ルヴァンカップ開幕戦以来の好調・神戸との対峙。まずは連敗を止めたい
今季初の連勝で波に乗る神戸に、リーグ戦3連敗中のチームが挑む。アウェイ連戦と厳しい日程だが、前節、昨季王者とのマッチアップで感じた手応えを、今節はより確かなものにしたい。
スターは離脱中だが粒揃いの選手が躍動する神戸
準備した戦術はある程度表現できながら相手の高い技術やスピードを上回れず0-2で敗れた前節・川崎F戦から中3日。アウェイ連戦の今節は、現在リーグ戦3連敗中のチームにとって、とにかく勝点が欲しい一戦となる。
今節の相手は、今季初の連勝中で波に乗る神戸。大分にとっては3月2日に1-3で逆転負けしたルヴァンカップ開幕戦以来のマッチアップだ。システムは4-4-2だが、スタイルとしては前節対戦した川崎Fと同様、ポゼッションしながら多彩なパターンでゴールに迫り、球際強いプレッシングで相手の攻撃を阻む。アンドレス・イニエスタはいまだ離脱中で、田中順也も負傷で欠場が濃厚だが、三浦淳寛監督によりしっかりとオーガナイズされた粒揃いの選手たちが躍動感あふれるサッカーを繰り広げている。
前節はアウェイで仙台に2-0で勝利。早い時間帯の2点を組織的なハードワークで守る形で仙台の反撃を退けた。先制弾を挙げ追加点もお膳立てしたのはA代表から戻ったばかりの古橋亨梧で、これで現在チームトップの4得点。布陣の最前線から激しいハイプレスでも貢献した。
守護神・前川黛也も代表で自信をつけて戻ってきた様子。トーマス・フェルマーレンも含め代表や元代表が顔を並べる相手が組織的に戦っていることを考えれば、4勝2分1敗での6位という順位も肯ける。基本的には果敢さと手堅さのバランスの取れたゲームを展開しているが、第3節のFC東京戦や第6節の札幌戦のように競り勝つ力も持っている。特に札幌戦は後半立ち上がりまでにアンデルソン・ロペスにハットトリックを許しながら、そこから古橋と山口蛍が2得点ずつ挙げスコアをひっくり返すという追撃力も見せた。
相手を上回って攻撃する姿を見せてほしい
大分としては今節も、現在積み上げているチームスタイルの表現にチャレンジすることになる。神戸のプレッシングをいなしつつボールを運び、それをゴールへと結びつけることが出来なければ、勝点を取るのは難しい。ボールを奪ってクサビを打ち込んだら、相手の空けたスペースを素早く突く判断と、そこから打開していく力が問われる。前節のジェジエウと谷口彰悟ほどではないかもしれないが、神戸のCBも対人能力が高く、狙いを合わせて崩したい。
守備は前節、開幕戦以来の採用となった4-4-2が、敗れはしたものの悪くない感触だった。さらに精度を高めればこれまでのように布陣の重心が低くなり押し込まれっぱなしになることも減るかと思われる。ただし、セットプレーからの失点には重々気をつけたい。前回対戦のルヴァンカップでも初瀬亮のCKから増山朝陽に同点弾を奪われた。古橋のキックも精度が高く、前節は菊池流帆の頭にピンポイントで合わせている。
相手を上回って攻撃する姿を見たいと、ファンやサポーターも思っているはず。過去2シーズンは度重なる負傷に苦しんだが今季はスタートからアグレッシブな戦いぶりを見せている小林成豪の、古巣戦での奮起にも期待したいところ。2019年の豪快な劇的同点弾以来、またノエスタのゴールネットを揺らしてもらいたい。