最強の盾が強烈な矛を迎え撃つ。ルヴァンカップのリベンジなるか
現在7試合連続得点中でリーグ得点ランク首位のオルンガを擁する柏が、昭和電工ドーム大分にやってくる。こちらの守備を統率するのは昨季J1シュートブロックランキング1位のディフェンスリーダーだ。両ゴール前の強度で引けを取らずに戦いたい。
リーグ戦でルヴァンカップのリベンジを
リーグ戦3連戦の3戦目。ルヴァンカップではメンバーを総入れ替えしたが、リーグ第10節H横浜FM戦と第11節A札幌戦は、先発を1人入れ替えたのみの陣容で戦った。この2試合に出場および帯同したメンバーの疲労が気になるところだ。
前節の札幌戦は相手にボールを握られる時間が長かったが、伊佐耕平をスイッチに前線から限定してゴール前まで組織で粘り強く守り、その伊佐の今季初得点で先制した。外国籍選手を次々に投入して圧をかけてきた札幌に最後は守備を破られたが、連敗していた頃に比べると本来の大分らしさが戻ってきたような試合だった。
勝点は積み上げたが課題は勝利した横浜FM戦と同様、決定機で決めきって追加点を奪うこと。チャンスは築けていたので、あとはその精度を高めていくのみだ。
ルヴァンカップを合わせると7連戦となった8月。今節はその最後のゲームでもある。柏とは今月12日にルヴァンカップで対戦したばかり。両軍ともメンバーはリーグ戦とは異なっていたが、柏の得意とする流麗なカウンターを繰り出させてしまった。今度は相手に気持ちよくプレーさせないようにしたい。
オルンガは今節得点すればリーグ記録タイ
柏の脅威と言えば、なにしろオルンガだ。ここまで12得点を挙げてJ1得点ランク首位に君臨。J2で反則級のポテンシャルを見せつけて以来、欧州移籍の噂が絶えなかったが柏にとどまり、いまもJ1で猛威を振るっている。現在7試合連続得点中で、今節も得点すればJリーグ記録に並ぶこともあり、本人のモチベーションも高いだろう。オルンガの周囲には江坂任や仲間隼斗ら機動力が高くアイデアあふれる攻撃陣が並び、彼らもなかなかに厄介な存在だ。ネルシーニョ監督は相手によって戦力の配置を変えており、誰がどこに立つかも重要なポイントになる。
オルンガが強烈な“矛”ならば、こちらは最強の“盾”で迎え撃つ。昨季J1シュートブロックランキング堂々首位の鈴木義宜は、今季もここまでフル出場しながら幾度となくピンチを救ってきた。オルンガに対しても素早く鋭い読みでその攻撃の芽を摘んでくれると期待したい。後ろには第9節A川崎F戦からゴールマウスに立つムン・キョンゴンも構える。長い手足でのファインセーブを今節も見られるか。
相手の中盤がどういうメンバーでどういう形になるかも読みづらいが、前節の神戸戦で強靭な守備を誇るヒシャルジソンと交代して65分からピッチに立った三原雅俊が古巣相手にクロスがそのまま吸い込まれる劇的決勝弾を決めて結果でもアピールし、中盤の選手層の厚さを感じさせた。逆にこちらは中盤に負傷者が続出し、選択肢が限られた状態。特にダブルボランチは第8節以降、長谷川雄志と島川俊郎で固定されており、羽田健人を試合途中からボランチ起用するなど、やりくりに苦心している。長谷川と島川の疲労の蓄積も気がかりだ。
とにかく、今節が終わればひさしぶりに次の試合まで1週間。ひと呼吸前の踏ん張りどころとして全力を出しきりたい。
試合に向けての監督コメント
■片野坂知宏監督
3連戦の3戦目。札幌戦も横浜FM戦から先発を1人変えただけで臨んだので、そういった選手たちがこれからの3日間でどれだけ回復するかを見なくてはならないし、札幌戦に出場しなかった選手がどれくらい準備できているかを考えた中でプランを立てたい。あとは柏さんが、ルヴァンカップでも戦ったが、われわれに対してどういう形で準備されるかというところ。ベストなメンバーを組み、なんとか勝点を積み上げられるようにやっていきたい。