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今節の見どころ

フィッカデンティ監督体制2試合目の名古屋にも自分たちのスタイルを貫いて戦え

 

明治安田J1第28節の相手は監督交代後2試合目、新体制のホーム初陣となる名古屋。スタイルを一変させた名古屋だが、攻守にハイポテンシャルなプレーヤーが居並ぶ難しい相手だ。

 

スタイルを一変させた名古屋の新しい強さ

 
9月23日に風間八宏監督との契約を解除し、新たにマッシモ・フィッカデンティ監督を迎えた名古屋。これまで築いてきた攻撃的な風間サッカーから一転、守備から入るフィッカデンティ監督のスタイルへと変貌した。
 
新体制初陣となった前節、名古屋はアウェイで広島と対戦。これまで名古屋が課題としてきた守備を立て直し、セットプレーから失点はしたものの、1-1で引き分けた。シュート数はわずか3本にとどまったが、失点の11分後に前田直輝がジョーとのコンビネーションから同点弾を挙げた。
 
今節の大分戦に向けてフィッカデンティ監督がどういう戦い方を選択してくるか。いずれにしても守備は堅いはずで、仮に引いて守備を固められたとしても、攻撃はジョーやガブリエル・シャビエル、前田直輝ら前線のタレントだけで得点する力量十分だ。大分にとっては決して相性のいいタイプの相手ではない。
 

経験から生まれる柔軟性を発揮したい

 
大分としてみれば、またもデータの少ない相手との対戦。今季は神戸、鳥栖、清水、湘南、磐田と監督人事に変化があった後まもない状況のチームとの対戦が多く、コーチ陣がスカウティングに追われることになった。
 
相手がどういう状況であっても、こちらとしては自身のスタイルを表現して戦いたいところではある。名古屋が今節も前節の対広島と同様の戦い方で臨むか否かは読めないが、これまでに積み上げてきた経験による柔軟性を発揮して、臨機応変にプランやプレーを選択していきたい。
 
8月中旬まで名古屋に在籍していた小林裕紀は「相手は誰が出てくるかわからないが、こちらも出る選手が責任をもってプレーすることが大事。どんな選手が相手でもしっかりやらなくてはやられるし、しっかりやっていればやられない」と隙を見せない構えだ。
 
10月は天皇杯準々決勝・神戸戦を含めアウェイでの戦いばかり。いろいろと難しい状況ではあるが、チーム状態は悪くなく、組織としての伸びしろもまだ見込める。前節は主導権を握って試合を進めながら磐田に勝点3を明け渡してしまったが、内容のよさは継続しつつ、今節は勝点を積み上げたい。
 

練習後の監督・選手コメント

 
■片野坂知宏監督
 
名古屋は前節の対戦相手が広島で、われわれと同じような3-4-2-1。監督交代して1試合見れたので、あのゲームを参考にはするが、フィッカデンティ監督もまたわれわれに対していろいろ対策を練ってくると思うし、広島戦でも状況や展開によって変化してくると思うので、相手がどういうふうに来てもしっかりと準備して上手く上回り、勝点につながるゲームをしたい。
 
フィッカデンティ監督はまず守備からしっかり入る方。隙のない守備を敷いてくる可能性もある。名古屋はこれまで攻撃的にやってきてボールを持てるチームで、攻撃のタレントもいる。個の能力に長け、個人で決められる選手もいる。相手の攻撃にも対応しなくては難しいゲームになると思う。
 
狙いを合わせてバラバラにならず90分の戦いをしなくてはならない。前節の磐田戦も終了間際に失点して勝点を落とすゲームになった。簡単に勝てる相手はこのJ1のリーグにはいないと思うので、賢くしっかりと自分たちらしい戦いを成立できるようにしていきたい。相手の中盤や前線の形によって狙いどころも変わってくる。つねに展開や状況を見てこちらも変化していく。
 
■MF 4 島川俊郎
 
名古屋は監督交代して間もないが、スタッフがしっかりスカウティングしてくれるので、こちらの狙いを確認できた。名古屋はボールを持たれることに慣れていない選手が多いと思うし、焦らずボールを保持して焦れずに戦うことが大事になる。システムはおそらく4バックで来ると思うので、何度もやり直しながら辛抱強く攻めていきたい。
 
相手には強力な攻撃陣がいるが、ボランチとしては、ボールホルダーにしっかり寄せること。また、周囲を予測してしっかりポジショニングすることが求められる。能力の高い選手に対しては、理屈じゃないところが大事。しっかり戦う姿勢をひとりひとりが持っておけば大丈夫だと思う。
 
■DF 5 鈴木義宜
 
シャビエル選手は何でも出来るというイメージ。あの選手がいることで前線の選手へのラストパスだったり、信じて走ってきたりをしてくると思うので、嫌な選手。簡単に前を向かせないことと、対峙する相手に対して全員が粘り強く対応することが、まずは大事になる。でもボールを奪えないわけではないと思うし、ファウルも前線からハーフウェイライン付近くらいまでなら全然大丈夫と思うくらいの厳しいコンタクトもしていくべきだと思う。
 
前節は決定機があった中で決めきることが出来なかった。ラストパスなどのゴール前での精度が上がれば潰されることもないと思う。そういうパスを狙ってGKのところに行ったりするシーンもあったし、本当に精度の問題。そこが一皮むけることが、このチームがもうひとつ上に行くカギ。点を取らなくては勝てない。前線の選手が危機感を持ってやってくれると思う。失った勝点を残り7試合でどれだけ取り返せるか。目標勝点45をまずは通過点として早く取りたい。そのためにも得点したい。