7戦無敗の好調・大宮とのマッチアップ。連敗ストップで仕切り直しを
前々節・前節と今季初の連敗を喫したチーム。今節は前節に続きJ1からの降格組との対戦となる。大宮は7戦無敗で順位も着々と上昇中。好調の相手から勝点を挙げ、連敗をストップしたい。
連敗中だからこそアグレッシブな戦いを
梅雨明けとともに強烈な陽射しが照りつけるようになったグラウンド。練習後に氷水風呂が用意される季節になった。
連敗中のチームの今週のトレーニングは実にアグレッシブ。特に攻撃練習では選手だけでなくスタッフの運動量も豊富だった。気合の感じられる雰囲気には片野坂知宏監督のチームマネジメントも反映されていたと思われる。
「失点が多いからといって守備にばかり意識がいかないようにしたい部分もある。一人一人が粘り強く戦うことが大事。ミスは減らしたいが、守備を固めて失点しないことを重点にするよりも、自分たちの狙いを合わせ、勇気をもって戦えるかが大事になる」
そういう考え方が選手たちに前を向かせるのかもしれない。攻撃練習ではスタッフが激しく相手のハイプレスをシミュレーションする中でボールの動かし方や数的優位の作り方を確認し、新たな攻撃の形も浸透させていた。
負傷者が出た一方で復帰してきそうな戦力もあり、大宮戦のメンバーがどうなるかが気になるところだ。
地力が結果に結びつきはじめている好調の大宮
J1から降格してきてシーズン序盤は苦戦の様子だった大宮だが、石井正忠監督が辛抱強く率いる中で、最近はぐっと調子を上げ、本来のポテンシャルを発揮してきた。
11日には天皇杯も戦っているがターンオーバーしており、リーグ戦に出ていたメンバーへの影響は少なそう。ここ7戦は負けなしで、順位も7位まで上昇してきた。得点を量産している大前元紀は3試合連続得点中だ。片野坂監督も「シュート力、決定力、嫌なところに入ってくる、得点感覚などもいま調子が良さそうに見える。スペースと時間を与えたくない」と警戒する。サイドからもパワフルに仕掛けてくるので、その対応でも隙を見せられない。
前回対戦でも見せつけられたとおり、守備も堅い。個々の球際の強さや予測能力などはさすが昨季J1で戦っていただけの力量を持つ。特に中は強固で、組織的な崩しが必要とされそうだ。運動量だけでなく判断やタイミングを合わせることも求められる。
それがうまく繰り出せるかどうか。週末の関東地方はうだる暑さとの予報。夜までに少しでも涼しくなることを願う。「戦術以外のところで負けたくない」と、片野坂監督は球際や切り替えで戦うことを選手たちに要求している。
練習後の監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
大宮は攻撃力が高いが、失点が続いている中でも、守備にばかり意識がいかないようにしたい部分もある。一人一人が粘り強く戦うことが大事。ミスをすれば失点につながるのでミスは減らしたい。ミスしない判断と切り替えなど最後まで集中しなくてはならないが、守備を固めて失点しないことを重点にするよりも、自分たちの狙いを合わせ、勇気をもって戦えるかが大事になる。
一週間準備したからといって簡単にできるようなことはやっていないので、継続が大事。その中での狙いやポイントを持って戦いたい。勝ちたい意欲、高い集中力、それを持続する力。それが上回ったほうが勝点を取れるだろうし、切れてしまったら失ってしまう。夏の戦いは特にそういうところで勝敗が分かれる。戦術以外の部分で負けたくはない。
選手にもいろいろ伝えたが、選手たち自身も危機感をもって取り組んでいるように感じる。自分たちで連敗を止めなくてはならないし、こちらも狙いを提供しながら、選手もその狙いを遂行し、結果につながるように戦いたい。大宮だけでなく月末の連戦まで含めて簡単な相手ではないので、一つ一つ厳しい戦いを乗り切るしかない。そのための準備を選手はしっかりやってくれていると信じている。
■MF 38 馬場賢治
前節はちょっとチーム全体で修正する能力が足りなかった。今週は練習からやるべきことをより明確にしているが、試合の中では絶対的にそれが成立するわけではなく、またいろんな対応力が求められる。監督に戦術を提示してもらった中で、選手たちが相手の変化をもっと気づけなくてはならない。相手もこちらに対策してきているので、準備したことプラス対応力が必要だと感じている。
連敗はしてはいけないが、毎週試合があるので切り替えなくてはずるずる行ってしまう部分もある。この時期には難しいが、アグレッシブさと冷静さを保ち、それを使い分けることが大事。ただただ勢いで行ってもダメだが、迫力を持たないとこれから乗り切れないと思うので、しっかり戦うベースを持ちながら、いま何をすべきかを冷静に判断することが求められる。試合中にその丁度いい地点をチーム全体で見つける。大宮も強いので、1対1の場面で相手を上回ることが大事。
■FW 10 藤本憲明
前節は相手がゼロトップで来たことで後ろもマークが難しくなり、ラインも下がって後ろが余り、中盤で数的不利になっていた。前から守備をしようとしてプレスに行くと向こうも上手いのでかわされた。攻撃パターンやフォーメーションのオプションもいろいろ出来るので、もう少し粘り強く失点せずに試合を運びつつ、攻撃のバリエーションを出せればと思う。
今節も前回対戦で負けている相手とアウェイでの対戦。しかも大宮という強いチームで、燃えるシチュエーション。ここで勝つと負けるとでは全然違う。こちらは連敗中だが、大宮を叩けば自信になる。連戦もあるので勝っておきたい。まずは無失点で終わることが大事。それを続けてくれればチャンスは来るので、そこで決めれば勝てる。いいクロスが入ってきたら僕らは絶対に決めなくてはならない。周囲との関わりも作りながら攻撃したい。