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今節の見どころ

昨季に続く3度目の師弟対決。厚別で札幌を倒し、浮上の契機にしたい

 

前節、ホームで横浜FMに1-0で勝利し連敗を5でストップしたチームは、中3日でアウェイの札幌戦に臨む。長らく苦しんできた時期を完全に抜け出すためにも、ここで連勝して浮上の契機としたい。

 

3度目の師弟対決。3勝目なるか

前節は対横浜FM戦術が見事にハマり、ほとんどの時間帯をこちらのペースで運ぶことが出来た。これはこちらにも言えることだが、特徴あるスタイルを標榜するチームに対しては、ゲームプランがハマるかどうかが大きなカギを握る。
 
今節マッチアップする札幌も、明確な特徴を持つスタイルを貫いてきたチームだ。広島時代からミハイロ・ペトロヴィッチ監督が築き上げてきた“ミシャ式”は、われらがカタノサッカーの源流でもある。ミシャ式も、広島から浦和、札幌へとチームが移りながらマイナーチェンジを繰り返してきた。カタノサッカーはミシャ式の可変システムを出発点に独自の進化を遂げ、現在はすでにまったく異なる独立したスタイルとなっている。
 
初めての師弟対決は昨季J1第6節。立ち上がりからハイプレスをかけてくる札幌のWBの背後を突いて2分に先制に成功し、さらに追加点を奪うと、後半は相手の力に押し込まれながら2-1で逃げ切った。2度目の対戦となった第19節は、ジェイやチャナティップら力量の高い攻撃陣に終始苦しめられながら、オナイウ阿道の2得点で逆転勝利。師匠は2戦2勝した弟子を手放しで讃えたが、今季は絶対に負けられないと思っているはずだ。
 

鈴木武蔵移籍。厚別で初勝利を挙げたい

フォーメーション的にはミラーとなることが予想される。ただ、連戦の最中、どのプレーヤーがどういうタイミングで、またどのポジションで出てくるかが読みづらい。途中で負傷離脱もありながら今季5得点と好調だった鈴木武蔵のベルギー1部・ベールスホットへの完全移籍が、試合前日の18日に発表された。ジェイは負傷から復帰しているが、途中出場した前節はまだ本調子ではなさそうで、1トップは荒野拓馬の先発が濃厚と思われる。荒野を頂点にチャナティップや駒井善成らが繰り広げる流動的な攻撃は、むしろターゲットがいないぶん厄介だ。守備陣では左CBの福森晃斗が戦線復帰しており、3バックの顔ぶれ、特にリベロが誰になるかも気になるところ。
 
中断明け後はリーグ戦6戦無敗と好調だったが、第8節・神戸戦、第9節・清水戦、第10節・川崎F戦と3連敗を喫しており、この3戦で12失点。もっともその半分は川崎F戦なのだが、一時、大量失点を続けていた大分同様、守備へのテコ入れは急務だ。大敗した次の試合は往々にして戦い方を変えるもの。大分にとってはこれまた読みづらい流れとなっている。
 
大分の台所事情は相変わらず厳しく、選手たちが入れ替わり立ち替わり、コンディションを上げたり下げたりしている模様。戦力のチョイスは難しそうで、指揮官以下コーチングスタッフ総勢で知恵を絞っているようだ。
 
そして今節の会場は札幌ドームではなく厚別公園競技場。空調が完全管理されたドームとは異なる環境が、どう影響するか。過去、対札幌のリーグ戦アウェイ戦績は1勝4分5敗と圧倒的に分が悪く、厚別では1分5敗という惨憺ぶりが情けない。ただし、直近の厚別での試合は2011年J2第35節であり、こちらも相手も現在は全く異なるチームになっている。今度こそ厚別で初勝利して歴史を塗り替えたい。
 

試合に向けての監督コメント

■片野坂知宏監督
 
札幌は前節は大敗していたが、川崎Fは強いので、僕らもそうだったが、大味になるとああいう点差がつくくらい許してくれない。そのへんは逆に大量失点したことで開き直れることもあるし、自分たちの戦いを貫いてくるだろう。なんとか勝点を持って帰れるといいなと思う。
 
札幌もいま、鈴木武蔵選手がいなくなり、怪我人も出ていて、福森くんなどは復帰しているようだが、誰が出てどういう戦いをしてくるかも考えながら、じゃあわれわれはどういうふうに戦術を練り狙いをもってやるかというところを、準備期間が3日間しかないので、またすぐに切り替えてやらなくてはならない。
 
前節の横浜FM戦もルヴァンカップからの中2日で、トレーニングの落とし込みの中ではっきりとやれた部分があり、その現象がゲームでも出たので、すごくいいことだと思った。僕だけでなくチームスタッフがすごくいろんな準備をしてくれて、みんなで意見を言い合い、試合の直前までロッカーで話し合いながら、僕だけが決めるのではなくチームとして戦って勝てた試合だったと思う。