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今節の見どころ

互いのスタイルをぶつけ合うために、まずは落ち着いて冷静な判断を

 

ルヴァンカップを含め、公式戦6戦負けなしと好調のチーム。12日に開催される明治安田J1第11節A湘南戦に向け、意欲的にトレーニングに取り組んだ。

 

胆力と戦術浸透度が試される一戦

 
ルヴァンカップ出場メンバーも、チームコンセプトに徹する献身的な好プレーで猛アピール。公式戦6戦負けなしの戦績が、チームの成長を物語っている。
 
ここ最近は相手の出方の読みづらい試合が続いたが、今節の相手は湘南。曹貴裁監督の築いた攻守にアグレッシブな“湘南スタイル”を貫いている。基本は縦に速いサッカーだが、今季は細やかなパスワークも織り込み、攻撃の形にバリエーションを増している。最大の特長は激しいプレスとハードワークだ。片野坂知宏監督は「一度で終わらず、二度追い、三度追いしてくる。つねに近い選手がボールを奪いに激しく来る」と表現する。
 
一方でこちらは後方から丁寧にビルドアップするスタイル。ミラーゲームが予想される中で、湘南の勢いをまともに受けてしまったり、慌ててつなぎをミスしたりすれば、たちまちショートカウンターの餌食になる。まずは落ち着いて相手をいなす余裕を持ち、プレスに来た相手の背後を突く冷静さが求められる。
 
湘南はフレイレが出場停止だが、坂圭祐が怪我から復帰している。最終ラインの並びがどうなるかにも注目だ。
 

互いにストロングポイントを出し合えるか

 
2013年J1第3節H浦和戦以来の対戦となるのが、今季、曹監督から望まれて湘南に移籍した梅崎司だ。年齢を重ねても躍動感あふれるプレースタイルは変わらず、湘南の中心選手として活躍している。
 
逆に、今季の大分には三平和司、馬場賢治、高山薫、三竿雄斗と、かつて湘南でプレーした4人の選手が在籍している。特に馬場、高山、三竿の3人は現在の湘南スタイルを熟知しており、相手にとっても馴染み深い顔ぶれだ。
 
持ち前のスプリントを湘南スタイルで生かしていた高山は「それを現在の大分のサッカーに組み込んでいるところを見せたい」と話す。初の古巣対戦となるが、意外と落ち着いた表情で、元チームメイトたちとの対戦を楽しみにしていた。
 
ちなみに、西山哲平強化部長にとっても湘南は古巣。かつては田坂和昭元監督(現・栃木監督)らとともにベルマーレ戦士の一員としてDDIのCMにも登場している。(※興味のある方は“ベルマーレハリケーン”で検索してみよう!)
 
いろいろとゆかりのある相手だが、前から来る湘南とスペースを使う大分の戦術の噛み合わせはエキサイティング。両軍がストロングポイントを表現して上回ろうとし合う熱い試合が予想される。巧妙に相手の長所を消す賢さも、実は大きな見どころのひとつかもしれない。
 

練習後の監督・選手コメント

 
■片野坂知宏監督
 
湘南はハードワークして90分戦ってくる相手。まずは受けずにアグレッシブに戦わなくてはならない。おそらく前からプレスをかけてくると思うので、そのプレスに対し、落ち着いて試合に入りいい判断ができるかどうかが問われる。全員が共通理解した中で攻撃の狙いを合わせていくこと。慌てずにしっかりとやるべきことをやれるか。守備のところでも、追い越してくる選手が多いので、人数をかけてきた相手に粘り強く対応できるかということがポイントになる。
 
フレイレが出場停止なので最終ラインのメンバーも変わる。誰が出てくるかわからない。こちらも負けないようにハードワークして、走るべきところで走り、走り負けず、自分たちの良さが出るようなゲームにチャレンジすることが大事。
 
■MF 23 高山薫
 
古巣戦だが、いまは意外と普通な気持ち。知っている選手のほうが多く、湘南の試合も見ているが、やり方は大体わかっていて、お互いにやりやすさとやりにくさがあると思う。どちらも全員でサッカーをするチームだし、引いてくる相手ではないので、互いのよさが出て、すごく面白くていい試合になりそう。上回るつもりでやる。自分は湘南で走ったりスプリントしたりのイメージがあったと思うが、大分のサッカーにそれを加えているところを見せたい。
 
ミラーゲームになるし、相手との駆け引きで勝てれば先手が取れてチャンスも作れるが、そこで負けてしまうと食いにくる。縦にも速い。相手のよさを出させないためにも、ポゼッションしてしっかり攻撃することが大事になる。勢いを出させないようにするのが最高。ポジショニングが大事になる。
 
大分は攻撃がフューチャーされがちだが、いい試合をしているときには守備も安定しているし失点も少ない。自分たちの攻撃以外のところも突き詰めていくことが大事。
 
■DF 5 鈴木義宜
 
ルヴァンカップも含めてチーム全員が意欲的に取り組めている。
 
おそらくミラーゲームになるので、マッチアップする相手に対してどれだけ一人一人が攻守で上回れるかが大事になる。背後が空いてくると思うので、足元ばかりでなく、背後を突くボールをつけつつ、足元が空いたところを狙うなど、相手の変化を見ながら目先を変える攻撃を繰り出していきたい。
 
相手の勢いにのまれることなく、自分たちが攻守で先手をとってやれれば結果はついてくると思う。チャレンジする気持ちをもって挑みたい。
 

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