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今節の見どころ

広島、前節からメンバー大幅入れ替えか。ガチガチのミラーゲームで上回れ

 

相次いだ負傷者が徐々に復帰しつつあり、チーム状態も上向きに。それを反映するように現在3連勝中のチームは、前節から中2日でホーム連戦に臨む。今節乗り込んでくるのは堅守を誇る広島だ。

 

チーム状態が上向き多彩な顔ぶれに得点の可能性

組織的なサッカーはどこかにズレが生じると全体が上手く機能しなくなってしまう。負傷やコンディション不良のメンバーが入れ替わりで続出し、長らく苦しい時期を送ってきたチームだが、徐々に戦力が戻ってくるにつれ、試合ごとの戦術も狙いどおりピッチで表現されやすくなった。
 
それを表すような3連勝。その3戦連続で得点している田中達也はWBとシャドーの2つのポジションを行き来しながら今季6点を挙げチーム得点王となっている。試合終盤まで衰えない田中の勢いと決定力が結実しているかたちだ。
 
それらが、本来チームが目指している細やかな崩しから生まれていることにも注目したい。前節の決勝点は中盤から町田也真人、三平和司、伊佐耕平が絡んでのフィニッシュだった。惜しくもポストに弾かれた三平のシュートも組織的なお膳立てから。前田凌佑がクロスからのこぼれ球で決定機を迎えた場面もあり、ここ数試合のチャンスシーンを振り返ると、2018年J2のように多彩な顔ぶれが得点する可能性が感じられるチーム状態になってきた。
 
そうなると自ずと知念慶や渡大生への期待も高まる。特に今節は渡が昨季プレーした広島との対戦。シーズン序盤はシャドーのポジションで苦戦している様子も見えた渡だが、ここ最近はそのアグレッシブさや献身性が試合展開の中で生きている。
 

メンバーの入れ替えも予想される広島

広島は前々節の川崎F戦でまさかの5失点大敗。飛ぶ鳥を落とす強さを誇る川崎Fが相手とはいえ、堅守の広島にしては珍しいスコアとなった。だが、さすが前節は柏と拮抗した好ゲームを展開し、1-1のドロー。後半アディショナルタイムまでどちらに転ぶかわからない攻め合いだったが、本来のソリッドな守備で、アウェイで勝点1を得ている。オルンガ、江坂任、呉屋大翔を1トップ2シャドーに並べられて1失点に抑えたことは、前々節からの立て直しの意味も含め、自信回復につながったことだろう。そこからの今節も柏戦同様ミラーゲームなので、継続して守備に臨めそうだ。
 
前々節から前節までは1週間開いたが、広島は3試合連続アウェイ戦で、今節がその3戦目。とは言っても前節から中3日なので、ホーム連戦でも中2日の大分と、アドバンテージは一長一短というところ。
 
その中で広島は、メンバーを入れ替えて臨む可能性もある。前節はこれまで絶対的守護神と目されていた大迫啓介に代わり林卓人がゴールマウスを守った。そこは今節も継続すると思われるが、頂点にドウグラス・ヴィエイラがいるか否かで攻撃のテイストが大きく変わってくるのが重要だ。前節も試合途中から外国籍選手の投入があり、城福浩監督が90分のマネジメントをどう考えるかも読まなくてはならない。また、広島の最大の攻撃起点となっている左WBの柏好文が出るか出ないか、出ないならばそこに誰が入るかによっても、サイドのマッチアップがカギになるミラーゲームだけに、影響がありそうだ。
 
大分のWBもバラエティーに富む。左WBは前節欠場した香川勇気のコンディション次第というところもあるだろうが、右WBは絶好調の田中、攻撃のバリエーションの多彩さでは抜きん出ている松本怜、対人守備に強く前節もゴール前まで顔を出した高山薫、こちらもスピードがあり連係面で一日の長がある星雄次と選択肢は豊富だ。片野坂知宏監督のゲームマネジメントに注目したい。
 
コロナ禍による過密日程は次節で一息という感じだが、夏の疲労の影響がどう出るかも気がかりで、チーム状態のいいときに出来るだけ勝点を積んでおきたい。今節からシーズンは後半戦に突入。4連勝で勢いに乗りたい一戦だ。
 

試合に向けての監督コメント

■片野坂知宏監督
 
おそらくミラーゲームになると思うし、われわれも中2日での連戦なので、また横浜FC戦に出た選手、いるメンバーを含めてどういう状態かということを把握し、2日しか準備期間がないが、もう一回ホームで戦えるので、いいゲームが出来るようにしたい。
 
広島さんも前回対戦、向こうのホームでわれわれに1-2で負けているので、リベンジする強い気持ちを持って勝点3を取りにくると思う。間違いなく難しいゲームになるが、粘り強く戦うしかない。