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今節の見どころ

J1・柏と4年ぶりの対戦。いまだ負けなしのホームでジャイアント・キリングなるか?

 

12日は天皇杯3回戦。チームは大分銀行ドームで、J1・柏と対戦する。

 

メンバー選考は直前まで葛藤

 
対戦するのは大分が明治安田J1で戦った2013年シーズン以来、4年ぶりとなる。
 
2回戦・町田戦を勝ち上がったときから、片野坂知宏監督も「次はJ1の柏とやれる」と楽しみにしていた。自身の古巣でもあり、町田の相馬直樹監督に続き下平隆宏監督も同い年。下平監督とは柏時代のチームメートだったと同時に、第68回高校サッカー選手権の1回戦で、鹿児島実業高と五戸高のキャプテン同士として対戦したこともある。そのときは2-1で片野坂キャプテン率いる鹿児島実業が勝利した。ピッチからテクニカルエリアへと戦場を変えて、27年ぶりのマッチアップが実現する。
 
だが、そんな個人的な思い以上に、指揮官はいま、自分のチームがどれだけのポテンシャルを持っているのかを確かめたい気持ちでいっぱいのようだ。「もちろん勝利することは求めたいが、自分たちのやり方がどれだけJ1の相手に通用するかを見てみたい。それを体感することで、今後、J1に昇格するために、また昇格したあとに、何が必要なのかが見えてくると思う」
 
息苦しい蒸し暑さの中、互いに激しくぶつかり合った明治安田J2第22節・湘南戦の終了直後には「今日の試合に出た選手たちはかなりダメージを負っていると思う。来週の愛媛戦にも影響してくるのでどうするか…」と話したが、10日のトレーニングを軽めの調整に充てたあと、「見たところ思ったほどのダメージはないようだ」との感触。
 
可能な限りは現時点で主力として出場しているメンバーで戦いたいようだが、リーグ戦との兼ね合いを見ながら、直前まで葛藤するということだった。
 

J1・4位の柏に自分たちらしく挑む

 
8日にアウェイのキンチョウスタジアムでC大阪戦を戦った柏は、連戦に向けて本拠地に帰ることなく、そのまま大分入り。大分市営陸上競技場などでトレーニングを行い、ひさびさの大銀ドームへと乗り込む。
 
今季好調の柏はここまで、4-4-2、4-3-3、4-2-3-1といったシステムを使い分けている。7月に入ってからは鹿島とC大阪に2連敗しているが、12勝3分9敗で現在4位。
 
守護神は日本代表・中村航輔。中谷進之介や中山雄太ら年代別代表でおなじみの名が並ぶほか、前線にはクリスティアーノやディエゴ・オリヴェイラ、ハモン・ロペスと強力な外国籍選手を擁する。「個性的な外国籍選手を含めながら、組織としてよくまとめている」と、片野坂監督は下平監督を評価。
 
そういったメンバーの中から、誰が出場してくるか。明治安田J1は中断期間に入るため、チーム事情で調整を図ってくる可能性も考えられる。
 
坂井達弥は「代表で一緒にプレーした細貝萌がいるので、もしお互いに出場できれば対戦できるのが楽しみ」と話した。「シーズン半分を終えて、誰が出ても片さんのサッカーが出来るように着実に浸透しつつある」と手応えも感じており、この試合への出場に意欲を見せている。伊佐耕平は「練習試合のつもりでハツラツとプレーしたい。天皇杯優勝を目指しているし、負ける気がしない。誰が出るか知らないけど」と、通常のテンションで語った。
 
勝ち上がれれば最高だが、まずは自分たちのサッカーでぶつかること。チャレンジャーとして臨む一戦で、実のある収穫を得たい。
 
ちなみに、柏とのここまでの対戦成績は6勝8分5敗。うちホームでは3勝6分と負け知らず。天皇杯で対戦したのは2013年の4回戦、カンコースタジアム(現・シティライトスタジアム)で。西弘則が飛び込んで放ったヘディングシュートで1-0で勝利している。