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今節の見どころ

連勝を目指し、個々の戦術理解度と任務遂行度の高さが問われる

 

5日に開催される明治安田J2第27節H新潟戦。前節の勝利を連勝へとつなげ、ふたたび上昇するきっかけとしたい一戦だ。

 

個々の力量が高く試合内容もいい新潟

 
今週は芝の養生期間にあたるため、初日はAコートで、以後をサブグラウンドでと場所を写してのトレーニングとなった。いつもに比べて陽射しが強くそそぎ、地面も硬質なサブグラウンドではいつも、知らず知らずのうちに疲労が蓄積する。だが、前節つかんだ6試合ぶりの勝利をふたたび上昇気流に乗るきっかけとしたいチームは、たゆむことなく向上に努めている。
 
前節の岐阜戦はメンバーとフォーメーションを変えて臨んだ。対岐阜戦術と現在のチーム状況の両方を考慮した上での選択だったが、今節はどう戦うかが注目される。
 
今節の相手・新潟は、4-3-3の岐阜とは異なる4-4-2システム。ここ4試合はフォーメーションもスターティングメンバーも固定しているが、連敗中ということもあり、変えてくる可能性も否めない。前節までと同じならば矢野貴章と田中達也が縦関係になる2トップが攻撃を牽引する。矢野の代わりにやはり長身のターレスが入る可能性も高く、いずれにしても脅威的な存在だ。また、ここ最近は右SBで出場し続けている安田理大の攻撃参加をどう抑えるかも課題となるだろう。
 
小川佳純と加藤大が務めてきたダブルボランチに、先月FC東京から期限付き移籍加入した梶山陽平が、そろそろ絡んでくることも考えられる。失点の続く最終ラインにも変更の可能性がないとは言えない。
 
白星に恵まれず現在は下位に沈んでいる新潟だが、試合内容は悪くなく、主導権を握る展開も多い。戦力個々の能力も高く、その長所を出させてしまうと一気にピンチに追い込まれることになる。
 

臨機応変に判断し組織として戦えるか

 
片野坂知宏監督は新潟戦に向けても「相手の状態を見て臨機応変に判断し組織として一体感をもってプレーすることが大事」と話した。どの試合でもそういうことになるのだが、スカウティングから導き出した試合ごとの狙いは細やかで具体的だ。
 
戦術にポジショナルプレーの要素が強まったように見える今季は、それにともなって選手たちに落とし込むやり方も少しずつ進化しているようだ。指揮官は説く。
 
「サッカー自体いろいろ変化しているし、同じことをやっていても対策を練られるだけで、いろんなことができたほうが相手も絞りづらい。ひとつしか形がなければ抑えられてしまうが、サイドも中央も背後もあるというふうに状況によって選択肢が多ければ多いほど、相手は守りづらくなる。状況判断でこのときにはどこが空く、どこを狙うという意識が合えば、いい攻撃ができて得点も増えてくる。賢い選手、狙いを理解してくれる選手、それをまっとうしてチームのために貢献してくれる選手がいる中から、チームのための仕事や役割をやってくれる選手を選びながら合わせていく。合わせなくてはうまくいかないので、攻守で合わせることのできる選手を評価していかなくてはならない」
 
ここに来て、これまで出場機会に恵まれなかった選手たちがチャンスをつかんでいるのもいい傾向だ。今節も、個々の戦術理解度と任務遂行度の高さが問われる。
 

練習後の監督・選手コメント

 
■片野坂知宏監督
 
新潟はここ最近、4-4-2でメンバーも固定しているが、これまでもわれわれに対して戦い方を変えてきたチームがいたので、これまでとは違ったことをやってくるかもしれない。結果が出ていないのでメンバーを変えてくる可能性もある。予想しづらいが、相手のいろんな変化を見て判断し、上回ることができるかどうかがカギになる。チームとして一体感をもって戦う。
 
相手のやり方や狙いをひっくり返してチャンスを作るためにポジションを修正したり流動的になったりする必要も出てくる。バランスを取りながら合わせてやることが大事。
 
■FW 27 三平和司
 
前節は6試合ぶりの勝利となったが、勝てなかった時期も結果がついてきていなかっただけなので、ひとつ勝ったからといって特別雰囲気が変わるわけではない。先制点が取れて、ずっと準備してきた中でひさしぶりのスタメンで結果を出せてよかった。試合に出ていない間は監督に使ってほしいという気持ちも秘めながらアピールしてきたが、みんながこうして準備していればチーム全体が上がっていくと思うので、やり続けることが大事だと思う。
 
■MF 32 前田凌佑
 
前節はピッチで声を掛け合いながらみんなで奪いにいける守備ができていた。今節も状況を見極めながら一体感をもってやりたい。90分通して集中し、失点しないことが大事。先制点が勝利のポイントとなる。攻撃に人数をかけて点を取れれば大きいので、中盤からの攻撃参加も狙っている。戦える選手、走れる選手が大事だとミーティングでも言っている。相手に負けないよう気持ちの面でも戦っているところを見せたい。むき出しでやる。
 
新潟は田中達也選手がDFと中盤の間で嫌なポジションを取ってくると思うので、マークをはっきりさせて、そこに自由にパスを入れさせないようにしたい。やるべきことははっきりしていて迷いはないので、あとは本番でどれだけやれるか。自分たちのペースに持ち込みたい。