スペクタクルでアグレッシブなG大阪。強烈なパワーにも粘り強く対応せよ
3連戦の3戦目、3試合ぶりにホームに戻ってきたチームは、明治安田J1第23節、G大阪と対戦する。前節は引き分けて連敗記録はストップしたが、7戦無敗と好調の相手だ。
90分間強度が落ちない相手が続く
国内外の多彩なタレントを多く取り揃えた3チームと戦う3連戦。最初の第21節はアウェイで横浜FMと対戦し、リードされた焦りから傷口を広げて0-4で大敗した。その反省を踏まえて中3日で臨んだ第22節はアウェイ神戸戦。先発11人を総入れ替えしてきた相手に早々に先手を取られたが、粘り強く戦って終盤に追いついた。
やはり交代枠5人制の影響が大きいのか、横浜FMも神戸も、勝負どころを後半に定めたゲームプランが透けて見えるメンバー構成。前半の拮抗した展開から一気に流れを引き寄せたいかのように、後半途中から外国籍選手たちを次々に投入して圧をかけてきた。大分もそれに対抗して、立ち上がりは相手とガチガチにやりあえるメンバーをチョイス。徐々にマッチアップにズレが生じるにつれて背後に抜けるのが得意な攻撃陣へと入れ替えるなど、ベンチワークの駆け引きも見応えのある試合が続いている。
そんな戦いを2戦こなして、1分1敗でホームに帰ってくる今節。乗り込んでくるG大阪も、個の能力の高い個性的なプレーヤーを多数擁するチームだ。アデミウソン、パトリック、宇佐美貴史、渡邉千真と最前線に入る誰を取ってもその強度とテクニックはJリーグ屈指。中盤、最終ライン、どこを見渡しても、花も実もある実力者が顔を並べる。対戦するたびにそのパワーには激しく圧倒されてしまうのだが、こちらもこちらのやり方でパワーをかけていけば、決して勝機を見出せない相手ではない。
システム変更後7戦無敗のG大阪
G大阪は新型コロナウイルス禍の影響で延期となっていた第10節の鳥栖戦を10月7日に開催したため、今節は5連戦の5試合目となる。
第17節の札幌戦でシステムをそれまでの3-5-2から4-4-2へと変更して以来、6連勝と快進撃。前節は横浜FMと1-1で引き分け、連勝記録は6でストップしたが、7戦無敗となり、現在5位と上位争いを繰り広げている。
横浜FM戦も相手を圧倒している時間帯が多く、相手の倍のシュートを放っているが、水際で体を張る相手の守備に阻まれPKでの1得点に止まった。一方で失点はディフレクションからのオウンゴールでややアンラッキーなもの。G大阪の得意とするアグレッシブなプレッシングで、攻撃的スタイルを貫く横浜FMにその余地をほとんど許さなかった。
あの激しいプレスに遭いビルドアップ中にミスを誘われればたちまちカウンターの餌食となる。相手のスペクタクルな攻撃を粘り強くしのぎながら、ボールを奪ったら効率的に前へと運びたいが、展開によっては落ち着いてポゼッションし相手の時間を削る判断も必要になるだろう。G大阪はセカンドボールへの反応も非常に速いが、負けずに予測して出来るだけ主導権を握りたい。
前回のホームゲーム・清水戦からは入場者数制限が1万4000人へと緩和された。「大分市民デー」でもある今節は、より多くの来場者が見込まれる。見て楽しく、最後に喜びあえるゲームに期待したい。