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今節の見どころ

超攻撃的な名古屋に対し、大分らしい攻撃スタイルで応戦を

 

5連戦の4戦目は、明治安田J1第3節A磐田戦から中3日でアウェイ連戦となるルヴァンカップ第2節A名古屋戦。ハードスケジュールでも結果を求め、チームは総力で戦っている。

 

カップ戦でのアピールをリーグ戦にもつなげたい選手たち

 
5連戦のスタートとなるJ1第2節H松本戦では敗れたものの、そこから中3日でホーム連戦として迎えたルヴァンカップ第1節C大阪戦には終盤に劇的な逆転勝利を収め、さらに中2日でのJ1第3節A磐田戦は試合状況に合わせた狙いがハマり公式戦連勝。リーグ戦とカップ戦でメンバーを大幅に入れ替えながら、それぞれの試合に向けての準備が結実している。
 
リーグ磐田戦から中3日で、今度はアウェイ連戦となるルヴァンカップ第2節の名古屋戦。11日のトレーニングでは非公開の紅白戦後、片野坂知宏監督の声が少し嗄れ気味だった。サッカー専用スタジアムで12,345人を集めた磐田戦でのリバウンドもあるだろうが、かなり熱く対名古屋戦術を落とし込んだものと見られる。
 
ルヴァンカップ前節のC大阪戦で活躍した後藤優介がリーグ磐田戦に先発出場して結果を出したこともあり、また、トレーニングマッチではなく公式戦でアピールできるだけに、選手たちのモチベーションは高い。まだリーグ戦にもカップ戦にも絡んでいないメンバーもおり、指揮官が対名古屋戦術の中でどのようなプランを練りどの戦力をチョイスするのかが楽しみだ。
 

前にパワーをかけてくる名古屋に対して攻め返せるか

 
名古屋はリーグ戦で開幕3連勝と好調。鳥栖に4-0、C大阪に2-0、G大阪とは打ち合いの末に3-2で勝利した。メンバーを入れ替えて臨んだルヴァンカップ第1節は神戸と2-2のドロー。前向きにパワーをかけながらボールを握って押し込む名古屋と、守りながら名古屋の背後を突く神戸の図式で、最後は終了間際に神戸がPKを得て追いついた。
 
ルヴァンカップ出場メンバーによる名古屋と大分との力関係にも左右されるだろうが、立ち上がりはそれぞれ少しずつ異なるスタイルでポゼッションしたい主導権争いが見られるかもしれない。名古屋は今節も勢いのあるハイプレスと技量の高いボールポゼッションで前に圧をかけてくると予想されるので、大分はそれを奪ってから相手の背後を突きながら攻めることになるはずだ。パスの長短にかかわらず、空いているところを瞬時に見つけ、呼吸を合わせて正確にボールを運ぶ力が問われる。
 
リーグの磐田戦でもそうだったが、試合展開によって、速く攻めるか攻め急がずに相手の攻撃時間を削るかの判断も大事になる。個々の力量では相手のほうが優っていても、状況判断力と組織力で上回るチームでありたい。
 

練習後の監督・選手コメント

 
■片野坂知宏監督
 
総力戦で連戦を戦っているが、選手がしっかり準備してくれている。名古屋もターンオーバーしてくるだろうが、フレッシュでコンディションのいいメンバーを見極め、戦術を合わせて戦いたい。名古屋は強烈な外国籍選手を擁してリーグ戦も調子がいい。ルヴァンカップに出場するメンバーもアピールするつもりで戦ってくるだろう。風間さんもしっかりとボールをつなぐし、相手を見ながら上回っていく戦いをされる。粘り強く戦うしかない。
 
できるだけ自分たちがボールを持てるようにしたい。得点するため、守るための大体のプランは考えている。前節のC大阪とは全く違う相手。名古屋は守備もアグレッシブで前からチャレンジしてくるのではないかというところで、こちらも戦い方が変わってくる。相手がどういう守備をしてきても、それに対応しての攻撃戦術は、選手の中では整理できていると思う。あとはプレッシャーがある中でピッチでどれだけ表現できるか。
 
■FW 18 伊佐耕平
 
名古屋はJ2で対戦したときは今とは違っていたが、ボールを持たれたイメージしか残っていない。名古屋はいい選手ばかりで、攻撃力がある。僕はCBの間で勝負するだけ。自分のストロングポイントを出したい。みんな個々のレベルは高いので、どのメンバーと組んでもすぐに対応できる。
 
(J1で戦ってみて)磐田は10人の状態だったので、今回は勝ったが、次はそうは行かないだろう。今のところはそこまでレベルの差を感じてはいないが、ここからもっと高いレベルを見せつけられると思う。
 
■DF 19 星雄次
 
磐田戦は僕がピッチに入る直前に追加点が入り、相手がビハインドになったこともあり、相手には前線に能力の高い選手もいるので、無理に攻めてカウンターを食らう状況にならないよう、バランスに気をつけながらプレーした。名古屋にもいい選手がいるが、自分たちがボールを握っていれば相手には攻撃権を渡さずに済む。攻撃は完結できるようにしたい。
 
名古屋は前から奪いにくるし、ラインも高いので、焦らずに戦いながらもウラはしっかり狙っていきたい。サイドでボールを受けるチャンスも多くなると思うので、いい仕事をしたい。磐田戦では行くところと行かないところを使い分けながら上手く戦えたと思う。
 
リーグ戦にも先発で絡めるように、まずは自分の長所を出したい。あとは自分のペースで頑張りながら、チャンスが来たときにチームとしても個人としても結果を出したい。(J1で初めてプレーしてみて)磐田戦は相手も10人になっていたのでそれほどプレッシャーを感じなかった。ここからのJ1も楽しみなので、ルヴァンカップのプレーがリーグ戦にもつながるようにアピールしたい。