今季の青ユニ姿も見納めのホーム最終戦。思いを胸に勝利を目指す
異例のシーズンとなった今季も、とうとうホーム最終戦を迎えることになった。とは言っても怒涛のラスト5連戦の、これが折り返し地点。いろいろな思いが交錯する時期だが、そのすべてを受け止めながら、チームは目の前の一戦に集中する。
マンツーマンの札幌との「どミラー」対決
第31節・仙台戦から中2日で臨んだ第27節のアウェイ柏戦は、スタメン7人を入れ替えた。前日に契約満了が発表された4人のうち3人が先発出場していたことで、「いつもどおりの戦いを」と言いながらやはり思いのこもる一戦となった。
ミラーゲームを仕掛けられた仙台戦では攻撃の要所をピンポイントで潰されて攻めあぐねたが、やはりミラーとなった柏戦では細やかに立ち位置をずらしながらギャップを生み出す工夫をしつつ、立ち上がりから長いボールを送って相手の背後を突いた。その狙いからの得点は生まれなかったが、好機を築くことは出来ていた。
そして今節の相手である札幌も、3-4-2-1システムで戦うチームだ。しかも今季はマンツーマン戦術。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督とは4度目の師弟対決となる片野坂知宏監督は、師の仕掛けてくるマンツーマンの戦いについて「ミラーもミラー、どミラー」と警戒した。
その「どミラー」な状態では、目の前の相手との個々の力量差がいつも以上に影響しやすい。ジェイ、アンデルソン・ロペス、フェルナンデスと並ぶ札幌の外国籍選手たちに対して、どれだけ闘えるか。細やかに立ち回って攻守に数的優位を保ちながら対峙したいが、気がかりなのはコンディション面のディスアドバンテージだ。札幌は前節から1週間たっぷりと準備をしているが、こちらは敵地での水曜ナイトゲームをこなしてからの中2日のデーゲーム。高木駿、鈴木義宜、岩田智輝、島川俊郎は柏戦でもフル出場しており、今節はどうなるかといったところ。
ホーム最終戦を勝利で飾れ
一方の札幌は今月8日から、千葉県内でキャンプ中だ。コロナ禍の影響でリーグ戦が12月下旬にまでずれ込んだため、雪を避けて本拠地を離れている。
現在、9勝8分15敗の勝点35で13位。消化が1試合少ない11位の大分と勝点3差。敵将も片野坂監督との対戦を楽しみにしているに違いないが、それとともに、3試合ぶりの勝利を目指して戦ってくるだろう。第28節の清水戦では外国籍選手たちが爆発して5-1という大勝を遂げたが、第30節は広島と2-2のドロー、第31節はC大阪に1-3で敗れている。この2試合は堅守を誇るチームとのミラーゲームだった。
同じ3-4-2-1でも仙台や柏とは異なる札幌。準備期間はほぼないに等しいが、ミーティングで狙いを合わせることは出来たはずだ。外国籍選手たちはもちろん脅威だが、セットプレーでの失点が続く中、FKが好調な福森晃斗にも警戒が必要となるだろう。
そして、今節はホーム最終戦。今季最後に青いユニフォームで戦う選手たちを見に、多くのファンやサポーターが駆けつけると予想される。いろいろな意味で苦しいシーズンとなった今季の最後に、ホームスタジアムでともに喜びあい、今季かぎりでチームを離れるメンバーとの名残を惜しみたい。
試合に向けての監督コメント
■片野坂知宏監督
札幌戦は、ミラーもミラーというか、“どミラー”。本当にマッチアップになるので、より個の部分が出てしまう試合になって難しくなるだろうなと思う。とにかく中2日しか準備期間がないし、札幌さんは1週間準備して大分に乗り込んでくると思うが、こちらはホーム最終戦なので、なんとかいいゲームをして、勝てるといちばんいい。しっかり覚悟をもって準備したい。