TORITENトリテン

今節の見どころ

本当に強い今季の広島。それでも立ち向かい堅守をこじ開けに行く

 

リモートマッチ2戦目は、絶好調・広島の本拠地で。ますます堅い守備と精度・強度を増した攻撃で強豪たちを圧倒し、すべて無失点で公式戦3連勝中の相手を前に、チームは力を発揮することが出来るか。

 

豪雨災害の中、応援してくれる人たちに勇気を

長くイレギュラーな中断から明けての前節、チームはリモートマッチという特殊な状況ながらトリボードや音響で流れるチャント、バックスタンドに掲げられたビッグフラッグなどの力強い応援に後押しされて、2-0で今季初勝利。ホーム開幕戦を白星で飾った。試合の1週間前に昭和電工ドーム大分でトレーニングし、ある程度のシミュレーションが出来ていたことも、選手たちの落ち着きに大きく影響していたかもしれない。
 
今節は2戦目にして最後のリモートマッチだが、今度は一転、アウェイ戦。前節はアウェイで戦った広島がホームスタジアムでどのような演出をするかは未知で、その心理的影響が気になるところだ。どのような環境下でも、チームのポテンシャルを存分に発揮して戦えるようでありたい。
 
南から順に西日本を覆うように襲っている豪雨が各地で甚大な被害をもたらし、大分でもアラートが鳴りっぱなし。そんな7日、チームは広島へと移動した。予報では広島も8日の朝にかけては雨で、その後は回復するとのことだが、DAZN実況を担当する江本一真アナウンサーからの情報によると、市内でも土砂崩れの影響で交通渋滞している箇所があるという。
 
大分県内でも被害の深刻な地域が多く、心配は尽きない。こんなときだからこそ、勇敢な戦いを見せ、勇気を届けてほしい。
 

完成度の高いショートカウンターには要注意

今季の広島の強さは圧巻としか言いようがなく、ルヴァンカップ開幕戦で横浜FCに2-0、リーグ開幕戦で鹿島に3-0と連勝した後、約4ヶ月の中断期間を挟んでの第2節は神戸を3-0で下している。いずれも強力な攻撃陣を擁する強豪を無失点に抑えると同時に複数得点を挙げる圧勝だ。
 
城福浩監督体制も3年目となり、その哲学がすっかり浸透した感もある今季は、激しいプレッシングからのショートカウンターを最大の武器としているようだ。昨季の対戦でもその堅守には苦しめられたが、前節の神戸も居並ぶタレントたちが終盤まで広島を押し込みながら、ついにゴールを陥れることは出来ずに終わった。また、攻撃もパワーアップしており、前線とサイドの外国籍選手はもちろん、森島司や川辺駿ら若いメンバーも周囲と連係しながら隙を突いてくる。
 
広島は前節、20分に柏好文が負傷交代。右大腿二頭筋を損傷して全治4~6週間とのリリースも出た。神戸戦で柏に代わって出場した浅野雄也はJ初ゴールを挙げている。今節のメンバーが気になるところだ。
 
ミラーゲームで入れば膠着状態は必至。だが、前節の鳥栖戦でブロック攻略のバリエーションを見せたように、チームも成長している。片野坂知宏監督は前節終了後も“新戦術”の存在を匂わせたが、今節こそそれがお披露目されるのかどうか。
 
連戦でもあり、メンバーに関しても全く読めない。指揮官によれば前節メンバー外だった戦力の中にも非常に好調な者が複数いるそうで、対広島戦術においてどのようなプランが練られるのかが楽しみだ。
 

練習後の監督・選手コメント

■片野坂知宏監督
鳥栖のゲームに出た選手はそのダメージからどれくらい回復できるかを見ながら、他の選手にも状態のいい選手が何人かいるので、そういうことも考えながら。戦術的なところでも、新戦術にトライするのかというところを考えながら、短い準備期間ではあるが、いろんなパターンを考えながら準備したいなと思っている。まあその新戦術が広島に対して有効かどうかということ。それでわれわれが上回れるようなことであれば面白いと思うが、まだどうなるかはちょっとわからない。選手の状態を見ながらどういう形で広島戦に臨むかを見極めたい。
 
■MF 7 松本怜
中3日なら毎年のようにあることだし、まだ2試合目なのでそれほど疲労がたまる時期ではない。疲労が蓄積してくるのはここから試合をもっと重ねてからだと思うので、いまはまだ問題ないと思う。
 
広島は守備が堅く、攻撃はクオリティーを持った選手が多いので、かなり嫌なチームのひとつという印象を、昨季から持っている。こちらの戦い方はそれほど変わらないかもしれないが、昨季勝てていないので勝ちたい。広島に勝てれば自信になると思うので、チャレンジしていきたい。
 
もちろん連勝できるに越したことはないが、それ以上に自分たちのサッカーをしっかり突き詰めていけるようにするのが大事。連戦が多くなってくるので休養も大事。練習で限界まで根を詰められないので、試合の中で培っていくためにチャレンジしていくことも求められてくる。
 
■MF 47 井上健太
(もし広島戦に出るとしたら)前節の鳥栖戦では自分の武器を見せることが出来なかったので、すごく悔しかった。広島戦でもチャンスをもらえるようなことがあれば、どのポジションで出場しても、交代で出たとしても、スピードを生かした仕掛けやゴールに直結するようなプレーを積極的に出していきたい。