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今節の見どころ

今季唯一の九州ダービー。難しい相手にもいつもどおりスタイルを表現せよ

 

令和最初のマッチアップは、今季明治安田J1で唯一の九州ダービーだ。鳥栖からもサポーター5000人が来場する見込みだという。GWの昭和電工ドーム大分で繰り広げられる熱戦を制したい。

 

まさかの最下位に沈む鳥栖

 
世界的プレーヤーであるフェルナンド・トーレス、そして07年に大分でプロデビューを果たし翌年優勝したナビスコカップ(現・ルヴァンカップ)でニューヒーロー賞にも輝いた金崎夢生。イサック・クエンカ、イバルボ、豊田陽平…。前線のタレントの名を列挙するだけでも圧倒されそうだ。そんな華やかなメンバーを擁した鳥栖が、大型連休中の昭和電工ドーム大分へとやって来る。
 
ただ、鳥栖は開幕以来いまだ波に乗れず、現在1勝1分7敗でまさかの最下位に沈んでいる。華々しい攻撃陣もそのポテンシャルを結実させるに至らず、9節を終えてわずか1得点。前節はホームで湘南に0-2で敗れ、試合後にはサポーターがフロントとの話し合いの場を持った。ピッチ外が賑やかになっており、クラブは難しい状況に立たされている。
 
そうなるとこちらにとっても難しい。切迫した状態で勝利への意欲をいままで以上に強くした相手は激しく戦ってくるであろうし、なんらかの策を準備してくる可能性も高くなる。さらに松本怜は「相手はここまで1点しか取れていないので、攻撃パターンが読みづらく、抑えどころがわからない」と、ピッチ上での難しさを語った。
 

迫力満点の決定機は紙一重

 
これまでのところ鳥栖は基本的に相手と同じシステムでミラーゲームの状況を作り、個の力を駆使して各局面を上回る狙いで戦ってきたが、それで結果が出ていない。追い込まれた今節はどのように出てくるのか。システムもメンバーも試合ごとに入れ替え、試行錯誤しているので、これもまた読みづらい。ここまで1点しか取れていないとはいえ、決定機は作れており、外すか決めるかは紙一重という状態。さすがのメンツでの攻撃は迫力満点で、決して油断は許されない。
 
今季、これまでの鳥栖とは一変したポゼッションスタイルの構築を託されて就任したカレーラス監督に対し、片野坂知宏監督も「いろいろ試行錯誤しながらチャレンジしている。新しく来てチームを作り上げるまでにはやはり時間がかかるのだと感じる。つなぐ攻撃を構築するのは本当に時間がかかる。僕もJ3のときからやっているが、大変な作業なので、一日二日でよくなるものではない」と、その状況を思いやる。
 
その上で「相手がどう出てきても、それを見極めて臨機応変に戦う」といういつものスタンスを貫くのが大分だ。タレントたちに組織的守備で対応しながら、どこをどう突いていくのか。
 
互いにJ1残留を懸けた戦い。ひとつでも上のカテゴリーで戦える九州のチームを増やすためにも、揃って勝点を積み上げたい思いはあるが、直接対決となれば絶対に負けるわけにはいかない。ホームチームらしく堂々と主導権を握り、ライバルを圧倒したい。
 

練習後の監督・選手コメント

 
■片野坂知宏監督
 
鳥栖がわれわれに対してどういうふうに来るか。先に点を取らなくてはならない。スコアの動かない状況が続くのはよくない。だが、取り急ぐためにバランスを崩してはならないので90分の戦いになる。相手がどういうやり方とメンバーで臨んでくるか。スタートからタレントを使うのか、後半に勝負どころで使うのか。G大阪、C大阪の戦い方を見ていればそういう戦い方をしてくるかもしれない。そうなったとしても粘り強く戦うだけ。
 
タレントがいるので、自由を与えずにチームとして守らなくてはならない。攻撃でも相手がどう来るかによって合わせてやれるようにしたい。固められてもこじ開けたい。
 
ダービーで、九州のサッカーを盛り上げられるように、J1のチームを少しでも多くできるように。そういう中でわれわれも残留しなくてはならない。鳥栖さんもいまは苦しい立場だが、これからの戦い方で十分浮上できる可能性がある。お互いにいいシーズンになるようにしたいが、やはりわれわれのホームなので負けられない。まずはいい準備をして選手が狙いを合わせて90分の戦いで勝点3を取れるようにしたい。
 
■MF 7 松本怜
 
相手がどう来るのかが読めないので難しい試合になる。ここ2戦は相手が後半勝負のプランで来たが、それならそれで前半はこちらがボールを回し、後半に相手が出てきたところでカウンターも狙える。うちは相手の出方によって狙いを設定できるチームなので、相手がどう来ても対応できるはず。うちはどういう相手、どういう戦い方で来られても、自分たちのつなぐサッカーをベースに、相手の出方を見て隙をつくことをやり続けるだけ。それもちょっとずつ上手く行きはじめているので、ブレさせずにチャレンジしていく。
 
フジ(藤本憲明)がマークされてきているが、それならそこでないところを生かそうと思っている。そもそもフジに合わせようとみんなで考えていたわけではない。(オナイウ)阿道も2点とっているし、フジが消されても他が空いてくるところを見極めて狙いたい。
 
■DF 4 島川俊郎
 
鳥栖はいま周りがざわついているが、それは僕らには全く関係ない。僕らは18位からのスタートで常にチャレンジャー。自分たちに集中したい。鳥栖の前線のタレントの一発は警戒しなくてはならない。中にカットインしてくる相手に対してはうまくマークを受け渡しながら、自分のゾーンに入ってきたら厳しく行くことを心がけつつ、行くところとカバーするところを徹底できれば問題なく防げると思っている。
 
相手が4バックか5バックかわからないが、うちの強みは背後への一発かCBのインナーラップとオーバーラップなので、そこを迷いなく突ければ得点できるのではないかと思う。
 
■DF 5 鈴木義宜
 
鳥栖はいま結果が出ていないので、やりにくい部分もある。前線に力のある選手が多いが、それは毎試合の相手にいるので、それほど意識せずいつもどおりやれればと思う。特に金崎夢生選手は前線で体を張って泥臭いプレーをしてくるので嫌。クエンカ選手のようなドリブラーは一人で対応できなければ複数で囲み、数的優位をどれだけ作るかが守備のカギになる。
 
セットプレーで点が取れていないが、より大切になってくる。取れればもっとチームとして強く怖くなれる。得点目標5点。CBでそのくらい取れればいいかなという勝手な目安。キッカーと合ってきている部分もあるので狙っていきたい。
 

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