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今節の見どころ

今季2度目の3連勝を懸けて。台風の影響による雨の中、知将同士の緻密な駆け引きの行方は

 

台風14号は日本列島からやや逸れながら、それでも大雨の中で迎える明治安田J1第21節。チームはニッパツ三ツ沢球技場で横浜FMと対戦する。

 

横浜FMはメンバーの入れ替えを示唆

試合前日から日本列島に影響を及ぼした台風14号。当初の予想よりもやや速くやや南寄りのコースで上陸はまぬがれたが、10日午前現在も強い雨は降り続いている。ポジショナルプレーの色濃いチーム同士、繊細でスリリングな駆け引きがものを言う好ゲームが期待されるカードだけに、雨風の影響少なく、両軍のスタイルが表現できる環境であってほしいと願う。
 
チーム状態が上向き、指揮官の示した狙いの中で戦力個々が躍動するようになって、前々節の鹿島と前節の清水に連勝。今節は今季2度目の3連勝が懸かる状況で、昨季王者・横浜FMに挑む。横浜FMは7日にルヴァンカップを戦っており、そこから中2日でのホーム連戦。新型コロナウイルス禍の影響で一発勝負となったルヴァンカップ準々決勝・柏戦では互いの長所を出し合う展開の中、主導権を握って攻め続け多くの好機を築いたが、それを仕留めきれずにセットプレーから喫した1失点で敗退となった。
 
その影響が、身体的・心理的にどう影響してくるか。アンジェ・ポステコグルー監督は今節に向け、メンバーの大幅な入れ替えを示唆している。いずれにしてもこの試合に向けて1週間の準備期間を得たこちらとしては、そのアドバンテージを生かしたいところだ。
 

特徴的な攻撃サッカーは貫いてくるはず

ポステコグルー監督の下、特徴的な4-3-3システムで戦ってきた横浜FMだが、第15節・名古屋戦以降は3バックシステムへと変更している。負傷者が出た関係と考えられるが、指揮官は日頃から「フォーメーションは関係ない」と主張。スタートの立ち位置はあくまで便宜的なものと言うべきか、戦い方そのものは4-3-3システムの頃と何も変わっていない。
 
自チームの状況や相手とのマッチアップ予想の中で、本職は中盤の喜田拓也や扇原貴宏らを3バックのセンターに配置し、局面によって役割や立ち位置を変化させるよう課しているように見える。4バック時にはSBで特徴的な役割を演じていた小池龍太やティーラトンが3-4-2-1時はWBに入ってより高い位置で攻撃起点となり、サイドからの攻撃にも多少の変化が生じている。ただ、ルヴァンカップ準々決勝・柏戦は4-3-3で戦っており、今節、対大分にどういう形、どういうメンバーで臨むかの予想は難しい。
 
負傷者も出ている中で対大分のメンバーがどうなるか。これまで出場機会に恵まれなかったメンバーにとってはアピールの絶好機だ。
 
ただ、この雨を受けてのピッチが試合開始時にどうなっているか。芝のコンディションによってはしたたかに割り切った選択が必要になる場面もあるかもしれない。いつも以上に状況判断力とチームの一体感が問われる一戦になりそうだ。
 

試合に向けての監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
 
横浜FMさんは前回ホームで対戦したときよりも、現在はいろんなことをチャレンジされている。日曜にリーグ戦前節、水曜日にルヴァンカップ準決勝で土曜日にわれわれと戦うという過密日程、3連戦の3戦目をホームで迎えるゲームになる。ルヴァンカップの出場メンバーやゲームのテンションを含め、どういうふうにわれわれとの試合にチャレンジしてくるかは、ルヴァンカップ次第というところもあるだろうし、難しさがある。
 
ただ、いずれにしてもクオリティーを持っている選手、強度の高い選手が横浜FMさんにはいるので、簡単に勝てる相手ではないし、前回対戦でわれわれに敗れているぶん、ホームでリベンジしようという気持ちで臨んでくると思う。そういった中で自分たちもそれを受けずに、しっかりと狙いを合わせて、どれだけピッチで表現できるかがカギになる。
 
(今季2度目の3連勝がかかるが?)チャレンジャーとして臨みたい。相手は昨季王者だし、いくらホームでは勝てたからといって、簡単に勝てる相手ではないので、思い切って自分たちの出来ることを表現してチャレンジすることが大事。
 
■MF 14 小塚和季
 
連勝できたことで、チームとして後半戦に向けてのいい流れが出来た。個人的にもチャンスに関われている部分が少しはあったし、個人としてはまあまあな出来かと思っている。鹿島戦からの連続ゴールやアシストを狙っていたのだが、それ以外の部分でチームに貢献することは出来たと思う。
 
横浜FMはハイラインなのでDFラインの背後を意識し、自分の持ち味であるパスを出してチャンスを演出したい。ゴールやアシストなど決定的な仕事を決めていきたい。
 
横浜FMも神戸も運動量があって球際に強く来るので、こちらは選手間の距離を保ちながらそこを上手く回避すればチャンスが見えてくるのではないかと思う。前節の清水戦もそうだったが、僕に相手のマークがつられれば裏のスペースが空いてくるので、その駆け引きをしたい。僕についてくるのであれば裏が狙えるし、ついてこないのであれば足元からいろんなパスが出せる。
 
■DF 19 星雄次
 
前節は鹿島戦同様、チームとして球際や細かいところでしっかり戦えたことが最後に勝利という結果につながったと思う。この2試合でやれていることを今後も続けたい。あとは自分のところでも攻撃の部分でチャンスに絡めるプレーをしていきたい。
 
これまでなかなか出場機会がなかったが、試合に出られたら自分もしっかりやれるぞというところを見せたかった。絡めない時期はメンタル的にも厳しかったが、メンバー外の選手たちとしっかりとトレーニングできていたし、さんぺーくん(三平和司)や伊佐くんもよく声をかけてくれたので助けられた。
 
古巣でもある横浜FMは攻撃で特徴のあるチーム。ラインが高いので、自分も含め2列目3列目から背後を突けるよう狙っていきたい。前節もミラーゲームだったので前節の反省も生かしながら、対横浜FMの狙いにそってしっかり準備したい。前からガンガン来ると思うので、その力を利用しながら攻めたい。