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今節の見どころ

シーズン折り返し前の心臓破りの坂の途中。タレント揃いの新生・神戸はいかに

 

チームは22日、明治安田J1第16節A神戸戦に臨む。スーパースター含むタレント揃いの神戸はトルステン・フィンク監督新体制2戦目で、出方が読めない。そんな相手に、どう挑むかが気になるところだ。

 

フィンク監督2戦目はいかに

 
戦術が研究され対策されはじめたシーズン前半戦の終盤に、上位陣との対戦が続いた。篠田善之監督体制初陣の第12節H清水戦で要所をケアされかろうじて1-1と引き分けた後、第13節H川崎F戦は相手の巧さに上回られ、第14節A東京FC戦はインテンシティーの差を見せつけられて連敗。第15節H名古屋戦では勝点1は拾えたものの、相手の強度に抑え込まれ、自分たちのやりたいことをほとんど表現させてもらえなかった。
 
心臓破りの坂はまだまだ続く。今節はアンドレス・イニエスタやダビド・ビジャら世界的スターが在籍し、他にもウェリントンら強力な外国籍選手をはじめ日本人選手もタレント揃いの神戸との対戦だ。神戸とはルヴァンカップも含めて今季3度目の対戦なのだが、リージョ監督、吉田孝行監督、そしてフィンク監督と、対戦するたびに指揮官が替わっているので、毎回、スカウティングに苦心する。
 
前節の神戸はFC東京と対戦し、1-0で勝利。初陣のフィンク監督がボランチで起用したイニエスタが今季初得点を挙げ、それがそのまま決勝点となった。ウェリントンを1.5列目で起用するなど、これまでには見られなかった起用法も見え、なかなかの戦略家のように見受けられる。
 
そのフィンク監督が、大分戦に向けてどのような準備をしてくるか。前節対戦したFC東京は大分とは全く異なるスタイルなので、参考にするのは難しい。選手層が厚く、システムやポジションのオプションも多い神戸だけに、多彩な戦い方が想定できる。
 

柔軟な対応力を実現するサポートの意識

 
そんなわけで、蓋を開けてみなくてはわからないというのが今節に向けての実情だ。相手のシステムや出方を見ながら、柔軟に戦っていく対応力が求められる。前節は名古屋のハイプレスにパスコースを切られ、それを上回ってビルドアップすることができなかった。
 
そこで今週はその反省も踏まえ、チームはひたすらポゼッションの質を高めるトレーニングに取り組んだ。特にボールホルダーへのサポートの意識を高め、パスコースを増やすことで臨機応変にボールを動かせるようにしたいところ。すぐに効果が表れるものでもない部分だが、徐々に練度を高めていけるよう、日々積み上げていくことが成長への最短距離だ。
 
相手の力量が高ければ高いほど、プレー精度はもちろん、予測や判断といった頭脳の部分でも圧倒されがちになる。名古屋戦ではセカンドボールもほとんど拾えなかった。藤本憲明は「力量の高い相手に対して自信を持って戦えていないのではないか」と、最近のチーム状態を分析する。ビルドアップの際に迷いがあればスピードも精度も低下してしまう。
 
現在の順位は上でも、相手はJ1ダントツ最高人件費を誇る“格上”。だが、チャレンジャーにも意地がある。積み上げてきたものの確かさを証明するには絶好の機会だ。
 

練習後の監督・選手コメント

 
■片野坂知宏監督
 
ルヴァンカップも含めて神戸とは3回目の対戦だが、1回目はリージョさん、2回目は孝行、3回目はフィンクさん(苦笑)。FC東京戦を見たが、FC東京は4枚で構える戦い方なのでうちとは違うので、そういうところでどうなるか。イニエスタが復帰して、ボールをしっかり持てるし、前線のタレントも豊富。少しアグレッシブになった感じがする。縦方向の意識のある選手を使っているし、その勢いも非常に感じるような試合だった。
 
われわれに対してどういう準備をされてくるかわからない。まずは相手がどういうシステムで来るかをしっかりと把握し、自分たちはそれに対してどういう攻撃が有効かを理解して共有することが大事。今節はアウェイで厳しい戦いになるかもしれないが、保持率は同等か、それ以上に持てるようにしたい。
 
最終ラインは(岩田)智輝がいないところをどうするか。ビルドアップはやはり後ろが安定しなくては上手くいかないので、安定できる選手を選ばなくてはならないが、だからといって神戸さんにも非常に縦に速い選手や出せる選手がいるので、守備をおろそかにしてもいけない。そのへんのせめぎ合いの中でどういうふうにこのゲームのプランを作ってやっていくかというところは、選手の状況も見極めながらになる。
 
■MF 7 松本怜
 
毎日意図のあるトレーニングをしているので、それをしっかりやっていければ試合で勝ちにつながる。積み重ねが大事だと思う。映像でも確認しながら選手も理解して取り組めている。個々のイメージする力が大事になる。
 
前節の名古屋戦は対応力もなくはなかったのだが、やられた感があった。全員が機転をきかせることができれば、もうちょっと自分たちの時間を増やすことができたはず。この直近3試合で学んだことは多い。昨季から言っていることだが、ボールを奪ってからのプレスをかけられながらの運び方。わかっているのに上手く運べない。名古屋戦でも裏を狙う意図もあったのだが、後半はちょっとそこに苦し紛れに逃げてしまった場面が多くなった。
 
神戸は監督が毎回代わっていて選手はそれに対応しなくてはならないので相当大変だと思う。シーズン中に2回も監督交代になれば、さすがにすごい選手たちも危機感を持っているのではないか。そういう集団はいちばん怖い。
 
今季は監督交代直後のチームとの対戦が多く、対策しづらい。どうしてもミーティングもそういう感じになる。だが、自分たちのやるべきことのベースはブレていないのでそれほどやりづらさはなく、そこをいかに貫けるかというところ。あとは試合中に選手がいかに対応できるか。頭の部分がかなり大事になることを、みんな意識しなくてはならない。
 
■DF 3 三竿雄斗
 
前節はひさしぶりのリーグ戦先発だったが、いい集中をもって入れた。まだまだ質の部分は高めなくてはならない。コンディションをさらにあげれば判断や運動量もまだまだ高めていけると思う。
 
ここ1ヶ月くらいワイドで出ることが多く、戦術も整理できていたのだが、前節は最終ラインで出場し、湘南などでやってきた戦術とは異なる中で、前節は通用するところと修正しなくてはならないところが出て、整理できた。前節は自分たちがGKに下げるコースや横パスのコースを切られることが多かったが、クサビのコースは空いていたと思うので、チームとしてのコンセプトを前提に、状況の中で選手同士で声を掛け合い、アドリブで判断すべきところもあった。それは共通理解しなくてはできないので、もっと選手間で話し合わなくてはならないところもある。今週のゲーム形式の練習で落とし込めてよかった。
 
(前節は得点の起点となったが)ダイレクトで打とうと思ったがコースが空かず、でもいいところにコントロールできて、直接得点にはならなかったが、枠に飛ばせばああいうこともある。もっとゴールに絡みたいのでもっと攻め上がっていきたい。勝つためには2点、3点取らなくてはならないので、練習からやっていかなくてはならない。
 
■MF 32 前田凌佑
 
今節は古巣戦。いま人生でいちばん体がキレている(と言えるくらい気合が入っている)。僕がいた頃とは全然違うチームになっていてよくわからないし、監督も今季だけで3人目だが、僕はいつでも戦える状態に準備できている。任せてください。
 
相手の攻撃は強力なので、まずはボールの出所をしっかり抑えなくてはならない。イニエスタ選手はなんでもやれるので警戒したい。削りにいくと世界中の人から怒られそうでちょっと怖いが、そこでボールを奪えればチャンスにもなると思うので、しっかり戦いたい。前節はセカンドボールが拾えなかったので、しっかり予測して自分たちの時間を長くしていく。
 
相手が前から来てくれれば剥がしやすいのだが、前節はそれが詰まってしまったときに簡単に失ってしまうことが多かった。チーム全体でボールを大事にしながら、みんなで失わないことを重点的に今週はトレーニングした。
 

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