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今節の見どころ

J1残留争いのライバル。策士率いる難敵・松本にアルウィンで挑む

 

明治安田J1第2節の対戦時には、完璧なまでに対策されてシュート1本に抑えられ、0-1で敗れるという屈辱を味わった。J2時代から対戦を繰り返してきた松本は、互いに特徴を知っている難しい相手だ。

 

よりグループで戦うようになった松本

 
開幕戦でアジア王者・鹿島を敗るという大番狂わせを演じ、その後も磐田や横浜FMといったそうそうたるJ1チームを下してきたチームだが、その好調だったシーズン序盤に完璧に抑えられたのが、第2節に対戦した同じ昇格組の松本だった。大分の組織を分断するような守備で長所を出させずに抑え込むと、ラッキーも味方につけて先制弾を押し込み、勝点3を奪っていった。
 
あれからチームは戦術の練度を高めて浸透させながら、ここまで戦ってきた。シーズン残り10節にして、現在9勝8分7敗の勝点35で8位。ここ5戦は2敗3分と未勝利だが、選手の入れ替わりや相手からの対策もあって転換点を迎える中で、目標に向けてじりじりと勝点を拾っている。
 
一方の松本は、5勝8分11敗の勝点23で現在17位。前々節までは10戦未勝利という苦しい時期を過ごしたが、前節は途中から3-5-2にシステム変更し、浦和相手に見事な逆転勝利を収めている。今夏、前田大然がポルトガルリーグ1部マリティモへ、レアンドロ・ペレイラが広島へと7人が移籍し、阪野豊史や水本裕貴、山本真希らが加入してこちらも戦力の入れ替わりがあったが、早速チームに上手く組み込んでいる印象だ。片野坂知宏監督も「よりグループで戦う意識が高くなっている」と警戒する。
 

こちらも臨機応変さを増している

 
松本は今節、累積警告によりパウリーニョが出場停止。代わりに前節も途中出場した宮阪政樹が先発する可能性があり、そうなればその正確なキックによる展開力とセットプレーには気をつけなくてはならない。
 
前線のタレントもドリブラーあり裏抜けを得意とする者あり強度の高い者ありと多種多様で、3-4-2-1なのか3-5-2なのか、そしてそのフォーメーションのどの位置に誰が入ってくるのかによって戦い方が変わってくる。
 
前回対戦ではこちらの長所を消してブロックを構えた松本だが、戦力も入れ替わった今節はサンプロアルウィンでどのような戦い方をしてくるかが気になるところ。生き馬の目を抜くJ2でも豊富な経験を持ち、J屈指の策士である反町康治監督の頭の中は読みづらい。
 
そんな松本戦に備え、チームはいつも以上に入念に非公開の紅白戦に時間をかけた。複数プランを準備するとともに、選手たちもこれまでの積み上げにより臨機応変さを増している。相手の出方や状態を冷静に見極め、呼吸を合わせて戦うことが重要だ。
 
松本とは同じ昇格組同士、残留争いのライバル。落とすわけにはいかない一戦だ。
 

練習後の監督・選手コメント

 
■片野坂知宏監督
 
松本は、よりグループで戦う意識が高くなっていると感じる。攻撃も、得点数は少ないかもしれないが、決定機がないわけではない。決めきれないというところはわれわれも同じような感じかと思う。侮れない相手。簡単に勝たせてくれないだろうと思っている。
 
反町さんはいろんなことを準備して、われわれのウィークを突いてくる。メンバー選考においてもスタートでどう来るか。パウリーニョが出場停止で、バズ(宮阪政樹)なのか山本くんなのか町田くんとかなのか。どういうメンバーが出てくるかによっても戦い方や狙いが変わってくると思うので、そういうところもちゃんと見て判断しなくては、簡単に勝てる相手ではない。
 
■DF 5 鈴木義宜
 
現在、順位は8位だが、最近勝てていない。いままでやってきたことを我慢強くやり続けるしかないが、この順位にいることで、下の方にいるよりはメンタル的に余裕を持ってチャレンジできる。
 
松本は堅い守備から速い攻撃に持ってくる。嫌なことをやってくるチームで、難しい試合になると思う。先制点を奪えるか奪えないかで戦い方も変わってくるのではないか。DFとしては無失点の時間をどれだけ長く続けられるかが大事。攻撃面では相手がブロックを構えるか前から来るかわからないが、全員が強い気持ちを持ってチャレンジする姿勢が問われる。
 
松本は前線に機動力のある選手がいて、スペースで受ける選手、足元で受ける選手が流動的に動いてくるので、マークの受け渡しやついていくところの判断が重要。自分たちのバランスを出来るだけ崩さないような守備をしたい。今節はどう来るかわからないが、引かれたとしても焦れずにやることと、押し込んだところではもっと勝負球を入れていってもいい。思い切りのいいプレーが必要なこともある。
 
■FW 45 オナイウ阿道
 
自分が前線で頑張れれば味方も押し上げることができるし、高い位置までボールを持っていったときに起点となれば、そこからまた動かしてシュートまでの展開を作れる。そこは個人の力になってくると思うが、ボールを失わないようにしたい。相手は球際が強いが、自分たちの動きでスペースを作ってそこに入っていくようにすれば、相手の得意とする個人対個人の戦いではない土俵に持ち込める。試合になってみなくてはわからないが、相手を見ながらプレーしたい。
 
アルウィンのアウェイらしい雰囲気は気にならないし、個人的にはあまり気にしていない。でも、どちらかというと三ツ沢でのマリノス戦のときのほうがアウェイ感を感じた。気にせずにプレーしたい。
 

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