前回対戦の雪辱を果たし、成長を感じたい一戦。新戦力・シキーニョ登場の可能性も
22日に行われる明治安田J2第24節、チームはアウェイでの雪辱を期してホーム水戸戦に臨む。新戦力・シキーニョ初出場の可能性もあり、楽しみな一戦だ。
そろそろ戦績も梅雨明けしたい
試合前々日にようやく梅雨が明け、ときおり吹く乾いた風のおかげでグラウンドの暑さもややさわやかに感じられるようになった。
リーグ後半戦に入って湘南・愛媛とそれぞれ引き分け。いずれも激しくハードな試合だったが、チームは攻守に粘り強く戦い、勝ち点2を積み上げている。折り返し直前の千葉戦から数えて3戦白星なしの今節、そろそろ戦績もスカッと梅雨明けしたいところだ。
今節は出場停止明けで後藤優介が戻ってくる。今季初めてピッチの外からリーグ戦を見ることで、後方からのボールを受ける意識やフィニッシュに至る崩しに関して自分なりの収穫もあったようで、それがプレーに反映されるのが楽しみだ。
また、今節から出場可能となる新戦力・シキーニョが初出場する可能性もある。最終的にコンディションや他の戦力との組み合わせを見ながら決定するということではあったが、試合前々日の囲み取材で片野坂知宏監督もメンバーに入れたいと話していた。
週の立ち上げのゲームではなかなかボールが出てこなかったが、トレーニングマッチではスピード感あふれるプレーを披露し、クロスで得点アシストもしている。これまで主力組でプレーする機会がほとんどなかったため、細かい連係はまだこれからという感じだが、今週、紅白戦で一緒にプレーした三平和司は「スピードもあるし、ドリブルもクロスもあるので、個人技である程度は行けるのかな」と感触を語った。
前回対戦の経験も踏まえつつブレずに戦う
今節の最大のモチベーションは、前回対戦の雪辱だ。アウェイで対戦した第17節、水戸はこちらの戦術を徹底して研究し、ボールの奪いどころを定めて前線から激しくプレッシャーをかけてきた。そのプレスの勢いにミスを誘われ、ビルドアップ過程で失点を喫しての、悔しい敗戦。片野坂監督の就任以来「勉強代」として覚悟していた形の失点を、ついにこの日に献上してしまった。
だからといって、戦術を変更するつもりはない。「それでやることを変えてブレてしまったら、このチームが上を目指していくことは出来ない」と岸田翔平。鈴木惇も、取り組んでいるビルドアップに手応えを感じつつ「まだ技術的なミスで失点につながったり得点を逃したりしてしまっているので、引き続きやっていきたい」と話す。
一時は5連勝を含む13戦無敗と好調に勝ち点を積み上げていた水戸だが、こちらも現在、3戦未勝利。「ただ、いまがまるっきり悪いゲームをしているかと言ったらそんなことはなく、紙一重の戦いをしているので決して侮れない。一瞬でも隙を与えると得点されてしまう」と片野坂監督は予断を許さない。
そんな状況でもあり、水戸の出方はまたも予想しづらくなっている。複数のシステムを使い分け、選手起用のオプションもある。片野坂監督は敵将・西ヶ谷隆之監督について「相手の良さを消しながらもブレずに自分たちのサッカーで戦ってくる。試合展開や状況によってシステムなどを使い分け、チームをコントロールしたり変化させたり出来る」と警戒しており、その出方を慎重に見極めながら、主導権争いを制したいようだ。
相手がどう出てきても組織で臨機応変に対応
水戸が夏場のアウェイでどういう戦い方をしてくるかはフタを開けてみないとわからないが、激しい守備のスイッチを入れ、攻撃でも起点となり周囲を牽引する前田大然と林陵平の2トップは変わらないと見られる。
前回対戦でも特にこの2人を警戒して臨んだが、逆にそれが相手に勢いを与えてしまった嫌いもあった。スペースを与えればどんどん圧力をかけてくる。不用意に潰しに行けば入れ替わられてピンチになる。後方で状況を見ながら良いパスを出す選手もいるため、「そういった部分のせめぎ合いになる」(片野坂監督)。
「特徴のある選手だが、自然体でしっかり対応したい」と竹内彬。全員で意思統一し、組織的な守備で相手に隙を与えずに戦う。
攻撃では、チームコンセプトどおり、相手の形や状態を見ながらスペースを突くことがポイントとなる。「相手がどういうシステムで来ても、それほどやることは変わらない」(三平)、「前もって決めつけずに、その場その場で頭を回転させて対応していく」(鈴木惇)と、選手たちはいつも以上に状況判断力が求められることを強調した。
今節も厳しい戦いが予想されるが、前回対戦のリベンジを果たすとともにホームで後半戦最初の勝利を飾り、積み上げているものの手応えを確かに感じたい。