台風一過(予定)の長良川で、岐阜のパスサッカーと交える一戦
異例のコースを取る台風12号の影響を気にかけながら迎える明治安田J2第26節A岐阜戦。対戦するたびに苦戦する岐阜のパスサッカーに対し、今節も粘り強く戦って勝点を持って帰れるか。
台風通過後のピッチコンディションが気になる
天気予報によると台風12号は、東京沖を北上してきたかと思うと西日本を網羅して東から西へと向かう異例のコースを取りそうだ。28日午後時点では28日夜から29日未明にかけて東海地方を直撃する予想で、スピードが次第に落ちていることが気になるものの、29日18時キックオフの試合は予定どおり開催される模様だ。
気になるのはピッチコンディション。長良川球技場は水はけがよくないことで知られており、ここ数年は改善されているものの、かなりの降雨量が見込まれる今回の台風が通過した直後だけに、互いにボールを大事にするスタイル同士の対戦がつつがなく行われるかどうか。
昨季、長良川のピッチが水浸しのコンディションのときに行われた試合では、いつもはどんなことがあろうとも頑としてスタイルを曲げずショートパスをつなぐ大木武監督が、さすがにロングボールを蹴らせていた。出来ることなら両チームとも持ち味を出せる環境で戦いたい。
1トップはデ・フリースか風間か
こちらも5戦勝ちなしと苦しんでいるが、岐阜も7月はここまで1勝2敗で、横浜FCと讃岐に連敗中。前節は田中パウロ淳一が負傷で欠場していた。負傷していたデ・フリースが復帰して1トップに入るようになってから、風間宏矢はインサイドハーフ。前節はDFラインから竹田忠嗣が外れて長崎から育成型期限付き移籍中の北谷史孝が入ったが、今節はどういうメンバーで来るか。
いずれにしても攻撃に枚数をかけて幅を取りスピーディーにパスを回して崩しにくる超絶技巧スタイルだ。その勢いにずるずると押し下げられたり隙を生んで背後を取られたりすることなく、粘り強く集中して対応しなくてはならない。
守備では特に中盤のトランジションが早く、激しくプレッシャーをかけて奪い返しにくる。その勢いは決して侮れないが、上手くいなしながら剥がすことができればチャンスにつながるはずだ。
前節の愛媛戦終了後、あらためて戦力を見極めたいと言及した指揮官が、今節はどのようなメンバーで臨むかも興味深い。チャンスをつかんだメンバーには、意地を見せてもらいたい。
練習後の監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
短い準備期間だが岐阜戦に向けて狙いを伝え、戦術確認をした。岐阜は高い技術でボールをつなぎ攻撃力があるので流動的でテンポの速いサッカーになると思うが、攻守で狙いを合わせて戦いたい。3トップがワイドに張ったり頂点が降りたりするのでしっかり粘り強く対応しなくてはならない。
いまは勝点3が取れていないが、相手に対しての狙いではいいゲームをしているので、それが勝利につながらないのが本当に残念。状況やチームの雰囲気が悪いわけではないのだが、結果が出ないと今後いろんな意味でのプレッシャーにつながってくる可能性があるので、そのプレッシャーを回避させて選手が思い切って試合にチャレンジできるような状況をつくってやりたい。
■MF 15 清本拓己
前節は終盤からサイドで出場し、求められた役割は実行できたが、シュートは2本打ったものの決めきれなくて勝てず悔しい。相手は全員がゴール前を守っていたので中に入っていくのも難しかった。何回しかけたかわからないくらいしかけて持ち味は出せたが、勝利につなげたかった。対策されてきたし、引いてくる相手を崩す力が必要になる。打開して決め切る力をつけなくてはならない。
メンバーに入れば大分に移籍後初めての古巣戦になる。出場したら得意のドリブルで仕掛けて成長した姿を見せることができれば。大木監督になってからはわからないが、僕がいた頃の長良川球技場は雨が降ると水が溜まるので台風が過ぎたあとどういうピッチ状態になるかが気になる。
■DF 29 岩田智輝
今節出場すればプロになって初めての連戦となる。今日は少し体が重かったが若いので大丈夫。岐阜はサイドにいい選手がいるのでボールが入ったときに簡単にプレーさせてはいけない。細かいところが上手いので、まずは背後をやられないこと。チャレンジ&カバーもしっかり連動したい。攻撃に切り替えたらタイミングよく攻め上がり、決定機につなげたい。