実に不名誉な得点数ブービー対決。ともに5試合未勝利での激突
怒涛の5連戦の4戦目はアウェイで湘南と。両者ともに得点力に課題を抱え、5戦未勝利状態でのマッチアップだ。
決定力に課題が見られる同士の対戦
前節、ホーム最終戦を終えてからの、今季ラストはアウェイ2戦。3試合を中2日で戦う怒涛の5連戦の、今節は少しだけ余裕がある気さえしてくる中3日で臨む湘南戦だ。
湘南は6勝8分18敗の勝点26で現在16位。10勝9分13敗の大分とは勝点13差と離れているが、実は得点数は湘南が28でリーグ最少。次いで大分が32得点でワースト2位だ。ともに特徴的なスタイルで戦うチームで、内容的には決して悪くない試合を重ねているのだが、決定力に課題が見られる同士。そしてその不名誉な“得点数ブービー対決”を、いずれも5戦未勝利状態で迎えることになった。
大分は前節、対札幌対策が奏功して立ち上がりからペースを握り、知念慶のハイプレスから町田也真人が競ったこぼれ球を野村直輝が流し込むという1トップ2シャドーが絡んで先制点を挙げたものの、追加点が取れないうちに相手の外国籍3トップの圧力に屈して追いつかれドロー。キャプテン鈴木義宜が脳震盪により欠場する中、大卒ルーキーの羽田健人を中心に札幌の攻撃を1失点に抑えた守備は及第点と言ってもいいが、攻撃に関しては、相手守護神のファインセーブに阻まれた場面もありつつ、やはり決定機で仕留める力が切望される。
若手が躍動し内容が向上している湘南
2度の6連敗などシーズンを通して苦戦してきた湘南だが、シーズン終盤に差し掛かった頃からは、ぐっと試合内容を向上させている。第25節からは横浜FC、横浜FM、神戸にいずれも無失点で3連勝。若手が躍動し、前線からの連動した守備が勢いあふれつつよく整理されている印象だ。
前節の浦和戦も結果はスコアレスドローだったが、終始優勢を保ち、相手の倍のシュートを放った。前々節のG大阪戦も敗れはしたものの、先制された後に盛り返す力を見せた。こちらも決定機さえ決めていればという、実は深刻な課題を抱えている。
互いに中3日で相手対策を施して対峙することになるが、それをピッチで表現し、より多く決定機を築くのは、そして決定機を得点に多く結びつけるのはどちらか。結果が出ていない同士、殺伐としたテーマが横たわる戦いとなる。
今節、鈴木は復活できるのか、中3日の準備期間で前節出場したメンバーはどれだけ回復しているのか。三竿雄斗、高山薫、そして今季でチームを離れることになった三平和司と、湘南にゆかりの選手たちがBMWスタで勇姿を見せることは出来るか。一方の湘南は前節、梅崎司がピッチへの復帰を果たした。今節もメンバー入りの可能性は高い。同じく負傷していた山田直輝も復活している。
試合日の平塚市の予想気温は日中の最高でも9度。夜間は冷え込み、また強風と乾燥の注意報も出ている。応援に駆けつけるサポーターのみなさんも、十分に対策してスタジアムへ。
試合に向けての監督コメント
■片野坂知宏監督
今回は札幌戦から湘南戦までに中3日あるし、まずはしっかり回復させること。またその中で湘南に対してどういう準備をするか。トレーニングで3日間見れるので、しっかり判断しながらやりたい。
湘南さんも最初はなかなか結果が出なかったが、いまは調子が上がってきているし、やり方がすごく浸透して、浮嶋さんの戦術も理解した中で、湘南らしく戦っている。簡単な相手ではない。われわれも湘南さんの戦い方を分析した中で、どういうふうに点を取るか、どういうふうにやっていくかを準備したい。