後半戦最初の相手は前半戦で敗れた甲府。ホームであの日の雪辱を
2018年シーズンも折り返し。後半戦最初の試合となる明治安田J2第22節、大分がホームに迎えるのは第16節にアウェイで屈辱的な大敗を喫した甲府だ。あの日誓った雪辱を果たす日がやってきた。
ピッチ内外で細やかな甲府対策を確認
第16節、甲府のアグレッシブな守備にハメられ、立ち上がりから立て続けに失点して屈辱的な内容で敗れた悔しさを胸に、チームは日々のトレーニングを重ねてきた。今節は、その雪辱を果たすときだ。
今週も不安定な天候に苛まれた中、特にオールアウトの日は非常に蒸し暑く、翌日の選手たちの動きは重かったが、非公開で行われた紅白戦ではミーティングで細やかに伝達された今節の狙いをピッチで確認し、組織での意思疎通が図れたようだ。
今節は、ここ3試合、右CBを務めていた丸谷拓也が出場停止。ほかにコンディション不良者も出ており、回復具合や復帰時期が不明だが、守護神・高木駿は「調子のいいメンバーが出場するのがこのチームのいいところ。誰が出ても同じテンション、同じ考えでプレーできて、連係も問題ない」と安定の構えを見せる。
戦力が限られた中、ハードな連戦中の甲府
現在、甲府は7勝7分7敗で勝点28の12位。上野展裕監督に交代した第12節から勢いに乗り4連勝した時期もあったが、ここ3試合は白星なしという状況だ。
今節はハードな連戦の真最中でもある。JリーグYBCルヴァンカップのグループステージを突破した関係で、当初の予定を変更してJ2第18節H金沢戦を7月4日に開催。前節のH京都戦から中3日で金沢と戦い、そこから中2日でA大分戦に臨む。さらに中3日で天皇杯3回戦・清水戦。
この連戦を乗り切るために、上野監督は連戦前から明言していたとおり、ターンオーバーを敢行。金沢戦には京都戦から先発8人を入れ替えて臨み、1-3で敗れた。今節は京都戦のメンバーをベースに、フレッシュなチーム状態で臨んでくると見られる。
ただ、京都戦で先発した前線3人はいずれも不在となる。攻撃を牽引してきた小塚和季とジュニオール・バホスが負傷離脱し、リンスが5日付でFC東京へと期限付き移籍。堀米勇輝が攻撃の核となることが予想される。リンスのこの時期の放出を考えれば、ここ最近は姿の見えなかった金園英学の復帰も念頭に置いておかなくてはならない。負傷離脱していたジネイの強行出場は、あるかないか。
戦力が限られた状態とも思われるが、ハードワークを辞さない個々のパワーやポテンシャルは高く、堀米をはじめ田中佑昌、島川俊郎、湯澤聖人ら、警戒すべき選手は多い。特に左CBのエデル・リマの攻撃参加は、しっかり対策しておかなくてはならないところだ。
上野監督のスタイルはアグレッシブなハイプレスに象徴されるが、前節の徳島のように、勝利のためにスタイルを曲げてでもこちらを消しにくる例もある。相手の出方を見極めながら抜かりなく戦術遂行することが、今節、勝点を積み上げるポイントとなるだろう。
練習後の監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
甲府とはミラーゲームが予想される。紅白戦でイメージして意思統一した。出場停止の選手などもいる中で、コンディションがよく、甲府戦に向けての狙いを出せるメンバーをチョイスしたいと考えている。甲府の出方や変化を見てプレーできるかどうかがカギになると思う。一人一人がハードワークして戦ってくる相手をいなしたい。甲府は個の部分で隙がなく厳しい戦いになると思うので、うまく変化させて攻めたい。選手が狙いを合わせてやってくれれば。
甲府は金沢戦はターンオーバーしていたので、われわれに対しては京都戦のメンバーがベースになるのかなと思うが、怪我などで抜けた選手のところに誰を使うのか、また怪我人がどう復帰してくるかなどが予想しづらいところもある。フレッシュなメンバーで来ると思うので、気の抜けないゲームになるだろう。
■GK 31 高木駿
前回対戦では自分たちのサッカーが全くできず屈辱的な負け方をしているので絶対に借りを返さなくてはならない。やり返すくらいの気持ちで当たりにいく。前回は守備をうまくハメられたが、今回は相手の出方を見ながら判断してプレーしたい。出場停止でメンバーが一部変わったりもするが、調子のいいメンバーが出場するのがこのチームのいいところ。誰が出ても同じテンション、同じ考えでプレーできて、連係も問題ない。
甲府は4日の金沢戦ではターンオーバーしていたので、週末に出るメンバーはしっかり準備しているはず。甲府は勢いがあり、連戦など関係なくやってこれるチーム。フレッシュなメンバーでハードワークしてくると思う。だが、こちらもミーティングで緻密に戦術的な準備をしたので、試合が楽しみでもある。
■MF 38 馬場賢治
前節は相手の出方がわからず、10人になった中でも片さんがトライして前向きな雰囲気を出してくれたので、選手たちもしっかり次に向かうためにという雰囲気でいる。監督がポジティブに次に向かうと言ってくれたので、チームもそういう雰囲気になり、練習中や練習後にも選手間で修正点などを話し合ったりした。
甲府は怪我人が出ていたり連戦だったりして大変な中になるが、向こうも目指すところに手を届かせるために後半戦で順位を上げようとして、必死に戦ってくると思う。また読みづらい試合になるが、前回対戦で負けた試合後に、ホームで必ずリベンジしようと監督がみんなに言ったので、内容ももちろん大事だが、まずはしっかり勝つこと。連敗もしたくないし、何よりも後半戦にもう一度自分たちがしっかり戦っていくんだぞという姿勢を見せる、すごく大事な試合になる。