上位対決で迎える九州ダービー。組織力を生かし賢く戦え

　
前節の松本戦はここまでコンスタントに出場を続けてきた宮阪政樹を契約の関係で欠き、片野坂知宏監督は布陣に大きく手を加えた。モビリティーを高めて臨んだ狙いは見事にハマり、4-1での快勝を呼び込んだ。
　
今節は宮阪が戻ってくるが、前節がハマったこともあり選手起用は悩ましいところ。特にボランチの人選によって布陣の性格が大きく変わるため、相手の出方も読みながら考えることになりそうだ。前節終了間際に負傷交代した後藤優介のコンディションも気になる。
　
オールアウトの日は大雨にたたられ、練習時間を午後に変更。その影響が翌日の午前練習にも若干生じたようだが、紅白戦では狙いをしっかり確認できたという。
　

　
シーズン折り返し前とはいえ、勝ち点2差の福岡としては、ここで大分を下してひとつでも上位へと士気高く乗り込んでくるだろう。
　
主軸となっているのはボランチの鈴木惇。昨季は期限付き移籍により大分でプレーし、“片野坂サッカー”の構築に一役買ったが、今季はレンタル元の福岡に戻っている。その正確な左足からのキックは前線に並ぶドゥドゥや森本貴幸といった決定的な仕事の出来る強者とホットラインを形成するとともに、セットプレーやミドルシュートでも威力を発揮する。
　
読みづらいのは今節、松田力の累積警告による出場停止の影響だ。強烈な個性を持つ選手たちを細やかで気の利いたプレーで潤滑させていた松田の代役をどうするのか。最近は4-4-2システムで落ち着いていたが、3-4-2-1や3-5-2も可能で試合途中での変更もあり得る。組織的に守備対応したい。
　
福岡は4バックでも守備時に最終ラインを5枚にしてこちらに枚数を合わせてくる傾向が見られる。賢くそれを剥がせれば好機も狙えるだろう。
　

　
■片野坂知宏監督
　
ホームで九州ダービーを戦う中で、良い試合の入りをしたい。福岡も先制すると強いので、前半のうちに先制点を取って主導権を持って進めたい。ただ、福岡は戦力個々の質が高くタレントも多いので、攻守にチームで一体感を持って戦うことが大事になる。福岡は前節新潟に0-2で負けて、われわれに対してどう臨んでくるか。相手もこちらのやり方はわかっていると思うが、それでもやられないよう臨機応変に戦いたい。
　
ドゥドゥは攻撃の核になっている。（鈴木）惇も良いボールを蹴ってホットラインを形成している。つねに森本くんやドゥドゥを見て前線に良いボールを入れてくるのでしっかり管理しなくてはならない。相手がどういう形で来るか、どう変化してくるかをわかって動かし、隙を突く攻撃でなんとかこじ開けて得点したいが、前がかりになりすぎるとドゥドゥと森本くんのカウンターが生きてくるので、リスク管理も怠ってはならない。
　
■DF 5 鈴木義宜
　
前節は自分たちの狙いの中で相手が退場となった。これからも試合は続く中で微妙なジャッジもあるかもしれないが、それに左右されることなく自分たちのサッカーを貫くのが大事。以前から自分のところでもっと潰したいと思っていたので、思い切って前に出るようにしている。入ってきたところできちんと潰し、ラインをずるずると下げないようにしたい。
　
福岡戦は誰が出てきても強力な選手ばかりなので逆に楽しみ。裏への抜け出しが得意な選手が前線にいるので、鈴木惇の前へのフィードには気をつけたい。セットプレーでも良いボールを蹴ってくるので警戒しなくてはならない。
　
■DF 41 刀根亮輔
　
最近は左CBに入っていて、見るところややるべきことは変わらないし、シンプルにプレーすることも同じ。対人守備では体の向きが違うが、いつもどおり粘り強く対応している。前節は相手が一人退場したが、一人少なくなってからも迫力ある攻撃を仕掛けてきたので、リスク管理が大事だった。今節は相手のシステムを予想しづらいが、変化を見ながらプレーを選択し、最終ラインからもテンポ良くボールを動かして攻撃参加していきたい。
　
今節はダービーなのでサポーターも気合が入っていると思う。上位対決で、勝てば福岡を突き放せる。僕たちがもう一度首位に立つためには強い相手を倒していかなくてはならない。気持ちの部分も大事になると思う。あとはいかに自分たちのサッカーを表現できるかが試される。