待ちに待った、今季最初のホームゲーム。青黒の強豪を迎え撃つ(※記事公開後、開催延期決定)
いよいよ迎える今季最初のホームゲームは、ルヴァンカップGS第2節・G大阪戦。チームは今季初得点・初勝利を目指して強豪を迎え撃つ。
※記事掲載後、開催延期が決定となりました(プレスリリースはこちら)が、記事はそのまま残しておきます。
変幻自在の境地へ、今季はまだ踏み出したばかり
リーグ戦に先駆けてルヴァンカップから開幕した今季は、東京五輪開催の影響もあり、開幕直後からいきなり連戦続きのハードなスケジュールだ。自チームの戦力起用を考慮しなくてはならないのと同時に、同じ状況である相手のメンバーや戦い方も読みづらく、チームマネジメントの難易度は非常に高い。
ルヴァンカップとリーグの開幕戦が立て続けの雨のアウェイであったこと、この試合の前後を中3日でリーグ戦に挟まれている日程を考慮すると、今節はメンバーが大幅に入れ替わる可能性がある。新戦力を含め今季はまだ出場していない選手も出番を待っており、選手個々にとってはアピールの、チームにとっては新たな可能性の発見のチャンスともなるはずだ。
新加入選手はそれぞれに戦術を理解した中で自身の長所を生かすイメージを持っているが、片野坂知宏監督は「ある程度戦術の落とし込みは出来ている。ただ、相手の出方やシステムによって状況が変わってきたときなどに、柔軟に合わせてやれるかどうかとなると、既存選手のほうが理解度が高い部分があり、そのへんに少し差がある」と現状を語る。
このサッカーの強みは臨機応変さ。それを組織として自在に操れるようになるまでには、個々が戦術を理解した上で、試合状況に応じて瞬時に意思疎通できるまで、まだまだ連係を高める必要があるのだろう。
強豪が誇るJ屈指の攻撃陣に立ち向かえ
今節は特に、チームとしての柔軟性が試される試合になりそうだ。というのも、G大阪の出方を予想するのが難しい。ルヴァンカップ第1節の柏戦は昨季を踏襲した3-5-2、リーグ開幕の横浜FM戦では4-1-4-1。おそらく対戦相手に合わせてフォーメーションと戦い方を選択したと思われ、大分に対してはどういう形で臨むかというところ。
柏戦ではビルドアップのミスからペースを乱して失点し、後半に遠藤保仁を投入して立て直したが、強力な攻撃陣による追撃は実らず敗戦。横浜FM戦ではお得意の激しいプレスで相手のビルドアップのミスを誘うと早々に先制点を奪い、その後はバランスよく守りながらショートカウンターを狙った。
昨季もG大阪は、最初の対戦では前半はこちらに合わせて守り、後半に4バックシステムに変更して激しく圧をかけてきた。ポテンシャルの高い戦力の層が厚いため、フォーメーションと守備の仕方を適切に選べば相手を抑え込むことが出来る上に、いよいよとなればド派手な攻撃陣を送り込んで力技に出る選択肢もある。宇佐美貴史、アデミウソン、パトリック、渡邉千真とJリーグ屈指のタレントが並ぶ様は壮観だ。さらに前節は小野瀬康介の最前線での起用など、新たな試みも見られた。
そんなG大阪のゲームプランに思うツボで巻き込まれないために、求められるのが臨機応変さだ。昨季J1第31節の対戦ではこちらも組織が成熟しており互角に戦って勝利できたが、まだシーズンがはじまったばかりの現在、どれだけ自分たちのチームスタイルを有効に繰り出せるか。
一戦ごとの経験値により成長していくチームではあるが、無得点での公式戦2連敗スタートからの、そろそろゴールと勝利が欲しいところだ。ホーム最初の公式戦、熱いゲームに期待したい。
練習後の監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
G大阪がどう来るかはわからない部分がある。リーグ開幕戦では4バックである程度横浜FMの良さを管理した中で、いいゲームをして勝っている。われわれは横浜FMとはまた違う形なので、昨季の対戦でも合わせてきたり自分たちの形でやったりしてきた中で、相手にとっても短い準備期間でどう出てくるか。われわれもこの準備期間であれもこれもは出来ないので、要点を絞って話をした。
引いた相手はどのチームも難しいが、構えてくるのであれば自分たちも慌てずに、攻撃の狙いの中で合わせていくしかない。相手がどういうふうに攻撃のスイッチを入れてパワーを出してくるかもメンバーによって強さが変わってくるが、前線には外国籍選手を含めタレントが多いし、厳しいゲームになると思う。システムやメンバー、相手の出方を見て戦うしかない。
ルヴァンカップは開幕戦にアウェイで負けているし、予選突破のために3勝したい中で、ホームでの3戦は勝点3を取りたい。簡単な相手ではないが、今季の大分に対して非常に期待し楽しみにしている方々がいらっしゃると思うので、ルヴァンカップとリーグ戦がホーム連戦となるが、喜んでもらえるようなゲームが出来るように万全を尽くしていい準備をしたい。
■MF 26 佐藤和弘
リーグのC大阪戦はベンチから自分が出たらどういうプレーが出来るかを考えながら見ていた。自分のよさは攻撃参加だと思っているので、負けないように表現したい。ボランチからペナルティーエリアくらいまでクロスなどに顔を出せれば、チャンスは来ると思っている。
G大阪は失った瞬間のトランジションがすごく早いので、逆にその圧を利用して剝がせればいい形で前線につなげる。相手を見ながら、簡単にやれるところはやりたい。相手が引いたら、間を使って一回閉めてからサイドを使ったりと、出てくるところを見ながら使っていく。無理に差し込んでカウンターを食らうくらいなら、後ろでゆっくり保持してもいいと思う。
■DF 15 小出悠太
リーグ戦には帯同したが出場はしていないので疲れはない。大分も移動は大変だが、甲府時代も羽田までバスで2時間かかっていたので、移動の負担には慣れている。戦術については監督と個人的にも話をしているし、理解も出来ている。試合中にはいろいろあると思うが、みんなともコミュニケーションが取れているので問題なくやっていける。基本的なことを徹底していれば大丈夫。
チームとしてホームで最初の試合なので、しっかり勝ってサポーターのみなさんと喜びを分かち合いたい。いまはまだ勝てていない状況なので、ここで勝ってチームに勢いをもたらすのが、チームとしても個人としてもいいアピールになる。結果を求めて戦いたい。