強豪・FC東京の迫力あふれるハイプレスをかいくぐり前へ進め
第3節のG大阪戦が急遽中止となり、1週間ぶりの公式戦。第4節、ホームに迎えるのは強豪・FC東京だ。スピードと強度に満ちたハイプレスとカウンターの脅威を前に、賢く勇敢にボールを運んでいきたい。
前節開催中止決定後、切り替えてトレーニング
3月10日に予定されていたJ1第3節AG大阪戦が、9日午後、急遽開催中止となった。G大阪で、選手6名・スタッフ2名が新型コロナウイルス感染症の陽性判定。保健所からは当初、クラブ内に濃厚接触者はいないと結論づけられており、ホームチームも活動を再開して大分戦開催の予定でいたのだが、8日夜のPCR検査結果で陽性判定者が増加したため、感染の影響範囲が確定できないとされた。これによりG大阪は活動を一時休止。すでに開催中止となっていたカードも含め、リーグ戦6試合の中止を決定している。まずは陽性判定となった方々の早期快癒と、G大阪の戦線への復帰を願うばかりだ。
9日にアウェイの地へと向かう予定だったチームは、出発前に開催中止の報を受け、試合が予定されていた10日からは今節のFC東京戦に向けてトレーニングをスタートした。連戦のルーティンが崩れ、照準を合わせていた試合がなくなったことで心身に影響があるかとも思われたが、10日に取材に応えた福森健太と坂圭祐は「問題なく切り替えられている」と口を揃えた。
リーグ開幕戦と第2節を終え、1勝1分。試合内容的には2試合とも多くの時間で相手に主導権を握られる課題が残ったが、粘り強さと好機を逃さぬ得点で、勝点4を手にした。2試合の間に挟まれたルヴァンカップ開幕戦も含めると全フィールドプレーヤーが出場しており、主力が多く入れ替わった今季、指揮官が腰を据えてチーム作りを進めていることが読み取れる。10日には野村直輝の左膝内側側副靭帯損傷による6週間の負傷離脱が発表され、それ自体はチームにとって大きな痛手となるが、残る総力で連戦を戦っていくのみだ。
相手のプレスを見極め、いかにゴールに迫るか
今節、ホームに迎えるのはFC東京。片野坂知宏監督にとってはG大阪ヘッドコーチ時代の上司・長谷川健太監督との師弟対決でもある。
外国籍選手を含むタレント揃いの強豪で、迫力あふれるプレスからのカウンターを得意とするチームだ。ディエゴ・オリヴェイラや永井謙佑にレアンドロも加え、前線のスピードと強度はいや増すばかり。昨夏、橋本拳人が海外移籍してからはアンカーの人選に悩んでいたようだったが、昨季終盤は高萩洋次郎が躍動した。今季は高萩はまだ出場しておらず、アンカーに起用する選手も毎試合替わっているが、前節の神戸戦では森重真人が務め、好感触だった。
リーグ開幕の浦和戦が1-1、ルヴァンカップ開幕の徳島戦が1-0とロースコアな試合が続いたが、J1第2節のC大阪戦で3-2、第3節の神戸戦で2-3と互いのスタイルを出し合っての打ち合いを演じた。基本フォーメーションは4-3-3だが、展開や相手の状況によって2トップに変化させ流れを引き寄せる。
大分にとっては、FC東京のプレスの掛け方を見極め、その怒涛をかいくぐってボールを前に運ぶ力が試される一戦。主力が多く入れ替わり、まだチームスタイルの本来の強みを表現しきれていない今季のチームが、どれだけ共通認識の下にFC東京を上回れるか。ハイプレスに引っかけられればたちまちカウンターの餌食になるが、逆に相手をかわせば一気に有利な状況へと持ち込める可能性もある。賢く攻撃を成立させ、今季ホーム初白星をつかみたい。