残留争い中の讃岐は厄介な相手。集中を切らさず粘り強く狙いを遂行せよ
残り10試合にして上位も下位も激しい混戦状態。昇格争いに食い下がるために、勝点の取りこぼしは許されない。そんな明治安田J2第33節、チームは残留争い真っ只中の暫定最下位・讃岐を迎え撃つ。
前節に続き今節も相手は残留争い中
前節・熊本戦は4試合ぶりに得点し勝点3を得た。数多く決定機を作りながら得点できずにいたモヤモヤした流れを、ようやく突き破れた感がある。前節の勝利を反撃の狼煙としたいところだ。
台風の影響で未消化だった第26節・福岡対横浜FCが12日に行われ、昇格争いのライバルである2チームはスコアレスドローで勝点1ずつを積んだ。先の見えない混戦だけに、残り10試合の現時点で周囲をどれだけ気にかければいいのかも判断しづらいが、チームは6試合1クールごとの勝点目標10を堅実に積み上げながら、第31〜36節の第6クールにおいてもそれをクリアすることを目指し、安定したスタンスを保つことに努めている。ただ、目標達成のためには取りこぼしは極力避けたい状況だ。
一方の讃岐は、一試合未消化で暫定最下位。全試合消化している21位・熊本との勝点差は1で、残留圏20位の京都がやはり一試合未消化で勝点2差。19位・岐阜とは勝点7差だが、岐阜も9連敗と失速中なので、J2残留のために離されずに追走したい。
順位に差はあれど、ひとつでも多く勝点を積みたい両軍。片野坂知宏監督は「順位ほどの力の差はない。相手の戦略にハマらないように気をつけなくては痛い思いをすることになる」と気を引き締める。
長所を消しにくる讃岐をさらに上回れ
ここ最近は4バックシステムで戦っている讃岐。今季はポゼッション率を高めていたが、カウンター主体の戦い方で好感触も掴んでいそうだ。第28節の松本戦では3-4-2-1システムでミラーゲームを仕掛けてもいる。選手起用も試合ごとに異なり、メンバーも読みづらい。
相手のストロングポイントを無効化することに長ける北野誠監督が、今節、大分に対してどういう戦いを仕掛けてくるか。ハイプレスにせよブロック構築にせよ、その守備はしたたかだ。第6節、アウェイでの前回対戦では、SHのポジショニングの駆け引きによってこちらを抑えにきた。
相手がどのようなフォーメーションでどのような戦い方を仕掛けてきても、臨機応変かつ柔軟にそれに対応していく力が求められる。もとより片野坂監督が目指しているチームの姿はそういうものであり、特に最近は選手起用も含めて戦術の幅は広がっている。あとは選手間で意思疎通し、やるべきことを確実にやり遂げる精度を追求するだけだ。
今月は近場が続くとは言えアウェイゲームが多く、ホームで戦えるのは今節のみ。青く染まる大銀ドームでサポーターたちと歓喜を分かち合いたい。
練習後の監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
やはり得点しなくては勝点3は取れないので、讃岐の特徴と得点するための狙いをミーティングで伝え、紅白戦で準備した。讃岐は松本戦では3枚で合わせてきていたので、ここ最近は4バックだが、われわれに対してもミラーのような形で合わせてくる可能性も想定している。今月はホームゲームが1試合しかないので勝ちたいが、なかなか簡単には勝たせてくれないだろう。その中で我慢強く戦うことが大事になる。
讃岐は残留が懸かっている状況で、勝点を持って帰るための準備をしてくると思うし、順位ほど力の差があるわけでもなく、非常に難しい試合になると思う。相手の戦略にハマらないように気をつけなくては痛い思いをすることになりかねない。メンタル的な部分でも、下位相手だからという甘さがあると隙を突かれる。自分たちがやるべきことをどれだけ集中して最後までやれるかが大事。
■MF 38 馬場賢治
古巣戦で人としては複雑だが、選手としては勝たなくてはならない。個人的には普段は勝つことが全てではないと思っているが、残り10試合はそんな綺麗事も言っていられない。前節の熊本戦もいい試合ではなかったが、その中でも勝ち切れたことが僕らには大事だった。今節も勝つことが大事。
昨季までの僕だったら、いまの讃岐のような状況は苦手ではないシチュエーション。「やってやる」という気持ちが湧いてくる。讃岐はこういう状況でなんとかしてきたチームなので、すごく難しい試合になるというのが大前提である。メンバーも試合ごとに変わっているし、やることは大きくは変わらない中でも間違いなくウチへの対策は練ってくると思うので、予想できない部分もすごく多い。それでも根本的な弱点はどのチームにも絶対にあるので、そこをしっかり突ければ、相手がどう出てきてもやれるのではないかと思う。
日々チームは進化も変化もしている。システムもそうだし、求めている部分も少しずつ変化している。僕自身もチームとしても、細かい部分ではあるが、日々の変化に対応する時間が少しかかった部分もある。それでも日々成熟している部分がある。僕はベンチだったが福岡戦も迫力と緊張感のある試合だったし、熊本戦も自分たちで状況を打開して3点取れた。シーズン前半は少しラッキーな試合も多かったが、いまはしっかり自分たちが状況変化に対応したり、自分たちの力で少しずつ状況を打開できる時間や試合が増えてきている。
■DF 19 星雄次
讃岐がどういう出方をするかはわからないが、うまくサイドで相手を剥がしたい。中央ばかりではなかなか崩せないので、自分たちサイドがもっと攻略できれば中も空いてくると思う。まずは焦れずに自分たちのやるべきことをやることが大事。あとはカウンターを狙われると思うので、リスク管理しながら攻撃の質を追求し、やりきって得点を奪うことを意識したい。
讃岐はチームとしてのやり方がはっきりしている。誰が出ても意思統一して戦ってくると思う。守備も粘り強く、なかなか自由にやらせてくれないのではないかと思う。解決策としていろいろこちらも工夫しているので、それが成功すれば点も取れると思う。
順位はそれほど意識していないが、この時期にこの順位にいるということは選手として幸せなことだと思うので、楽しみながらプレーしたい。今月はホームゲームが1試合しかないので、しっかり勝って大分のみなさんに喜んでもらえるようにしたい。