中2日でのアウェイ戦、2013年以来のクルピ・セレッソに挑む
これまで片野坂知宏監督体制でのC大阪との対戦は、ロティーナ・サッカーとの対戦でもあった。今季は2013年以来、指揮官に復帰したレヴィー・クルピのチームが待ち構える。
長居のゴールネットは久しく揺らせていない
2013年、クルピ・セレッソとの対戦成績はアウェイで0-0のドロー、ホームでは0-2で敗れ1年でのJ2降格が決定した試合だった。ちなみにそのシーズンはナビスコカップでも敗れている。次にC大阪と対戦したのは2015年J2。アウェイで0-0のドロー、ホームでは1-3の逆転負け。当時の指揮官はパウロ・アウトゥオリ監督だった。
そして記憶に新しい、2019年と2020年。その前の2シーズン、東京Vを率いて片野坂大分を存分に苦しめたロティーナ監督が率いるC大阪との対戦は、ルヴァンカップでは2019年に念願の1勝を遂げたものの、リーグ戦ではアウェイ0-0、ホーム0-2、アウェイ0-1、ホーム0-1と、実に苦い(というよりしょっぱい)結果を突きつけられてきた。リーグ戦でC大阪に勝利したのはなんと2006年J1第13節の2-0が直近。この試合で松橋章太と梅崎司が得点して以後、大分は長居でゴールを奪っていない。昨季開幕戦では知念慶が6本のシュートを放ったが、最後に豪快なミドルシュートがポストに弾かれて無得点に終わった。
クルピ監督の率いるセレッソが懐かしく、過去を掘り返すと相性の悪さが浮き彫りになってしまったが、それならそれで、それを打破する楽しみも生じてくる。今度こそ長居のゴールネットを揺らして勝点をつかみたい。
ヨシメーターを足止めさせ逆に得点を奪いたい
C大阪にとって今季、ロティーナからクルピへの監督交代は、大きな決断だったはずだ。ロティーナ監督はその緻密なスタイルをチームに植えつけ、それは確実に成果となって戦績に表れていたのだが、クラブはよりゴール前のシーンが多くなるスタイルへと舵を切った。
大きなスタイル転換には懸念もともなったが、それを払拭するように、C大阪は開幕から派手な戦いを繰り広げている。ここまで5節を終えて3勝2分と黒星も2つあるが、柏、川崎F、FC東京、清水にそれぞれ2得点、前節の横浜FC戦では4得点と、全試合で複数得点。敗れた第2節・川崎F戦と第3節・FC東京戦はいずれもアウェイで3失点を喫し、競り負けた印象だ。
現在、川崎Fの13得点に続くリーグ2位の12得点。これを牽引しているのが、5得点を挙げて横浜FMの前田大然とともにリーグ得点ランク首位に立つ大久保嘉人だ。昨季プレーしたJ2東京Vからの古巣への帰還は、2001年に国見高校を卒業しC大阪でデビューして4シーズンを過ごし、マヨルカでリーガを経験したあと2006年に帰国して以来。開幕前の下馬評を吹き飛ばす勢いの活躍を披露している。
連戦下でもほとんどメンバーを入れ替えていないので、今節も大久保の先発は堅いだろう。大分にとってはこの経験豊富でゴール前ワークに長けたストライカーに仕事をさせないことが課題となる。前節、190へと伸ばした“ヨシメーター”の上昇を足踏みさせ、こちらの勝利を引き寄せたいところ。
クルピの愛弟子でもある清武弘嗣も左SHとトップ下で出場を続け、天才ぶりを発揮して決定機を演出している。今季千葉から移籍加入した為田大貴は残念ながら右足関節前方インピンジメント症候群で1月に手術し離脱中だが、生え抜きとの対戦は楽しみでもあり、脅威でもある。
昨季までとは戦力が大幅に入れ替わり新チーム熟成中の大分は、C大阪とは対照的に毎試合戦力を入れ替え、全体を底上げ中だ。連係面も徐々に育ちつつあるが、完成度はまだまだというチームが、C大阪の攻撃力をどう阻むか。ここまでの試合のようにラインを押し下げられれば、守備網のほころびを突かれる危険度は高くなる。
一方、過去2シーズンでロティーナが浸透させた堅守の残り香もある相手だが、力のあるチームからは複数失点も喫している。果敢に勝機を狙っていきたい。