愛媛の鋭いカウンターを警戒しつつ、ベースで上回り勝利をつかめ
明治安田J2第23節が開催される16日、チームはアウェイで愛媛と対戦する。
チーム得点王の不在をどう埋めるか
暑さ厳しく、12日に天皇杯3回戦・柏戦を挟んだこともあり、愛媛戦に向けてのトレーニングは効率的で短めの調整となった。
今節は柏戦で退場となった後藤優介が出場停止。ここ最近は三平和司、小手川宏基との前線3枚のコンビネーションがハマっていただけに、チーム得点王の不在をどう埋めるかが注目される。
天皇杯・柏戦で狭い局面でも落ち着いた捌きでボールを散らした前田凌佑を入れて川西翔太をシャドーに上げるか。伊佐耕平をトップに入れて三平をシャドーに下げるか。あるいは後藤の抜けた位置に國分伸太郎や吉平翼をハメ込むか。複数の選択肢が考えられるが、天皇杯で献身的なパフォーマンスを見せた面々をどの位置にどう組み込むかは、選手個々のコンディションと組み合わせ、また相手の特徴も鑑みて、指揮官がギリギリまで考えを巡らせたはずだ。
堅守速攻の愛媛、ホームでの戦い方に注目
内容的には互角以上の好ゲームを展開しながら、なかなか結果に結びついていない愛媛は、リーグ戦2連敗中。だが、片野坂監督は「チャンスを作りながらもったいないゲームをしていると思うが、ブレずに90分間、自分たちの戦いをしてくる」と警戒する。
愛媛との前回対戦は4月1日の第6節。ハイプレスをかけてくるかと思った愛媛はまもなく5-3-2のブロックでスペースを消し、大分の攻撃を潰したところから鋭いカウンターを狙ってきた。65分に小池純輝のクロスから西田剛にヘディングシュートを決められ、先制を許したことで、相手はさらに守備を固めた。
なかなかフィニッシュまで攻めさせてもらえず、88分には竹内彬が前線に上がるパワープレーで追撃して相手を押し下げ、ついに95分、なりふり構わずこぼれ球を押し込んだ林容平の今季初ゴールで勝ち点1をものにした試合だった。
今回は愛媛のホーム。相手がどう出てくるかはフタを開けてみなくてはわからないが、備えは十分に出来るはずだ。ベンチワークの妙が発揮されることだろう。
特に河原。鋭いカウンターにやられるな
選手としては第一に、ミラーゲームにおいて目の前の相手に負けないことが求められる。愛媛は12日の天皇杯で大宮と対戦し、延長戦まで120分を戦って2-3で敗れている。メンバーは入れ替わるだろうが、こちらの方が選択肢を含めて疲労の少ない状態で戦えるはずなので、ベースの部分で是非とも上回りたいところだ。
指揮官が最も警戒するのは愛媛の鋭いカウンター。その要所となっているのが、2010年に半年だけ大分でプレーし現在もサポーターに愛される河原和寿と、松本怜の早稲田大の後輩にあたる近藤貴司の2シャドーだ。彼らがゴールを狙う駆け引きはハイレベルで、特に飛び込んでくる河原の得点力には、何度も痛い目に遭わされている。もちろん、強いフィジカルを誇る1トップ西田も抑えなくてはならない。
連敗がないとは言え、リーグ戦2試合勝ちなし。1試合の結果で順位が大きく変動する混戦の中、アウェイだがここでなんとか勝利して、上位争いに食い込み続けていきたい。