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今節の見どころ

次なる3連戦はさらにハードな予感。まずはG大阪と敵地で対峙する

 

中断明け後の最初の3連戦を2勝1分で終え、1週間の準備期間を経てチームは次の3連戦へと向かう。1戦目はアウェイでのG大阪戦だ。相手の力量の高い攻撃陣をどう抑え、どう攻めるか。

 

今回はアウェイ2戦にホーム1戦

最初の3連戦は2勝1分。戦績としては好調な再スタートを切れたと言える。だが、三竿雄斗は「結果は悪くないが、自分たちが目指しているサッカーやプレーはまだそこまで出来ていない」と気を引き締めた。前節の神戸戦の立ち上がりの失点と、決め切れなかった数々の決定機は、これから長いシーズンを戦っていくにあたり、早急に克服しなくてはならない課題だ。一方で、失点しても崩れずに追いつける粘り強さも見えた。第3節の広島戦はそれが実って逆転勝利を掴んでいる。
 
イレギュラーな状態を強いられているとはいえ、一戦ごとに経験値を積みながら成熟していくところは、例年と変わらない。第2節から第4節までの3連戦で、新戦力がよりフィットした感触を得たり、ひさびさにメンバー入りした選手が順調な姿を見せてくれたりと、収穫も多かった。
 
ただ、一週間のブランクを置いての今回の3連戦は、前回の3連戦よりもさらにハードな戦いとなることが予想される。前回はホーム2戦にアウェイ1戦、そのアウェイも広島と近距離だった。今回はアウェイ2戦にホーム1戦。3戦目となる第6節は、17チームの対戦相手の中でも最も移動の負担が大きいと思われるアウェイ清水戦だ。片野坂知宏監督以下チームスタッフのマネジメントとケアにより、良好な状態で臨みたい。

 

個性豊かなタレントが揃うG大阪

G大阪は最初の3連戦を1勝1分1敗。初っ端でC大阪とのダービーに敗れたが、 第3節は土壇場で名古屋に追いついてドロー、第4節は終盤に追いつかれたもののまたも最後に勝ち越し点を挙げて勝利している。
 
勝点を得た2戦で並ならぬ存在感を見せつけたのが渡邉千真だ。神戸戦の90+2分の同点弾、清水戦で追いすがる相手を突き放す89分の決勝弾と、容赦ないストライカーぶり。キレがあり迫力あふれるプレーからも、心身が充実している様子が見て取れた。
 
もとよりG大阪は、特に攻撃陣に個性豊かなタレントが揃っている。宇佐美貴史、アデミウソン、パトリックと、たとえ試合の流れが悪くても個の力でねじ伏せるように得点できるプレーヤーも多いし、倉田秋や矢島慎也のように組織をつなぎつつ動ける選手もいる。そして彼らを操りつつ自身もつねにゴールチャンスを窺っていそうな遠藤保仁が、また厄介なことこの上ない。
 
そのスペクタクルな戦力を起用する宮本恒靖監督の策にも注目したい。大分に対し、どのようなシステムでどのようなプランを仕掛けてくるか。片野坂監督との知将対決は昨季も見ごたえのあるものだった。
 
大分としては相手の出方を見極め、そのパワーとスピード満点の攻撃を抑えながら、上手く隙を突き攻め返して勝機につなげたい。厳しい連戦を乗り切るためにも、初戦で勢いをつけたいところだ。

 

練習後の監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
 
中断期間があった中でいいリスタートが切れたと感じている。3連戦で勝点7が取れたのは選手がしっかり準備してコンディションを万全にしてくれたこと、ゲームに向けての戦術とプランを選手が遂行してくれたこと、目の前の試合に対して90分間最後まで戦ってくれたこと。特に広島戦は厳しい状況の中で終了間際に逆転して、難しいアウェイ広島戦で勝点3が取れたのも、交代選手を含め全員が粘り強く戦ってくれたから。神戸戦も開始早々に失点して厳しい状況になったのだが、そこから最後までなんとか粘り強く戦って、勝点1ではあったが結果につながったと思う。
 
G大阪戦からまた3連戦なので、いいスタートを切りたい。G大阪も前節の清水戦で勝っているし、尻上がりに調子が出てきている。交代選手を含めてタレントがいるチームだし、われわれがアウェイで戦うにあたり簡単に勝てる相手ではない。そういう中でもチャレンジしなくてはならないし、G大阪戦に向けてベストなメンバーを選ぶことが、また勝点につながると思う。勝利につながるゲームをしたい。
 
■FW 27 三平和司
 
——G大阪戦からはじまる3連戦について。
 
G大阪と名古屋には前線にクオリティーの高い選手がたくさんいて、その一発で試合を決める力がある。ただ、僕たちはチームとして戦う。誰か個人に渡しておけば大丈夫というチームではないので、しっかり前線から全員の選手がひとつになってプレーできれば、そういう相手にも対応できるかなと思う。でも、前節のように失点しているようではダメ。みんなで意思統一して戦い、無失点に抑えれば勝点1は取れる。3連戦ということで勝点1でも積み上げられるようにしていきたい。清水に関してはいまは4連敗中だが、3連戦の初戦と2戦目に勝ってもらって、3戦目の僕たちに対してはちょっと油断してもらえればいいかなと思います。
 
3連戦とは言っても僕たちは目の前の1試合1試合を戦っていく。余裕で勝てる相手は一つもない。でも3連戦の最後に後藤くんがいるチームと対戦するので、そこには負けないように頑張りたい。