TORITENトリテン

今節の見どころ

J1で、ロティーナとの対戦再び。白熱の陣取り合戦で上回れ

 

ミッドウィークにルヴァンカップを挟んで、前節に続くアウェイ大阪2連戦。チームは27日、明治安田J1第9節・C大阪戦に挑む。

 

ルヴァンカップから中2日でのアウェイ戦

 
J1チームとの個々の力量差を見せつけられながら、勝利にも手が届きそうな試合が続く。公式戦2連続引き分け中だが、好機は構築できているだけに、勝点3を掴みたかった思いもつのる。
 
芝の養生期間につきBコートでの練習となった今週は、一気に気温が上がり、曇っていてもじわりと暑い陽気。パスやコントロールの精度とスピード、視野の確保とスピーディーな状況判断、反応といった基礎的な部分のベースアップを図るトレーニングが続けられ、選手たちは意欲的に取り組んでいる。
 
今節はこのカードだけが土曜開催。ルヴァンカップから中2日で臨むことになり、シビアなコンディション調整と対C大阪戦術のスピーディーな浸透が求められる。アウェイ大阪2連戦、ひさびさのヤンマースタジアム長居だ。
 

今節もスペースを奪い合うゲームになるか

 
C大阪とはルヴァンカップでも同じCグループに属しており、すでにグループステージ第1節で対戦済みだが、リーグ戦ではメンバーも異なる。大分のサポーターにとっては清武弘嗣との対戦も楽しみなところだ。
 
今季からC大阪を率いるロティーナ監督とは2017・2018の2シーズンにわたり東京Vの指揮官として対戦している。ポジショニングで相手を上回るロティーナのサッカーは、球際での激しいぶつかり合いもトランジションも、またゴール前での局面も少なくなる。ボールというよりもスペースを奪い合う駆け引きのゲームとなり、一見退屈なように見えるがピッチに渦巻くエネルギーは非常に高い。東京V時代の対戦も毎回そんなにらみ合いで、ロースコアな展開となっていた。
 
清武や柿谷曜一朗ら天才タイプのプレーヤーを擁するC大阪でこの戦術を浸透させれば、とても面白いことになりそうだ。現在のところまだ浸透過程で、システムやメンバーをさまざまに変えながらいろいろと試しているように見受けられる。
 
片野坂知宏監督はロティーナ監督の、相手を見ながらプレーさせ、さらに変化させて相手を上回る戦術家ぶりに「また難しい試合になる」と警戒。昨季甲府で東京Vと対戦した小塚和季も「行きづらいところに選手を置いているイメージ」とロティーナ・サッカー攻略の難しさを語る。
 
今節もその堅守に阻まれて、緻密な試合になることだろう。だが、そんな堅守のC大阪にも一瞬の隙は生まれる。それを誘発してそこを突き、仕留めるべきときに仕留めて勝点を持ち帰りたい。
 

練習後の監督・選手コメント

 
■片野坂知宏監督
 
ロティーナさんとはどちらが先手を取って上回るか、やられるかの戦いになる。スペースと時間を与えるとC大阪の選手は能力が高いので、自由を与えたくない。どういう形でくるかはわからないが、隙があればそこを突きたい。
 
ロティーナさんは抜け目なく選手にプレーさせる。選手の選び方ややり方も徹底する。逆にわれわれをしっかり見て、ゲーム中にも変化を加えてまたいやらしいことをすることができるプランを持っている。90分の中でつねに変化してくる可能性があるので、こちらも勝つためにプランを複数持っておかなくてはならない。
 
■MF 7 松本怜
 
ロティーナ監督のチームとの立ち位置の駆け引きは楽しい。そういうところを崩していければ一段階レベルアップできると思う。昨季は東京V戦で相手を本当に崩せたかと言われたらそうではなかった。相手は堅守なので、こじ開けるのは難しくなると思うが、一瞬の隙が見えたらそこを逃さずに突いていきたい。裏が空いたり同サイドで崩せたりすることもあると思う。
 
先制点が必要。自分たちのサッカーをブレさせずチャレンジしていけば、いまの大分なら上回れるはず。僕が起点になれればと思う。
 
■MF 14 小塚和季
 
ロティーナ監督のサッカーは、選手が相手の嫌なポジショニングを取る。行きづらいところに選手を置いているイメージ。相手の前線にはうまい選手もいるし、スペースをうまく使ってくるので、それをさせないのは自分たちがボールを保持すること。うまく逃げつつ自分たちがボールを持つ時間を増やしていきたい。