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今節の見どころ

いざ、開幕戦の雪辱を。知将対決はリーグ戦“8度目の正直”へ

 

前節の興奮醒めやらぬうちに中3日でやってくるホーム連戦。上位陣3連戦の2戦目の相手は、開幕戦で敗れたC大阪だ。

 

前節からメンバーの入れ替えもありそう

明治安田J1第27節・柏戦の急な日程変更により、思わぬ準備期間を得て臨んだ第28節・川崎F戦。心身のコンディションを回復するとともに、周到に施した対川崎Fの狙いが攻守両面でハマり、立ち上がりから試合を優位に進めることが出来た。後半は数的不利になった相手に押し込まれる展開となったが、相手の選手交代や配置転換に対応する采配とピッチで貫いた高い守備意識で1-0勝利。昭和電工ドーム大分での川崎Fの自力優勝を見事に阻止した。ちなみにその翌日、2位のG大阪が浦和に勝利したため、川崎Fの優勝は最速で今節に持ち越し。ホーム・等々力でのG大阪との直接対決において、引き分け以上で歓喜に到達する。
 
思いがけずに得た中17日の準備期間で、きっとチームは川崎F戦のみならず、今節のC大阪戦、そして次節の名古屋戦と、対上位陣3連戦のことも視野に入れてトレーニングしているはずだ。11月16日に報道陣に公開された練習でコンディションに問題がなさそうだったメンバーが川崎F戦でメンバー外になっていたこと、そして川崎F戦がタフなゲームになったことからも、連戦の今節は戦力の入れ替えが予想される。
 
第25節・浦和戦、第26節・横浜FC戦と、ここに来てフィット感をぐっと増している知念慶が、前節は契約の関係で出場できなかったぶん、フレッシュな状態。また、長らくコンディションを落としていた小林裕紀が、前節、74分に途中出場して7月18日の第5節・G大阪戦以来戦列に復帰したことも心強い材料だ。
 
確立したスタイルをベースに試合ごとの狙いに応じて個性豊かな戦力を配置して戦うのが、このチームの本来目指すところ。前節で言えば特に、野村直輝と町田也真人の2シャドーでスタートしたこともそうだし、終盤に高山薫が守備の強さを発揮し、さらに刀根亮輔の投入で守りきったことも、試合の流れに応じたマネジメントだった。今季は異例の戦いを強いられ、連戦の中で負傷者が続出して苦戦したが、チームのポテンシャルは多彩なタイプの揃う選手層次第とも言える。小林成豪と香川勇気がリハビリ中なのは残念だが、残り7試合、いいチーム状態で戦い抜きたい。
 

4戦未勝利のC大阪に開幕戦の雪辱を

2月22日の開幕戦がもっとずっと遠い過去のように感じられるが、それ以来の対戦となるC大阪。昨季最終節には力量差を見せつけられるような敗れ方をしたカードが、今季はいきなり初戦となったが、内容的には昨季最終節とは違ってボールを握り、大いに今季への手応えを感じさせる試合となった。ただし、得点は奪えず0-1で敗戦。片野坂知宏監督就任以来初の開幕戦黒星を喫している。
 
スタートからいい感触を得たあと、まさかこんなシーズンになるとは、当時は予想していなかった。新型コロナウイルス蔓延によるリーグ中断、そして再開後の過密日程。どのクラブも腐心しながら制限の中で試合を開催し、チームは野戦病院状態になりながら、シーズン成立のためにタフなスケジュールをこなしてきた。
 
過密日程と5人交代制のレギュレーションの中で、やはり徐々に選手層の厚いチームが上位を占めるようになった。C大阪は現在、15勝4分9敗の勝点49で6位。リーグ再開後、しばらく苦戦した時期もあったが、8月から9月にかけては6連勝。ただ、その後はまた少し陰りを見せており、現在4戦白星なしで2連敗中だ。
 
いい時間帯に決定機を逃しカウンターで失点したり、ゴール前を固める相手を崩せなかったりといった試合が目立ち、直近の試合を見てもそういうチームに苦杯を舐めている。一方で第23節の横浜FM戦には見事に4-1で勝利しており、ポゼッションスタイルのチームに対してはロティーナ監督仕込みの堅守がよくハマることをうかがわせる。
 
そのロティーナ監督だが、今季かぎりでC大阪を離れることが報じられた。ロティーナ・サッカーはその堅守からしばしば「守備的」と評されるが、決してそうではなく、攻守表裏一体の結果だ。片野坂監督のサッカーもそうだが、得点も失点も少なくなりがちなのが特徴。それだけ緻密で、大味な試合をしないチームを作っているとも言えるのではないか。
 
そんな知将対決が今回は、ロティーナ監督がJ2・東京Vを率いていた2017年から数えて、リーグ戦では8戦目となる。昨季ルヴァンカップでは一度逆転勝利することが出来たが、リーグ戦では対ロティーナ未勝利。片野坂監督も意識しているようで、前節の川崎F戦後の記者会見でもそれに言及した。5戦ぶりの勝利を目指してC大阪も譲れないとは思うが、こちらも調子を上げているところで畳み掛けたい状況だ。開幕戦で最後に強烈なシュートがポストを叩いた知念が、今節は出場して得点できるか。そして昭和電工ドーム大分に“帰還”する清武弘嗣との再会も、トリサポにとって楽しみな一戦だ。
 

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