失点はミスかセットプレーからの残念なものか、試合終盤の追撃で前がかりになった状態での被カウンターからだ。
 
片野坂知宏監督も攻撃面の課題を重視しており、徐々にボールを運べるようになってきた現在は、アタッキングサードでのスピードとクオリティーに手を加えたい模様だ。今節の柏戦で、トレーニングが結実することに期待したい。
 

前節、7試合ぶりの勝利に沸いた柏

14日午後、トップチームの選手4名が新型コロナウイルス陽性判定となったことを発表した柏だが、その後は続報もなく、現時点では17日の第10節は予定どおり開催される運びとなっている。まずは陽性判定となったみなさんの早期回復を祈りたい。(※追記:16日20時過ぎ、試合開催
決定と公式発表された。)
 
昨季J1リーグ得点王及び最優秀選手賞に輝いたオルンガがカタール1部アル・ドゥハイルに移籍して大きな得点源を失った柏は、シーズン序盤から苦戦することになった。決定的な仕事が出来る選手は多いのだが、複数得点したのは第2節の湘南戦のみで、第3節からは名古屋、川崎F、鳥栖と好調な相手に3試合連続無得点。第6節・清水戦で4試合ぶりの得点を挙げたが試合には敗れ4連敗となった。
 
大分と同じく毎試合失点していたが、前節のG大阪戦を1-0で終え、初の零封で7試合ぶりの白星をつかんだ。試合は序盤から長身外国籍2トップにボールを入れてくるG大阪に対して5-4-1の布陣で体を張りながら、柏もロングレンジのパスが多めのダイナミックな展開。ともに紙一重のチャンスとピンチを迎える激しい攻防で0-0のまま折り返すと、後半はさらにトランジションの激しいゲームとなった。
 
そんな中、途中出場した大谷秀和の、76分のクロスのこぼれ球からの得点が決勝弾に。生え抜きキャプテンの挙げた1点を守ってひさびさに勝利したことで、チームの士気は高まっているはずだ。
 
柏は現在、大分より1試合多い9試合を消化して勝点2差で16位。大分にとってはひさびさの、順位の近い相手とのマッチアップだ。巻き返しのきっかけを先に掴むのはいずれのチームか。譲れない戦いが火蓋を切る。
 

試合に向けてのコメント

■片野坂知宏監督
 
いま5連敗している流れを断ち切ろうと選手も切り替えてしっかり準備してくれていると思う。これまで上位チームと対戦して個の力で相手が上回っている部分はあったが、それだけではないと思うし、そういった部分をチームとして戦術を合わせ、一体感を持って相手を上回って戦おうという形で準備している。もちろん足りない部分はあるが、これからも戦っていく中で、一体感を持ってチームとして合わせてやることが非常に大事だと思う。
 
ネルシーニョさんの戦い方はバリエーションが多いが、厳しくバトルしてくるチームを作ってくるので、自分たちも負けないようにしたい。そしてしっかりと準備してきたことがピッチで表現され、相手を上回れればと思う。
 
ホームで勝てておらず悔しい思いをさせているので、なんとか勝って喜び合いたい。そのために選手としっかり準備して、喜んでもらえるように頑張ります。