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今節の見どころ

「中17日」がどう出るか。優勝目前の川崎Fをホームに迎える

 

前節の柏戦が新型コロナウイルス禍により急遽中止となったため、前々節の横浜FC戦から中17日というイレギュラーな日程で迎える今節。ホームに乗り込んでくるのは優勝に王手をかけた川崎Fだ。

 

勝てば自力優勝決定の川崎Fが乗り込んでくる

新型コロナウイルス禍に見舞われ特異なシーズンとなった今季、他の追随を許さずに単独首位をひた走ってきた川崎Fが、いよいよリーグ優勝に王手をかけている。ACL日程の関係で18日に前倒しで行われた第30節・横浜FM戦は、立ち上がりから相手にペースを握られながら苦戦するかに見えたが、退場者を出した横浜FMにきっちりと3-1で勝利して勝点を72に伸ばし、今節勝利すれば文句なく自力優勝が決まる状況へと持ち込んだ。
 
仮に川崎Fが大分戦で引き分け以下だった場合でも、2位のG大阪が翌22日に開催される浦和戦で引き分け以下ならば、優勝は確定する。ただ、どうせなら敵地であれ試合に勝ってスタジアムで歓喜したいはず。川崎Fサポーターもその瞬間に立ち会うべく、はるばる昭和電工ドーム大分までやって来るだろう。
 
川崎Fは現在、23勝3分2敗、得失点50。その強さはもはや疑いようがないものだが、それでも、やはりホームスタジアムで他チームの胴上げを許すのは屈辱的だ。8月8日、第9節の前回対戦では、圧倒的な力量差を見せつけられた。こちらのチーム状態もよくなかったとはいえ、全く歯が立たずといった試合内容で、放ったシュートはわずか1本。0-2というスコア以上の精神的ダメージを負った試合だった。あれから徐々に練度を上げてきたチームが、その手応えを実戦で確かめる好機でもある。
 

最後までイレギュラーなシーズンに

第30節の横浜FM戦から中2日の川崎Fとは裏腹に、こちらはなんと中17日。もともと試合間隔が開いていたところ、前節の柏戦が柏のクラスター発生により急遽延期となったため、このような状況となった。連戦に連戦を重ねた夏が終わり、ようやく少しそのペースが落ちてきたタイミングでの、予期せぬ中断。これによりリズムが狂うのか、十分な準備期間を得たと言えるのかは、試合如何だ。
 
延期された第27節の柏戦が12月9日に組み込まれたため、なんとシーズンラストが中2日、中2日、中3日、中2日でHAHAAという5連戦で締め括られることになった。この終盤は順位の近い相手との対戦が続くため勝点を稼ぎたいところだったが、思いがけずハードな日程となり、別の意味での苦戦も強いられる。
 
その5連戦をいい状態で迎えるためにも、今節からはじまる川崎F、C大阪、名古屋という上位陣との3連戦は重要な意味を持つ。17日間のブランクで心身の疲労を回復するとともに、この3戦に向けての戦術的準備も、予定していた以上に進めることが出来ていることを願う。
 

幅を使う大分のスタイルを生かしたい

ここ数試合、ぐっとフィット感を増している知念慶は契約上出場できないが、伊佐耕平や髙澤優也、渡大生といったCF陣の奮起に期待したい。川崎Fは守備の要・ジェジエウが累積警告による出場停止で、CBの一角には山村和也か車屋紳太郎が入ると思われる。中盤より前も層の厚い川崎Fが、どういう布陣で大分戦に臨むかの予想は難しい。横浜FM戦を回避した家長昭博は、負傷でなければ間違いなく出場し、脅威となるだろう。三笘薫や旗手怜央ら若いアタッカーが絶好調なほか、長谷川竜也や小林悠も復帰している。
 
川崎Fは幅を使う相手と相性がよくない傾向にあり、大分としてはそこに勝機を見出したいところだ。ここ最近はプレスがハマらない場面もしばしば見られる。今度こそ川崎Fに対し、大分のサッカーを表現したい。
 
試合の前々日にあたる19日には、片野坂知宏監督の来季続投がクラブから公式発表された。指揮6年目のシーズンに向け、進化し続けるカタノサッカーに希望を抱かせる好ゲームを望む。