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今節の見どころ

横浜FCの強力な攻撃陣を抑えつつ、良い守備から良い攻撃へとつなげたい

 

台風5号が近づく5日、明治安田J2第26節。チームはアウェイ三ツ沢球技場で横浜FC戦に臨む。夏の補強でレアンドロ・ドミンゲスを加えた相手は、前回対戦に比べ攻撃のバリエーションを増やし、さらなる強敵へとパワーアップしている。

 

細部の精度を上げながら完成度を高めていく

 
今週はニュースが相次いだ。U-23韓国代表GKムン・キョンゴンの加入と松本怜の入籍、そして坂井大将のベルギー2部・AFCテュビズへの移籍。いずれも朗報で、チームに活気をもたらしてくれるはずだ。
 
大津耀誠や前田凌佑ら、ここまで出場機会の少なかったメンバーが少しずつ実戦で結果を出しはじめ、他のメンバーにも続いてもらいたいところ。中断期間のないシーズン、リーグ戦を戦いながら底上げも進めていくのは容易なことではないが、経験豊富な戦力のリードもあり、個々が意識を高めている様子も見て取れる。
 
横浜FC戦に向けてのトレーニングは、守備の整理からスタートした。讃岐戦で見せた守備の連動については片野坂知宏監督も高評価しているが、今節は強度の高い攻撃力を誇る相手。より細やかにコミュニケーションを取り守備の精度を高めるメニューが続いた。
 

ヨンアピン不在もレドミ加入で強度を増した横浜FC

 
PK2本を与えてドローに終わった前回対戦だが、スペースを突きながらボールを動かし、狙いどおりの展開をものにして、2本のゴラッソによる得点を挙げたことは記憶にあたらしい。
 
イメージは悪くないが、今回は前回対戦時とは違って相手は4バックシステムと見られる。また、ここまで守備の主軸を担ってきたカルフィン・ヨンアピンが出場停止。強さはあるが弱点もあったヨンアピンに代わって違う選手が入ることにより、横浜FCの守備にもニュアンスの変化が生じると思われる。
 
そして何よりも、レアンドロ・ドミンゲスの加入が横浜FCを大きく変化させている。Jリーグで多大な実績を持つ司令塔が、バイタルエリアを漂いながらどのように攻撃を組み立てていくか。
 

まずは堅実な守備から自分たちの攻撃につなげる

 
トレーニングを見るかぎり、アウェイ戦ということもあり、まずはしっかりした守備から入る模様のチーム。中里崇宏や佐藤謙介からイバやレアンドロ・ドミンゲスに容赦なく入ってくる縦パスを、どこでケアするか。また、前線に長いボールが入ったときのセカンドボール対応をどうするか。
 
野村直輝やジョン・チュングンのスピードと機動力も警戒しなくてはならず、最終的には最終ラインのチャレンジ&カバーと中盤のプレスバックで抑えることになるだろうが、前線からのプレスでパスコースを制限して、下がりすぎないようにしながら効率的に守りたい。
 
攻撃に関しては「いつもどおり」と三平和司。後藤優介、小手川宏基とのコンビネーションは成熟度を増しているし、シキーニョや伊佐耕平、大津耀誠と計算できる攻撃オプションも増えてきた中で、指揮官がどのような選択をするかも見ものだ。
 
守備の方でも忙しくなるはずの川西翔太や鈴木惇が、どれだけ攻撃に関われるか。対横浜FC戦術を全員が意思統一して遂行しながら、自分たちのコンセプトを貫きたい。