上位陣3連戦ラストは中2日でアウェイ、攻守に強度の高い名古屋が相手
難敵・C大阪とのもどかしい試合から中2日。チームはアウェイへと移動し、3連戦の最後に名古屋と戦う。2人のストライカーを負傷で欠く相手は、別の怖さを増しているようだ。
中2日で敵地に乗り込むタフな日程
晩秋の3連戦も今節がラスト。第28節・川崎F戦、第29節・C大阪とタフなホーム2戦を1勝1敗で終え、今節はアウェイでの名古屋戦だ。試合間隔が中2日ということもあり、前節翌日をクールダウンに費やすと、その翌日はすでに今節前日で、戦術確認と移動が精一杯。さらに前節はナイトゲームだったが今節は14時キックオフで、そういう意味でも回復や戦術共有の時間は短くなる。
名古屋戦を終えると1週間のブランクを挟んで、最終節までの5連戦がスタートする。中2日を3回挟むというタフなスケジュールで、選手のコンディションが非常に気がかりだ。片野坂知宏監督も「何が起きるかわからない。ちょっと怖い」と緊張した面持ちだ。この時期にしては異様に暖かかった先週から今週は一転、気温が下がっている。12月のアウェイのナイトゲームは厳しい環境になるだろう。
それでも、目の前の一戦に全力で向かうしかない。これまでも試合に直接絡んでいないメンバーを含め総力戦で準備してきたが、これまで出場機会の乏しかった戦力にも期待が懸かる。まずは名古屋戦のメンバーがどうなるかが楽しみだ。
どこからシュートが飛んでくるかわからない名古屋
現在、名古屋は17勝4分9敗の勝点55で3位。中2日の大分とは裏腹に、前節からたっぷり1週間かけて準備している。
金崎夢生と山崎凌吾の2人が負傷しており本職のFW層が薄くなっているが、この2試合は2トップにガブリエル・シャビエルと阿部浩之、両SHにマテウスと前田直輝を並べて彼らが流動的に入り乱れ、そこにボランチやSBが絡んでつかみづらい攻撃を繰り広げている。むしろ機動力が増した印象で「0トップ」などとも呼ばれながら、どこからシュートが飛んでくるかわからない。前回対戦でも得点を奪われた左SBの吉田豊が攻撃参加するとむしろ前線のタレントよりも脅威になったりもする。実際にその布陣で戦った直近2試合は、FC東京と湘南に2連勝している。
前節の湘南戦も序盤から湘南の勢いにペースを握られながら、一瞬の隙を突いてマテウスが放った豪快なミドルシュートで先制している。直後にセットプレーで追いつかれたが、後半に湘南の運動量が落ちると容赦なく力量を発揮した攻撃陣が2点を加え3-1で勝利。個々のパワーが全方向からかかってくる様相は、それを受けてしまうと脅威でしかなくなるだろう。
そのパワフルな攻撃が、フィッカデンティ監督仕込みのどっしりと整理された守備を土台に成り立っているところも名古屋の強さの本質と言える。第6節の前回対戦ではおの攻守のパワーに圧倒され0-3で敗れた。
ただ、当時はまだ今季の過密日程やレギュレーションへの戦い方を探りながら戦っていた時期。今節はそういった意味ではあの頃より要領を得ているはずだ。ディスアドバンテージな条件は多々あれど、ポイントを押さえて賢く戦ってくれることに期待したい。
試合に向けての監督コメント
■片野坂知宏監督
前節の疲労がどれくらい影響するか。試合に向けての準備は前日練習でしか出来ないが、名古屋さんのほうは試合間隔が1週間空いていて万全で来ると思う。なんとか勝点につながるゲームをしたい。
——最後の5連戦は出来るだけ戦力を充実させておきたいところ。中2日が3回あるというのも。
初めての日程だし、シーズン終盤なので蓄積疲労もあるし、どうなるかわからない。少し怪我人も出ている。こんなタイトなスケジュールの連戦は、この終盤の時期にはちょっとない。大体シーズン終盤は1週間に1試合で、ルヴァンや天皇杯が入ってきて間が空くことも多いが、今節の名古屋も中2日での3連戦で、1週間空いてまた仙台戦から5連戦。何が起きるかわからないのでちょっと怖い。
——トレーニングは少し工夫したりするのか。
どういうメニューでどれくらい負荷をかけるかは、ちょっと考えてやらないと、やはり試合でパワーを出さなくてはならないので、そちらに力を注げるようにしたい。元気な選手をトライさせるしかない部分も出てくるか。とにかく怪我人を出さずに乗り切りたい。