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今節の見どころ

中3日でのアウェイ連戦。好調・神戸に複数得点を許すな

 

雨のニッパツで4失点を喫し敗れた前節から中3日。チームは14日、ノエビアスタジアムで明治安田J1第22節の神戸戦に臨む。

 

今節は一体感を保って戦う

前節は最終的に0-4での大敗となったが、バランスを崩すまでは集中した好ゲームを演じた。前半は、押される時間帯はあったものの、緻密な立ち位置の駆け引きによりきわどい均衡を維持。55分に先制点を奪われても、いつものように粘り強く戦い続ければ挽回のチャンスもあったと指揮官は悔やんだ。ミスからの2失点目のあと、取り返そうと焦る気持ちがチームの統一感を損ない、攻守両面で組織力を発揮できずに相手外国籍選手の個人技を引き出すかたちになってしまった。
 
その反省も踏まえての、中3日でのアウェイ連戦。今節対戦する神戸にも、国内外の多彩なタレントたちが顔を並べる。世界的プレーヤーを含む華やかな面々に、こちらは組織の力で対抗してきた。昨季からリーグ戦は3戦ともドロー。負けてはいないが勝ってもいないという結果が並んでいる。ちなみに次節ホームに迎えるG大阪にも強烈な外国籍選手が揃っている。この3連戦は特にそういうカードが続くことになった。
 
雨中の戦いで敗れた選手たちの疲労がどれだけ回復しているか。また、前節は出場しなかったメンバーの起用はあるのか。対神戸にどういうプランで臨むにしても、今節は最後まで一体感を持って戦いたい。
 

TJ復活でさらに勢いづく三浦ヴィッセル

先月22日に電撃退任したトルステン・フィンク前監督に代わり、神戸の指揮を執るのは三浦淳寛新監督。言わずと知れた大分市育ちで、名門・明治北SSC、明野中学、国見高校という経歴をたどった。トリニータに在籍することはなかったが、何度かにわたりスカパー!解説を担当。2018年からは古巣・神戸のスポーツダイレクターを務めていた。
 
初陣となった9月26日の第19節・札幌戦を4-0、同30日に前倒しで開催された第29節の名古屋戦を1-0、10月4日の第20節・横浜FM戦は3-2と、就任後3連勝。マルコス・ビベス監督代行が指揮した第18節・鳥栖戦の4-3での勝利を含め4連勝していたが、10日の前節・柏戦には競り合いの末に3-4で敗れた。
 
横浜FMや柏といったJ1屈指の攻撃陣を擁するチームには複数失点を喫しているが、守備はバランスが改善された印象だ。現在J1で失点ランク2位の堅守に苦しんだ名古屋戦を除き、得点数の多い派手な試合を重ねている。中でも横浜FM戦は相手のシュート数26に対し、シュート3本で3得点というスタッツが話題になった。前節の柏戦は52分までに4失点しながら、60分からの反撃で3得点を挙げ1点差にまで迫っている。そのシステム変更による修正と、負傷から復帰した田中順也の2得点は、新指揮官の修正力と戦力のクオリティーを裏付けるようだった。
 
ほぼすべての攻撃はアンドレス・イニエスタが起点となっており、多士済々の周囲がフィニッシュに絡む。フェルマーレン、ダンクレー、大崎玲央らによる守備は強度が高い。アンカーを務めるセルジ・サンペールが攻守に嫌らしい立ち位置を取り、流動的な中盤からのカウンターが好機を多く作っている。古巣戦に向けてモチベーションを高めているに違いない藤本憲明も警戒しなくてはならない。
 
中央でシンプルに縦パスをつないで崩される場面が目立つ大分にとって、厄介な相手であることに疑いの余地はないが、こういう試合でこそ持ち前の粘り強さを発揮したいところ。相手に大量得点を許さないことが、大分の勝機につながるはずだ。